ニシキキンカメムシ岡山県産 飼育失敗 +「記事に追加記載(2017-09-06)」 | 昆虫漂流記

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ニシキキンカメムシ

飼育失敗

 

9月に、突入しましたが、未だ8月の写真の整理が出来ず、遅れての紹介です。

2017年6月 岡山県にて

 

2017年6月始めに,岡山県にて採集後に飼育中のニシキキンカメムシですが、繁殖目的で飼育をしていましたが、
先月 8月中旬にニシキキンカメムシの飼育を失敗断念しているので、途中断念までの飼育状況を報告をしておきます。

(リンク➡こちらが採集記事です)


成虫は、採集後1週間ほどの飼育後に寿命を終えて死んでしまいますが、ホンツゲ(この個体群は、チョウセンヒメツゲで採集)に簡単に採卵させることが出来ます。

 

2017-06-09 産卵確認

 

ここまでは、以前の記事にて、類似写真にて紹介済ですね。

では、ここから紹介写真です。

 


2017-06-16 卵に眼を確認。

1目盛は1ミリです。

 


2017-06-18 孵化

 


2017-06-20 初令成長中

 


2017-06-22 2令に変態 

上の赤い個体が変態途中で、下の個体が、変態後数時間後です。

変態中と、数時間後では、こんなに色彩と形が変化します。

 

2017-06-22 2令変態完了

 


2017-06-22 変態後の抜け殻

 


2017-06-23 変態後、食事再会。

この頃から、飼育環境では集団行動から個別行動をとり始めました。

 


2017-06-24 2令成長中

 


2017-06-29 3令に変態

 


2017-06-29 変態後の抜け殻

 


2017-06-30 3令成長中

 


2017-07-11 3令成長中

 


2017-07-12 4令に変態

 


2017-08-03 4令成長中

まだ成虫とは、斑紋の違いが大きいですね。

 


2017-08-17 4令にて死亡

残念ながら、ここまでです。

このまま、乾燥させて標本にしなければ、柔らかくて不安定です。

乾燥後に、台紙に接着します。

 

餌は、ホンツゲ(チョウセンヒメツゲ)の実を冷凍保存しておき、解凍させながらの使用としました。

 

今回の飼育から得られた事。
ホンツゲの実は成虫を採集時に手の届く範囲(崖なので手を伸ばして)を採取して、持ち帰り冷凍しておいたのですが、この冷凍状態の実の使用には苦労しました。

 

ホンツゲの実や葉は冷凍をすると翌日(24時間後)には、褐色に変色してしまい、異臭を出しはじめ、餌としては使えなくなります。
おそらく冷凍時に細胞が破壊され、解凍する事と夏場の暑さで、変質してしまうのでしょう?。
おかげで毎朝の餌交換は、日課となりました。
解凍方法も、冷水につけて時間をかけての解凍など、試してみましたが、結果は、やはり変質が見られました。

 

ホンツゲの実の代用食として、生の落花生と書かれている資料がありますが、当季節にはホームセンター等の取扱店には、落花生の苗は、販売されていましたが、生の落花生の実を見つける事は出来ませんでしたので試しておりません。
またブログを通して教えて頂いた、某植物の実も見つける事が出来なくて試す事が出来ませんでした。

飼育を生木のホンツゲのみで行うと、1卵塊を飼育するには、実が多く大きなホンツゲが必要のようですので、飼育頭数は十分な計画が必要です。
なお、冷凍ホンツゲは、日持ちしませんが、生木を、切り枝で水栽培にしておくと、1~2週間以上の日持ちがします。

 

また、幼虫時代は、高湿度で飼育すると死んでしまう個体が多数、見られました。
今回は、餌が原因で失敗したのではなく、たった1日の夏場の締め切った室内の高温が原因と考えています。

成虫の飼育中に1頭が必要とする生木切り枝からの1つの実は、2日後には、実の汁を吸われてカラカラになり餌として使えなくなりました。これからも成虫飼育には、餌の確保が肝心と思います。

 

途中、断念にて飼育を終わる事になりましたが、これが本年のニシキキンカメムシの飼育記録になります。
失敗飼育ですが、これを読まれた方が、今後の飼育の際に参考になればと、変態の日時も記載しておきますので、成長の目安となればと思います。

 

注意
岡山県ではないのですが、

ニシキキンカメムシの産地状況として、生息地の決まり事(西日本の某公園内でパンプレット等で呼びかけて野外個体保護の為に観察のみ可)や中京地方では地元住民との意見相違で、楽しい採集が出来ない場所があるようです。
行動をおこされる前に、そこは、大丈夫なのか?などの情報の収集をお薦めします。

「おまえもカメムシか!!」と地元住民から一喝される場所もあるそうですよ。

法律で採集禁止でないからと、常識を超えた無茶をしてきた輩(やから)が今の状況を作っているのでしょうね。

 

採集で警察沙汰は、何も私たちが得る物は無いでしょう。

趣味は楽しく、心に余裕を!!

 

 

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コメントを頂き、こちらも記載しておくべきと思い追加記載いたします。

(2017-09-06)

 

「紹介には値しない実験」と感じて、記録をとっていなかった飼育事項が、私の記憶に残ってます.

其の為、記事からは除外してきた事柄があります。


こちらは、ネット検索等でニシキキンカメムシがホンツゲの実の汁を餌にすると、私が知る前の飼育(当時恥ずかしながら、まだアナログ人間でインターネツトとは無縁の生活でした)なので、自分の思い込みでの飼育です。

 

「SALT」さんからコメント(現地での実の着いている木が、あまり無いんです、実の着いて~。ほとんどの木には、1個も無い。まるで、♂♀があるのかと思うぐらい。)を、頂きました。
実は私が採集した、岡山の生息地においても同じ状況です。
実がついている木(小さい木は実がならないので算定排除)は、全体の大きな木(2メートル以上)の3割に満たない数です。
またホンツゲの木に♂♀があるのか無知ですが、毎年全く実の付かない木、前年は実があるのに本年は実が見当たらない木、毎年実が付く木、などが見られます。
同時期に見ているのに、前年は青々とした実が付いているのに、本年は見かける木のすべての実がカラカラ(カメムシに汁を吸いあげられた状態に似ている)で乾燥している状態の年も見られました。
これらの状況でも、カメムシは世代を繰り返していますので、私がカメムシとホンツゲの関係において見えている範囲しか理解出来ていない事が承知なのですが、ご了承おねがいします。

 

また「かなや整骨院」「SALT」さんから餌についてもコメント頂きましたが、私の記事はネット情報を中心に、ホンツゲ餌で書かれている記事を多く見かけますので、ホンツゲを中心に記事にしてきましたが、2016年06月08日に記事にしている飼育事例で別の餌で試していました。

こちらが 2016-06-08 

の記事です。
当時の詳しい記録は残していませんので、記事の写真と記憶からの記載になります。


前記しましたようにカメムシが実の汁を摂取する事を知る以前は、茎から汁を摂取するものと思い実の付いた木を数本しか持ち帰りませんでした。(たまたま数本混ざっていました)

 

採集時に餌木の知識が無かったのですが、ホンツゲに留る個体と飛んで目の前に落ちる個体をみていましたので、カメムシなら、木の汁を吸うと、簡単に考えていた為です。

それに、恥ずかしながら、これがニシキキンカメムシという名前すら知りませんでした。

2016-06-08記事 (2012年6月飼育例)

最初は実が付いたホンツゲで飼育。

 

最初は実の付いたホンツゲで飼育できたのですが、餌切れ(切り枝は青々していますが実が乾燥してしまい餌になりません)で、実の無いホンツゲで飼育を続ける始末になりました。

其の為、実の無いホンツゲ切り枝と、餌不足を事前に防ぐ為に各種の植物で実験的に飼育をしました。
記憶にあるもので、クヌギ、コナラ、アラカシ、カシワ、ナラガシワ、桜、藤、エノキ、サツマイモの茎、他。(どんぐりの木が多いのは、ゼフィルスを採集時に持ち帰った為ですが茎からの摂取と思っていましたので、実の無い切り枝ばかりです)

どの種だが記憶に無いのですが、1種類だけ汁を吸う様子をみせました。
またホンツゲには、成虫、幼虫共に茎から汁を吸う様子が観察でたのですが、それらが餌として認めて良い物か、判断できません。
我が家の飼育では、2令幼虫で全滅していますが、2令までは、餌無しでも変態可能とブログで書かれている事例があるからです。
その後のステージでの変態にはホンツゲの成分が成長に不可欠ではないのか?と疑問とされた方もおられます。


2016-06-08記事(実際飼育年2012年)の際は、茎から汁を吸う行動が見られましたが、

本年2017年採集の全個体は、実が餌に適さなくなっても、茎から汁を吸う行動は見られませんでした。
また、本年は、文献から、アケビも実験しましたが、見向きもしませんでした。
これらの事から空腹になれば、ある種に限っての汁を吸う行動が見られるのですが、成長には適していない。と予測しています。

 

カメムシはホンツゲが自生する場所で見つかっているのですが、ホンツゲは、石灰岩、蛇紋岩などで限られた場所で自生が多く見られます。
生息地から離れた庭木のホンツゲで大発生の事例(カメムシが付いたままでの移植の可能性も考えられますが)があることもあり、野外での餌には、ホンツゲが重要な位置なのかもしれません。
野山に無い植物(カメムシが通常出会わない植物)なら代替餌(人間が改良した野菜も含めて)で可能性も考えられます。
だから土の中の生の落花生の成功例があるのかもしれませんね。

 

自分の勝手な考察を記としましたが、他の考え方が正しいのかもしれません。

 

永遠と続いてきた生態を、今一瞬見ている人間が想像する時点で無理があるのかも?
でも私には判らないから、カメムシであっても興味を持つことが出来ています。

 

長文となりましたが、とても、ありがとうございます。

 

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追記 

私のブログ内でのニシキキンカメムシの記事へのリンク(まとめ)を紹介しておきます。

  • 2016年06月08日 記事 ➡リンク
  • 2017年06月06日 記事 ➡リンク
  •  
  • 2017年09月06日 記事 ➡本記事

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