復活に向けて③
今週末はクリスマス。私は家族とささやかに過ごそうと思っていますがあなたは予定ありますか?
でも、意外と予定って計画しても色々あってなかなかその通りには進みませんよね。
私なんか、いつもそのクチで・・・・(///∇//)
小説家になりたくて、実際に行動に移したのは今から三年前。
ホームページを立ち上げて連載をしていました。(現在は閉鎖しています。いわば練習の場のようなものでした)
予想以上に読者も増えて多少の自信もついてきていたんですが、その読者の中に出版関係を名乗る方がいまして、ある日、こんなメールが。
「私、〇〇〇出版の〇〇と申します。いつも楽しく拝読しています。(中略) あなたの文章にはとても魅力があります。いくつかの課題を克服出来れば作家デビューも可能だと思います(中略) それでは健闘を祈ります。」
そこに書かれていた課題は全て私がいつも気にしていた点で、読んで愕然としたのは言うまでもありません。
そのメールをきっかけにサイトを閉鎖し、1から勉強し直すことを始めたのでした。
続きは次回にさせて頂きます。では。(〃∇〃)
復活に向けて②
なんとも・・年の瀬に急性胃腸炎(いわゆるノロウイルス)にかかりました。
風邪が治って一難去ったと思ったらまた一難(-"-;A
この二日間で何キロ痩せたでしょう? 間違いなくお腹スッキリサッパリで体が軽いです・・
おかげで今日は点滴打ってから仕事でしたが( ̄Д ̄;;
クラブワールドカップっていつ決勝ですか?それすらもままならないくらい数日間はフラフラしていました。
そんなこといってもF1記事とかはしっかりチェックしているんですが(;^_^A
私は、サッカー観戦、F1観戦のいずれも20年以上の前から好きで観ていまして、多少は語れるくらいキャリアはあります。
読書もそのうちのひとつで、小学校の頃から学校の図書室で借りたり、親が買い与えてくれた本(親は唯一本だけは買ってくれました。マンガ等には厳しく禁じられていて、中学に入るまで一度も読ませてもらえませんでした)を部屋で何度も読んでいました。
サッカー、F1、読書と私の大好きな趣味が三つ。
子供の頃からただ観るだけでは飽きたらず、部活でサッカーをしたり、免許を取得してからはサーキットを走ったり。
これは現在も続けていまして、趣味でやる分では楽しいものです。
もちろん小説を書くという形で文学も継続いていたのですが、ある日から強い思いが自分の中で芽生えてきたんですよ。
「小説家になりたい」
次回へ話は続きますm(_ _)m
バリア(障壁)~29
ゴールデンウィークの疲労がやっととれたようです、連載を再開いたします。
随分と間が空いてしまいました・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は心に刺さったままの棘をそっと抜き取るように、奈穂子との2年半を百合子に話し始めた。
今まで、親友にも話さなかった少年の頃の浄化出来ていない想いを。
少しずつ、ウイスキーを飲みながら彼女に打ち明けていった。
途中、まわりくどい話し方にもなって随分と長いこと話してしまったが、それでも私から視線を外すことなく彼女は耳を傾けてくれた。
「・・・ほっちゃん、若いのに辛い恋してたんだね」
百合子は煙草に火を付けながら言った。
「そんな終わり方したら宙ぶらりんになっちゃうよね」
彼女はすっかり空になってしまったウイスキーボトルをカウンターに置き、新しいボトルの栓を開けながら言葉を続けた。
「まあ、過去の出来事だと思うようにはしてますけど」
「時間・・・ね」
香織は私の向かいのソファで静かに寝息をたてている。
店内もカラオケから有線放送に切り替えていて、スローテンポなジャズが流れているので落ち着く。
時計が無いので時間は分からないが、今夜はそんなこと気にしなくていい。
「その奈穂子さんは今何しているの?」
「いや、それから誰も居所を知らないんです」
「会いたい?」
「・・会ってみないと分かりません。 感情が昂るのかそれとも無関心なのか。 でも、ひとつだけ分かるのは・・・・以前の気持ちにはもう戻らないということです」
百合子は手元にある焼酎の梅割りを飲み干して頷いた。
表情からは「そうだよね」と言っているように見えた。
「次は私の番ね」
彼女は自分に言い聞かせるように店の椅子に座りなおした。
「まず、どこから話そうかな・・」
そう言ってから、彼女は嫁いだ先の夫のことから語り始めた。
以前に香織から大体のことは聞いていたので知ってはいたが、当人からの話はもっとリアリティがあり、重みがあった。
地方の湯元街の地主であった彼女の夫は手広くビジネスを手掛けていた。
周辺の焼肉店、パチンコ店は全て彼の店であり収益もかなりのものだったらしい。
店のために殆ど家に帰らぬ夫を最初は全く疑うことなく3人の娘を育てていたが、ある日、従業員から耳打ちされる。「社長、最近怪しいですよ。一度興信所にでも依頼して調べてもらいなさい」と。
結果は何人もの愛人関係、多大な借金。
夫に問いただすと一切家に金を入れなくなったそうだ。
同居する姑に相談するとあたかも嫁が悪いと言わんばかりで、我慢できずに娘と共に家を出たそうだ。
「それでこっちに帰ってきたのよ」
百合子は煙草に火をつけるとふうっと吹かしながら宙を見つめた。
「そこで大切な人に出逢ってね」
私は言葉を遮るようにして返した。
「塚田さんですね」
「そう、気付いてたのね」
「いつだったか、深夜に事務所の裏口から貴方が入っていくのを見ました。そうとしか受け取れない感じで」
「あの時はどうしても逢いたくてね・・でも何もないから」
「朝まで出てこなくても?」
「そう、あの人はアタシに指一本触れようとはしなかったわ」
「片想い?」
「今はそうなっちゃってるのかもね・・」
「・・・」
私は彼女が言葉を選んでいるのを感じて、待った。
「相手には奥さんがいるもの・・星矢君も。 だめだって思っているけどどうにもならないの」
「でも、愛人関係・・」
「愛人じゃないわ。 一度だけ抱かれてしまっただけ。 こんな気持ちになるなら抱かれなければ良かった」
百合子はそう言うと口をつぐんだ。
ああ、この人も心が宙ぶらりんになっているんだ。
私は言葉が思いつかず途方に暮れた。
その時、私はなぜかそっと彼女に近づき
うっすらと暖かみがある頬にそっと口づけをした。
私の鼻とくちびるが、彼女の泪の雫で濡れた。
なぜそんなことをしてしまったのかは分からない。
でもそうしたかった。
次回へ続く・・・