シルビアシジミ 兵庫県加古川市 2017-09-13 | 昆虫漂流記

昆虫漂流記

西日本を中心に昆虫を追いかけています。✌
東へ西へ、過去に未来に昆虫求めて漂流していますが、
近年は、昆虫だけにとらわれず、自然全体から、
観察する眼を持ちたいと思いますのでよろしくお願いします。

シルビアシジミ

兵庫県加古川市

2017-09-13

兵庫県加古川市

2017-09-13撮影

 

シルビアシジミの名前の由来はよく知られた話ですが、簡単に紹介させて頂くと
癌研究で有名な医学博士 故中原和郎(なかはら わろう)氏の娘 故シルビア令嬢に、由来命名された蝶ですね。
また中原和郎氏は世界的な蝶の収集家でもあり蝶の分類を研究された方です。

シルビアシジミは栃木県さくら市においては市指定の天然記念物とされ保護されています。
これらの事柄の詳細は、私より詳しい方々が調べられて、ブログで紹介されていますのでそちらを参考にして下さいね。


西日本では、各県内で確認されていますが、容姿がよく似たヤマトシジミと未だに混同され、未確認地が多数あり、新産地が見つかるのは十分に考えられます。
兵庫県では、南西部から南東部に確認されていますが、今回訪れた加古川市では、広域に分布が確認されています。

食草は、マメ科の植物を中心に各種を利用しているようですが、この記事では、ミヤコグサを主にとりあげます。
ミヤコグサは県南部だけでなく、県北部にも自生していますが、各図鑑において県北部も蝶の分布地に色分けされて含まれているのですが、今の処シルビアシジミが見つかったと聞いた事がありません。(私の記録確認不足も考慮できますが、新産地が見つかるのも当然かと考えます。)

 

食草ミヤコグサの生育は、放置された荒地では、雑草の繁茂や、河川堤防の改修により、生育が途絶えてしまう場所が多いのです。

河川敷の洪水の影響や、堤防や畦道、土手では、人間による草刈り、火入れなどで、他の植物の繁茂を抑制され、日当たりが保持される事で、ミヤコグサの生育条件をみたして自生しています。

 

またシルビアシジミの活動範囲は、狭いと見られ、一時、食草ミヤコグサが途絶えるとシルビアシジミも見られなくなり、再度ミヤコグサが生育しても、蝶の姿は確認出来なくなる事例が確認されています。

(ミヤコグサでの一例です)

 

こちらの加古川市の生息地では、春先には黄色の絨毯の花畑に蝶が見られるのですが、今の季節はミヤコグサの花もなく草原で各種の花を探して暮らしています。(ミヤコグサは枯れてはいません)

春先の黄色いじゅうたん ミヤコグサ

 

今の季節は、このような状態

加古川市 2017-09-13


実は、今年の春にも、ミヤコグサは例年と変わらず咲いていましたが、シルビアシジミの姿をいくら探しても見つける事ができませんでした。
いや昨年の9月にも探しているのですが、未確認と記録しています。


草原は、年に数回、草刈機(トラクターサイズの中型重機)で数日かけて、根元より綺麗に刈りこまれています。(ゴルフ場のグリーンのように綺麗に刈られています)
生息は大丈夫かな、今の時期で大丈夫かなと毎年、考えるのですが、生息地が広い為、周りからの蝶の補充で草刈りが原因で途絶える事は無いようです。
今年は、まだ行われていませんが、草原には、草刈の準備が今始まろうと用意されています。

 

シルビアシジミ

兵庫県加古川市産

2017-09-13撮影

 

シルビアシジミ

兵庫県加古川市産

2017-09-13撮影

 

シルビアシジミ

兵庫県加古川市産

2017-09-13撮影

 

シルビアシジミ

兵庫県加古川市産

2017-09-13撮影

 

シルビアシジミを探す際には、ヤマトシジミと極似しているのでよく見分ける観察が必要です。

ひとまわり小さく、雄では青色がより濃いので、慣れるとすぐに見分けがつきますが、同所には、ヤマトシジミだけでなく、同サイズのツバメシジミも産しているので、蝶の大きさ、形、色、紋様の観察力が必要になります。(小さい蝶ばかりなので、苦労しますが)

こちらは同じ撮影日のヤマトシジミです。

2017-09-13撮影


今回は翅を開いてくれず、待てども、日かげが無い草原では、日中の暑さでこちらがギブアップ。

翅を閉じた写真ばかりになりました。

 

標本で代用しますね。

 シルビアシジミ♂

兵庫県加古川市産

 

シルビアシジミ♀

兵庫県加古川市産


かつては、南西諸島(トカラ列島から台湾)に産するシルビアシジミを南西諸島亜種とされてきましたが、現在はヒメシルビアシジミと区別されています。

ヒメシルビアシジミ

沖縄県石垣島産

 

図鑑をみると、容姿がよく似た種類が多いので、初心者は、同定に苦労しそうですが、要領を知ればある程度の同定は簡単ですよ。
案外、皆さんの周りでも見つけられるかもね?。

 

☆:;;::;;:*:;;::;;:   ☆:;;::;;:*:;;::;;:

 

こちらは、今回の撮影場所で、沢山発生していた、マメハンミョウ。

 

ツチハンミョウ科のこの仲間は、道案内と言われるハンミョウとは別の仲間でカンタリジンを持つ毒虫になります。

カンタリジンは皮膚につくと 痛みを感じて水疱ができます。

ツチハンミョウ、ジョウカイボン、ハネカクシ、 アリモドキ、カミキリモドキ、

などの仲間の甲虫類の体液に含まれていますので、注意が必要です。

 

沢山見られましたので、蝶の撮影中に素肌で触らぬ、潰さぬように注意しました。

 

この季節、大量発生中です。

草原で、スポーツやレクリエーション活動される場合は、

皆さん!、お気をつけて野外活動を。

 

兵庫県加古川市

2017-09-13撮影

 

兵庫県加古川市

2017-09-13撮影

 

兵庫県加古川市

2017-09-13撮影

 

 

シルビアシジミについて再び、とりあげた記事についてはこちらです。

(文字をクリックするとリンクしてその記事に飛びますよ。)

 

シルビアシジミ 兵庫県加古川市 2018-04-25

 

シルビアシジミ 兵庫県加古川市 2019-09-24