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私には口癖がありました。
それは、
「俺、人が死んでも悲しい気持ちにならないんだよね。多分感情が生まれつき壊れてるんだと思う。だから、親が死んでも、あなたが死んでも泣かないと思う」
と現在の妻に言った事があります。
事実、中学生の頃からの親友が死んだ時も、愛犬が死んだ時も、前妻の義母が死んだ時も、悲しい気持ちにはなれず、泣く事も出来ませんでした。
前妻の母親は、53歳の時に肺ガンで亡くなりました。(記事はこちら→葬式/前半、後半)
この時、前妻から言われた事があります。
「あんたは、うちの親戚連中から頭おかしい奴だと思われてるから、お母さんが死んだ時ぐらい悲しい顔してよ!」
と言われました。
お通夜の時だったと思いますが、私は義母の遺影の前で酒を大量に飲み、過去にあった辛い体験などをわざと思い起こしました。
そうして、私は遺影の前で声をあげて泣きました。
前妻の親族の人達は、泣いている私の事を遠巻きに見ていました。間違いなく前妻は、涙を流す私を見てさぞかし満足だったと思います。ですがこの涙は完全にパフォーマンスでした。ちっとも悲しくなんかありませんでした。
父親の事は、あまり好きではありませんでした。
無口な職人肌の人で、子供の頃に遊んで貰った事もあまりありませんし、家族旅行にも外食にも連れていかない父でした。
恐らく、私が父と接した46年間で、交わした会話の時間は24時間に満たないと思います。
ですからそんな父が死んでも、きっと泣かないと思っていましたし、悲しい気持ちにもならないだろうと思っていました。
ですが前稿「親父その5」でもお伝えしたように、父が死んだ翌日2月18日の晩に、私は酒を飲みながら泣きました。
飲んで、泣いて、又飲んで、泣いて……。いつの間にか、四合瓶の日本酒は空になりました。
後日妻は言いました。
「あなた口癖のように、俺は親が死んでも泣かないと思うって言ってたけどな、人並みに泣けたやん。あなたは元配偶者さんによって、感情が殺されてたんやな」
「もし元配偶者さんと離婚出来て無かったら、お父さん死んでも、あなた厄介払いが出来て良かったとか言いそうやな」
妻の言う通りだと思います。
私は、生まれつき感情の欠落した人間ではありませんでした。
前妻によって、感情を殺されていたのだと思います。
大切な人が死んだら、悲しんで泣く。
こんな人間として当たり前の感情すらも、抑圧され押し殺される。
ヒステリーやモラハラ。そして中傷。
そう言った負の感情を与えられ続ければ、感情も歪んで来て当然でしょう。
さて、配偶者のモラハラや中傷やDVで悩みながらも、ぐずぐずと離婚しない人達がいます。
彼らは今すぐに離婚しない言い訳を、必ずこう言います。
「子供が二十歳になるまで我慢しようと思っています」
お恥ずかしながら私も今の妻と出会った時に、同じように言いました。
「長男が二十歳になるまで待ってくれ」
とね。
長男は現在18歳。もしも彼が二十歳になるまで離婚をしなかったとしたら、私は親不孝のまま、父親に親孝行の一つも出来ないまま、お別れしてしまう所でした。
確かに、住み慣れた我が家を出て行くのは決意のいる事でしょう。経済力の乏しいシンママなら尚更です。
そして幾らモラハラをされるとは言え、あなたの配偶者は時折優しさも見せる事でしょう。
もう少しだけ、彼(彼女)を信じてみよう。そんな甘い考えも頭を過るでしょう。
でもね、人生の時間は無限じゃ無いのです。有限なのです。
私だって、前妻と離婚をした時には、二年後に父親が死ぬなんて考えもしませんでした。父は、障害はありましたけど元気でしたからね。年齢も若かったですし。
私は前妻と離婚していなかったら、父親とは不仲のままだったと思います。そして、金銭的な援助も出来ず、親不孝のまま二度と会えなくなってしまった事でしょう。
もう一度言います。
人生の時間は有限です。
子供が二十歳になるまで離婚を待つ事によって、あなたは本当に後悔しませんか?
※同じような批判コメントを付ける方が多いので、それに答えた各記事があります。
批判をする前に、まずそちらに目を通して下さい。→ 中傷、反論する者に答える。