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一人留守番をする事になった私は、携帯電話を耳元に置いて、仮眠する事にしました。
と言っても布団などは用意してくれていませんから、座布団を丸めた物を枕にして横になりました。
時間は失念しましたが、早朝電話が鳴りました。
出ると前妻でした。
前妻は泣いていました。
「おかあが亡くなったから」
「ああ、そうか……」
「後片付けしたら、戻れると思う」
「分かった」
私はそう言って電話を切りました。
「お義母さん亡くなったか……」。
私はそう独り言ちて、早朝の静寂の中、義母の事をぼんやりと考えていました。
十数分後。
外でガヤガヤと数人の話声がしました。
私は、前妻ら家族が戻って来たのかと思いましたが、それにしては随分と早いなと思いました。
すると突然窓が勢いよく開き、そこから五、六人の爺さん婆さんが、家に入り込んで来ました。
誰も私の事を見もせず、誰一人挨拶もせず、まるで私の事が誰一人見えていないようでした。
一人の爺さんが偉そうに他の人達に指示をし、部屋のものを勝手に移動し始めました。
私は一体誰なのかも分からず、何をしているのかも分からず、とにかくただ、ぼうーっと突っ立って彼らの事を見ていました。
暫くすると、前妻たちが帰って来ました。
「あいつら何者?勝手に入って来て、色々移動したりしてるんだけど……」
「ああ、あの人らは、村落の人達だよ。あいつらがうるさいから、家で葬式をするはめになったんだよ」
「何それ!?どう言う事?」
「セレモニーホールでやれば安く済むのにさ、あいつらタダで飲み食いしたいから、家で葬式をやらせるんだよ。前に近所の人がお金が無いからって、家で葬式をやるのを断ったら、その後村八分にされて、後から嫌味も散々言われて大変だったみたい」
「ええええ!マジか……あいつら乞食だな」
「おとうも嫌だけど、仕方なくって感じみたい。あいつらの飲み食いだけで50万以上飛ぶからね」
「ええええええええええええええ!何で?何でそんなにかかんの?」
「酒を沢山買わせて、それを持って帰ったりさ、全員の三度の食事、茶菓子、つまみを用意させられるんだよ。近所の人らだけじゃなくて、そいつらの親戚まで集まって来るよ。ハイエナだよ」
この前妻の言葉は本当でした。
こいつ等は一階の部屋を我が物顔で占拠し、お茶菓子とつまみを買ってこいだの、酒が足りないだの、豚汁作るから材料買ってこいだのと、うるさく言い始めました。
早朝から夜遅くまで数人が常に占拠しており、昼ご飯時や夜ご飯時になると、どこからかぞろぞろと集まって来て、5、60人がタダ飯を食べていました。
しかも、〇〇さんの所の葬式の時は、もっと豪勢な食事だっただの、酒ももっと良い酒だっただの、言いたい放題。
人が死ぬと、この時だとばかりに、タダ飯、タダ酒をたかりに来る田舎の風習。と言うか悪習。
凄まじいなと思いました。
弔問客の受付とかはしてくれるんですけど、ただそれだけですからね。
私は葬式まで参加しましたが、もしかしたら初七日まで、ずっと寄生していたのかも知れません。
恐ろしく厚顔無恥な連中でした。
※同じような批判コメントを付ける方が多いので、それに答えた各記事があります。
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