1月の読書会『ペツェッティーノ』レポート⑤ | 寺田真理子オフィシャルブログ

1月の読書会『ペツェッティーノ』レポート⑤

1月11日(木)に開催した読書会のレポートをお届けしています。1月の読書会からは、絵本を中心に、毎回読み切りの短い作品を読んでいくことになりました。作品は毎回変わりますが、テーマとしては何かしらケアに関わるものを取り上げていきます。

 

第1弾として取り上げたのは『ペツェッティーノ』(好学社)です。

 

 

1月の読書会『ペツェッティーノ』レポート①はこちらをご覧ください。

1月の読書会『ペツェッティーノ』レポート②はこちらをご覧ください。

1月の読書会『ペツェッティーノ』レポート③はこちらをご覧ください。

1月の読書会『ペツェッティーノ』レポート④はこちらをご覧ください。

 

ペツェッティーノが粉々になることについて、自分の経験と重なり合うところがあるかどうか、お話を伺いました。

 

「粉々になるところは、自分のうつ病の経験と重なった。ペツェッティーノが粉々になったことで発見があり、周囲への認識が変わったように、自分もうつ病で一度それまでの自分が壊れたことで自分の在り方が変わり、周囲への認識も変わった」

 

「30歳ちょっとくらいから、気持ちが落ち込むことがあった。20代は自分が特別だと思っていた。30代で見える世界が変わって、メンタルクリニックにも通ったりした。大きな自然とか、大きな何かと自分はつながっていると考えることで救われた」

 

「他と一体、一緒という実感がなかったが、歳をとると、ひとりで何でもできないとよくわかってきた。家族に弟が二人いて、よくケンカをする。割れ鍋に綴じ蓋だと思うが、割れ鍋であることで、お互いにここまで生きてくることができた。完全でないから、命をつないでくることができたと思う。何があるかわからないと毎日突きつけられるからこそ、悪いところも大事にしたい。『ここがこうだったら良かったのに』と思うことがなくなって、こんな私だからこそ生きてくることができたと思う。嫌なところも、切り捨てようと思わなくなった。小さくて何もできなくていいんじゃないかと思う」

 

「粉々になったという実感がない。途中で譲歩するからだろう。若い頃は角の立つことをしていたが、歳をとるにつれて、『こんなもんでいいんじゃないか』と受容することで自分を落ち着かせている」

 

レポート⑥につづく。

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