離婚までの道のり篇 その12「醜形恐怖症」 | 私が不倫をした理由

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ヒステリックなモラハラ妻との、まるで地獄のような20年間の結婚生活から離婚までの記録を綴っています。

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 猫から送られてきた、身も心も凍り付くようなメール。

 私は訳が分かりませんでした。

 確かに傷つく事は言ってしまいましたが、あの程度で大袈裟なと言う気持ちも正直ありました。

 

 メールを読んだ私は、彼女に電話を掛けます。

 一回目……。出ません。

 二回目……。出ません。

 三回目……。出ません。

 空しく響く呼び出し音だけが、延々と続きました。

 幾ら掛けても電話には出ないかも知れないと思った私は、次にメールを送りました。

 

「別れるとか意味が分からないよ。とにかくこのままモヤモヤしたままお別れなんて出来ないから、せめて電話に出てくれよ。頼む」

 送信してから数分後に電話を掛けると、やっと猫は電話に出ました。

 

「あ、もしもし?」

 

「……はい」

 猫はか細い声でそう答えました。鼻をすすっていたので、恐らく泣いていたのでしょう。

 

「いや、ごめん。本当に悪かったよ。たださ、俺も本気で言った訳じゃないよ。ほらさ、男子が好きな女子に良くするやつだよ。わざと悪く言ってさ、からかうみたいなね。でも、傷ついたのなら謝るよ。ごめんな。ほんと悪かったよ」

 

「わたしもな、あなたが本気で言ってない事も分かる。男性が女子にする悪ふざけなのも分かっとる」

 

「うん」

 

「これはな、わたしの悪い所なんや」

 

「悪いとこ?」

 

「エルくんには知られたくない」

 

「いや、言ってくれないと分からんやんか」

 

「わたしはそれを言うのと、ちんぽ一時間しゃぶるのどっちがええって言われたら、迷う事無くちんぽしゃぶる方を選ぶ。わたしにとってはそれぐらい嫌な事なんや」

 

「え!?そんな凄い事なの?」

 

「うーん……、たぶんエルくんが聞いても、ふーん何だそんな事かって言うかもしれん。けどな、わたしにとっては、ほんま一番知られたく無い部分やねん」

 

「そっか……、ま、言いたく無かったら言わなくても良いけどさ」

 それから、暫くの沈黙がありました。

 

「分かった。言う」

 沈黙を切り裂くように、猫がそう言いました。

 

「え?言うの?あ、じゃ……」

 

「直接は言いたく無いから、メールする。それ見て今後わたしと付き合うかどうか決めて」

 

「分かった」

 

「もう辛いから電話切ってもええ?」

 

「ああ、良いよ。じゃ」

 私はそう言って、電話を切りました。

 

 

 

(それ程俺に話したくない事って何だろう)

 私はそう思いました。

 電話を切った後、色々と思考を巡らしましたが、これと言った答えは見つかりませんでした。

 

 それから数時間が経過してから、猫から長文のメールが届きました。

 さすがに内容は公開する事は出来ませんが、幼い頃に親から受けた虐待によって、自分が醜形恐怖症になってしまった事。そしてその醜形恐怖症とはどう言った病気で、自分はそのせいでああ言った冗談を冗談と受け止められない事。そんな面倒くさい自分を受け止められるのか?嫌いにならないかと心配する内容へと続いていました。

 

 

 

 醜形恐怖症。

 初めて聞く病名でした。

 ただ、私の感想はやっぱり、

「ふーん、何だそんな事か」

 でした。

 本人にとっては、とても勇気のいる告白だったのでしょうけど、今は細分化されて色々な病名がついているだけで、昔はそんな病気は無かったと思います。そう言う意味で言ったら、何も抱えていない人間の方が少ないと思います。私だって病名を付けようと思ったら、幾つもの精神疾患を抱えていると自分でも思います。

 ただ、今後二度と彼女の顔の事で、冗談を言ったりする事が無い様に気を付けようとは思いました。

 

 

 

 さて、メールを読んだ私は、直ぐに猫に電話を掛けました。

 そしてこう伝えました。

 

「もう二度と、あなたの顔の事を話のネタにはしない」

 事と、

「猫は可愛いよ」

 って事です。

 

 猫は言いました。

「もう一度だけ、あなたの言葉を信じる」

 と。

 私は、改めて宜しくねと答えました。

 

 

 

 

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