ミドリシジミ
兵庫県 南部
2016年06月11日
ミドリシジミ (Neozephyrus japonicus)
蝶屋以外で実際に目にする事の少ない蝶であるが。発生場所さえ分かってしまえば、毎年そこで発生し活動時間になれば見事な乱舞を見せてくれるシジミチョウです。
少し小話を
ミドリシジミ族は、Thecla(テクラ)と呼ばれるタイプとZephyrus(ゼフィルス)と呼ばれるタイプがあります。
Tecla(テクラ)は真正ミドリシジミ族の属名でありZephyrus(ゼフィルス)とは別のタイプのミドリシジミの種名であります。
しかしながら日本でZephyrus(ゼフィルス)と呼ばれているタイプは実はThecla(テクラ)と同じ種で本当のZephyrus(ゼフィルス)とは違う種類です
そこで種の登録記載の際に
日本のZephyrus(ゼフィルス)と呼ばれている種群類には新しい2つの新属がつけられました。
それがNeozephyrus(新しいゼフィルス)とFavonius(ラテン語でゼフィルスと同じ意味で西風を意味します)の2属を意味する仲間です。
なお、Chrysozephyrus(金のゼフィルス)と呼ばれる属は、後にNeozephyrus(新しいゼフィルス)から独立分離して新しく確立された属です。
これらの事柄は蝶屋(蝶を採集や撮影する人たち)さんでも知らない人が多いのが当然で、私も学生時代に授業そっちのけで蝶の本を読みあさっていた為に知った事で、頭を悩まし勉強が手に着かなかった事もあります。
Zephyrus(ゼフィルス)と無意識に知らないで言葉を使ってる蝶屋さんや、昆虫採集者も多いので頭の片隅にでも置いておけば良い事ですが雑学と云うレベルでしょうかね。
Zephyrus(ギリシャ神話の西風の神)を理解するのは、神話の世界も蝶の世界でも難しいですね。
未だにこれらの仲間は、近年でもアジアの各諸国(主に大陸側の中国奥地からインドシナ半島北部にかけて)では、新種や新亜種が次から次と見つかっていますね。
楽しく、蝶を楽しむには、これらの難しい事柄は考えずに、無心(虫心)でも気持ちが良い事です。
さて今日は兵庫県南部のミドリシジミの発生地にやってきました。
ミドリシジミは兵庫県版レットデーターブックにおいて貴重性評価の区分(カテゴリー)において「要注目種」に選定されています。
兵庫県南部は農業の渇水のためにため池がたくさんあり、池の周りのハンノキで発生していることが多いのですが、ここは耕作放棄地にハンノキが育った発生地です。
今日は曇り空でミドリシジミの活動も活性化されていないか?と思い、出かけて参りました。
モチロン、撮影には、少し光の量が少なく苦労をすることは目に見えているのですが~。(笑)
現地に着き、辺りを散策しますが、数日前から♂は発生していたようですが♀の発生はまだでした。
姿は現してくれましたが?
向こうに向いているので撮影には反対向きです。
頭の向きから撮影しなければ翅は構造色の為に輝きません。
後からでは、真っ黒け!!輝かないのは仕方がないです。
これじゃあ真っ黒シジミです。
写真を撮るには反対側は、底が深い沼地なので、
長靴で入れるこちらからが限界です。
と!思っていたら、少し動いてくれました。
横からだけど、今日はここまでしか、ポーズをとってくれないのかな?
今日は、想うような撮影が出来ません。
残念ながら綺麗な輝きは見られませんね。
ヌルデの木でクスサンの幼虫も見られます。
翅を開帳する時。後ろからの撮影。
良い写真ではありませんが、
ブルーが神秘的な輝きですね。
でも青シジミじゃないのでこれは0点です。
翅を開帳する時。後ろからの撮影。
横からはグリーンに輝いています。
すぐに翅を閉じてしまいます。
でもノーマルのミドリシジミは
この褐色の地色に赤のポイント柄が特徴なんですよね。
何とか、輝いた色が撮影出来ました。
ミドリシジはグリーンに輝くのが人気のようですが、
個人的にはこちらのブルー色も好きです。
少し接近して撮影してます。手が届く距離です。
手の届く位置で、輝いてくれました。
結局!g青シジミの紹介になっちゃいましたね。
やはり前方からの輝くブルー色が一番です。
ミドリシジミは同じ前方からの撮影でも太陽の方向と高さなどの光の入る角度で輝く翅色が、グリーンやブルーに撮影できる蝶です。
其の為には、その色に輝く場所に私が移動が可能な足元なのか?
蝶がこちらの都合に合わせてくれるか?
の運につきます。
今度はグリーンに輝く姿も挑戦しなければいけませんね。
構図がやや問題ありますが足元の環境がこれで精いっぱいでした。
本日!ここでの撮影時間はAM9:00~AM11:00で午前中です。
ミドリシジミの活動時間は、発生時期の快晴であれば早朝と夕方の短い時間(1~2時間)だけなので、
撮影を考えておられる方にはその時刻をお薦めします。
夕方では低い位置からの赤みを帯びた光で緑に輝きやすいですよ。
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追加事項
後日
2016年06月18日の撮影がこちらです。クリック(青い字でリンク先に移動できます)
こちらも同じ発生地での撮影ですがグリーンに輝いていますね。
2017年06月24日の撮影はこちらです。クリック(青い字でリンク先に移動できます)
ミドリシジミは撮影する天気の状況や撮影方法で色々楽しめる蝶ですね。