♥4
「お疲れ~」
「お疲れっした~」
皆口々に談笑しながら楽屋へ向かう。
いつもの見慣れた光景。
だけどいつもと違うのが…帰る家が翔君と同じってこと。
たったそれだけのことで、何でこんなそわそわしちゃうんだろ。
着替えを終わらせメイクを落としていると、
「お先。」
「ぅわっ!」
流石早帰りのニノ。
もう帰り支度を済ませ、ついでに俺のケツを鷲掴みにしてさっさと帰って行く。
ったく、アイツはどんだけ俺のケツ好きなんだよ!
「智君、今日このあと予定は?」
いつの間にか翔君が隣に来ていて、小声で聞かれる。
「へ?えっと…特にないけど。」
釣られるように小声で返す。
ちらりと視線を移すと…松潤と相葉ちゃんは、何か二人で話してる。
多分次のライブの演出のこと。
「良かった。じゃ乗ってきなよ。どうせ一緒のとこなんだし。」
「あ、でも…」
翔君だって寄りたいとこあんじゃねぇの?
基本2ヶ月先まで予定を入れてる翔君が真っ直ぐ帰宅って、俺に気を使ってるから…とか?
「智君とこのマネ、今日デートらしいよ。」
こそっと耳打ちされて、なるほど、それならお言葉に甘えて早めに解放してやるべきだと納得する。
「んふふ、アイツにもようやく春が来たか(笑)ほんじゃ…不束者ですがよろしくお願いしや~す。」
「くはは!低姿勢!」
翔君はくしゃっとイケメンな顔を崩して笑った。
仕事終わりに一緒のマンションに帰る、とか。
勿論1人寂しく帰るより楽しいし嬉しいんだけど…
何かすげぇ照れるっつーか…こそばゆい。
これからもこういうことがたまにあるんだって思ったら…何か…
うーん、表現むずいけどとにかく恥ずかしいっ。
だってさ、なんかこれって…ど、同棲…みたいな。
一緒のとこから一緒の職場行って、一緒に帰って…自営業してる夫婦か!
いやいや、普通に違う部屋なんだから気にし過ぎか?
ちゅーか、こんなん気にしてる時点で俺おかしい??
そんなことをぐるぐる考えていると、いつの間にかスモークの貼られた車の前に到着していて。
「あれ、マネは?」
「俺の忘れ物取りに行ってくれてる。鍵預かってきたんだよ。ってこの話してる時あなた一緒にいたじゃん!(笑)」
「ええ、マジで?ごめんぼーっとしてたわ…」
「え~どんだけ~(笑)まぁいいや、お先にどうぞ。レディファーストならぬリーダーファーストです(笑)」
ワゴンタイプの車の扉をグワンとスライドして、手を差し伸べてくれる。
「んふふ、あんがと。」
素直にそれに応じて乗り込むと…ふわり、翔君の匂い。
車の芳香剤にまでこだわる翔君の、何か…種類はよくわかんねぇけど、優しくてほわほわした香り。
なんつーか…すごい翔君っぽい。
それぞれの車に乗るなんてことはたまにあるんだけど、、
何でだろ、今日は何か無性に緊張する。
「翔君いっつもここ?」
運転席の後ろを指さす。
「そそ。でも入りづらいし…智君奥座って。俺手前座るから。」
「はぁい。」
座ると、翔君の匂いが強くなる。
俺が座ったのを確認し、翔君が乗り込んでドアをスライドさせる。
ガシャン、と閉じると、しんと静まり返る車内。
う~ん…やっぱ何か緊張する。
ポケットから携帯を出そうとして、ふと思い留まり左を向く。
「…翔君、今日大丈夫だったの?」
「え?」
「珍しいから。予定ないの。」
ああ、と理解した翔君が笑う。
「大丈夫。別に毎晩毎晩出かけてる訳じゃないよ(笑)」
「そっか。」
安堵の息をつくと、運転席のドアがガチャリと開き「お待たせしました」とマネが顔を覗かせる。
忘れ物はよく持ち歩いてるコースターだったらしい。
なんつったっけな、あの~…むずい漢字のやつ。
強そうな響きの。
けーそーど?
よくわかんねぇけど。
「ありがとね。智君、どこか寄る?」
「いや、カレー食ったし今日はもういいかな。」
「俺もいいや。じゃ直行でシクヨロおなしゃす!」
「了解で~す!」
車はゆっくりと動き出した。
車内では他愛もない話をして。
元々距離的に近いっていうのもあるけど、あっという間にマンションに到着する。
「お疲れ様です。」
「お疲れっした~、俺までありがとね。」
「お疲れ、ありがとう。また入り時間メールして。」
「分かりました、帰ったらメール入れます。おやすみなさい!」
マネに別れを告げて地下駐車場から直通のエレベーターに乗り込むと、
「智くん…じっとして。」
狭い密室で翔君が俺の顔を覗き込んできた。
え、え、何?!
何でそんな近い?!
つぶらな瞳が俺の顔に影が出来るほど迫ってきて、反射的に目をぎゅっと瞑ると…
「…ん。まつ毛。ついてた。」
短い毛を2本の指で摘んで、綺麗な顔でにっこり。
「あ…り、がとぉ。」
くっそぉ~。
俺ばっかドギマギして、なんだよっ。
「あれ?智くん顔赤い?大丈夫?」
「だ、大丈夫っ!あちぃな、このエレベーター!」
「そう…?」
可愛いはずの翔君のキョトン顔が、今日はめちゃくちゃ憎たらしい!!
「あ、ねぇ、明日入り時間結構遅いよね?」
え、何で知ってんの?
自分の入り時間メールしてって言ってたのに!
「良かったらこの後、俺の部屋で飲まない?」
「えっ?」
「折角隣なんだし。智くんが良ければだけど、晩酌付き合ってよ。あなたも寝る前飲む人でしょ?」
…まぁ、確かに飲むけど。
翔くんの部屋…かぁ。
明日の仕事的にも問題は無いけど……
どうしようかな?
「お疲れっした~」
皆口々に談笑しながら楽屋へ向かう。
いつもの見慣れた光景。
だけどいつもと違うのが…帰る家が翔君と同じってこと。
たったそれだけのことで、何でこんなそわそわしちゃうんだろ。
着替えを終わらせメイクを落としていると、
「お先。」
「ぅわっ!」
流石早帰りのニノ。
もう帰り支度を済ませ、ついでに俺のケツを鷲掴みにしてさっさと帰って行く。
ったく、アイツはどんだけ俺のケツ好きなんだよ!
「智君、今日このあと予定は?」
いつの間にか翔君が隣に来ていて、小声で聞かれる。
「へ?えっと…特にないけど。」
釣られるように小声で返す。
ちらりと視線を移すと…松潤と相葉ちゃんは、何か二人で話してる。
多分次のライブの演出のこと。
「良かった。じゃ乗ってきなよ。どうせ一緒のとこなんだし。」
「あ、でも…」
翔君だって寄りたいとこあんじゃねぇの?
基本2ヶ月先まで予定を入れてる翔君が真っ直ぐ帰宅って、俺に気を使ってるから…とか?
「智君とこのマネ、今日デートらしいよ。」
こそっと耳打ちされて、なるほど、それならお言葉に甘えて早めに解放してやるべきだと納得する。
「んふふ、アイツにもようやく春が来たか(笑)ほんじゃ…不束者ですがよろしくお願いしや~す。」
「くはは!低姿勢!」
翔君はくしゃっとイケメンな顔を崩して笑った。
仕事終わりに一緒のマンションに帰る、とか。
勿論1人寂しく帰るより楽しいし嬉しいんだけど…
何かすげぇ照れるっつーか…こそばゆい。
これからもこういうことがたまにあるんだって思ったら…何か…
うーん、表現むずいけどとにかく恥ずかしいっ。
だってさ、なんかこれって…ど、同棲…みたいな。
一緒のとこから一緒の職場行って、一緒に帰って…自営業してる夫婦か!
いやいや、普通に違う部屋なんだから気にし過ぎか?
ちゅーか、こんなん気にしてる時点で俺おかしい??
そんなことをぐるぐる考えていると、いつの間にかスモークの貼られた車の前に到着していて。
「あれ、マネは?」
「俺の忘れ物取りに行ってくれてる。鍵預かってきたんだよ。ってこの話してる時あなた一緒にいたじゃん!(笑)」
「ええ、マジで?ごめんぼーっとしてたわ…」
「え~どんだけ~(笑)まぁいいや、お先にどうぞ。レディファーストならぬリーダーファーストです(笑)」
ワゴンタイプの車の扉をグワンとスライドして、手を差し伸べてくれる。
「んふふ、あんがと。」
素直にそれに応じて乗り込むと…ふわり、翔君の匂い。
車の芳香剤にまでこだわる翔君の、何か…種類はよくわかんねぇけど、優しくてほわほわした香り。
なんつーか…すごい翔君っぽい。
それぞれの車に乗るなんてことはたまにあるんだけど、、
何でだろ、今日は何か無性に緊張する。
「翔君いっつもここ?」
運転席の後ろを指さす。
「そそ。でも入りづらいし…智君奥座って。俺手前座るから。」
「はぁい。」
座ると、翔君の匂いが強くなる。
俺が座ったのを確認し、翔君が乗り込んでドアをスライドさせる。
ガシャン、と閉じると、しんと静まり返る車内。
う~ん…やっぱ何か緊張する。
ポケットから携帯を出そうとして、ふと思い留まり左を向く。
「…翔君、今日大丈夫だったの?」
「え?」
「珍しいから。予定ないの。」
ああ、と理解した翔君が笑う。
「大丈夫。別に毎晩毎晩出かけてる訳じゃないよ(笑)」
「そっか。」
安堵の息をつくと、運転席のドアがガチャリと開き「お待たせしました」とマネが顔を覗かせる。
忘れ物はよく持ち歩いてるコースターだったらしい。
なんつったっけな、あの~…むずい漢字のやつ。
強そうな響きの。
けーそーど?
よくわかんねぇけど。
「ありがとね。智君、どこか寄る?」
「いや、カレー食ったし今日はもういいかな。」
「俺もいいや。じゃ直行でシクヨロおなしゃす!」
「了解で~す!」
車はゆっくりと動き出した。
車内では他愛もない話をして。
元々距離的に近いっていうのもあるけど、あっという間にマンションに到着する。
「お疲れ様です。」
「お疲れっした~、俺までありがとね。」
「お疲れ、ありがとう。また入り時間メールして。」
「分かりました、帰ったらメール入れます。おやすみなさい!」
マネに別れを告げて地下駐車場から直通のエレベーターに乗り込むと、
「智くん…じっとして。」
狭い密室で翔君が俺の顔を覗き込んできた。
え、え、何?!
何でそんな近い?!
つぶらな瞳が俺の顔に影が出来るほど迫ってきて、反射的に目をぎゅっと瞑ると…
「…ん。まつ毛。ついてた。」
短い毛を2本の指で摘んで、綺麗な顔でにっこり。
「あ…り、がとぉ。」
くっそぉ~。
俺ばっかドギマギして、なんだよっ。
「あれ?智くん顔赤い?大丈夫?」
「だ、大丈夫っ!あちぃな、このエレベーター!」
「そう…?」
可愛いはずの翔君のキョトン顔が、今日はめちゃくちゃ憎たらしい!!
「あ、ねぇ、明日入り時間結構遅いよね?」
え、何で知ってんの?
自分の入り時間メールしてって言ってたのに!
「良かったらこの後、俺の部屋で飲まない?」
「えっ?」
「折角隣なんだし。智くんが良ければだけど、晩酌付き合ってよ。あなたも寝る前飲む人でしょ?」
…まぁ、確かに飲むけど。
翔くんの部屋…かぁ。
明日の仕事的にも問題は無いけど……
どうしようかな?
Writing by タカ Special Thanks!