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前稿「その39「マユ⑱」」からの続きです。
先の見えない元カノとの恋愛。
それはまるで、抜け出したくても抜け出せない泥沼に首まで浸かっている。そんな状態でした。
しかしある日突然、一筋の光明が差したのです。
マユの自宅に行った時の話です。
「あのさ、ちょっと言い出しにくいんだけど……」
「え?何?」
「実はね……やっぱやめる」
「なんだよ!言って見ろよ。怒んないから」
「……んーっ、今ね、私の事好きって言ってくれている人がいるんだ」
「え?そうなの?そりゃ良かったじゃん」
本当に素直に、すっとこの言葉が出ました。
「怒って無いの?」
「怒るわけ無いじゃん」
「……」
「で、どんな人なの?」
「23歳の人なんだ」
「ええええっ!19歳下かよ!」
「うん。何かマユに一目ぼれなんだって」
「そんなのと、どこで知り合ったんだよ」
「スマホのゲームのオフ会。この前さ、ちょっとマユ友達と会うから行ってくる。って言った日あったじゃん」
「ああ、あった。あった」
実はこの日から数週間前、マユが珍しく友達と会うから、この日は連絡しないでと言った日があったのです。
「あの日に初めて彼と会ったの」
「へーっ」
「何かさ、ゲームん中でマユの事気に入ってくれてて、わざわざ宮城からマユに会いに来てくれたんだって」
「そっか。しっかし、裏で色々とやってんな」
「これでもマユモテんだよ。実は前も、何人かの人から告白されたし」
「え!?そりゃ初耳だけど……」
「エルさん心配するから黙ってた」
「まあ、彼氏作れって言ってたのは俺自身だしな」
「その人達は、マユの年齢言ったら、フェードアウトしちゃったけどね」
「まあ、40越えてるからな。しょうがないんじゃない」
「で、どうすんの?マユ、そっち行っちゃって良いの?」
「ああ、良いよ。若い子と付き合えてラッキーじゃん。応援するよ」
この時の私は、肩に背負った重すぎる荷物を下ろせた解放感でいっぱいでした。
隠れて若い男の子と会っていたのは少し嫌な気分がしましたが、とにかく疎ましく邪魔な存在だったマユが居なくなってくれる。もうそれだけで全てが許せる気がしました。彼女と新しい彼との付き合いを祝福したい。この時は素直にそう感じていたのです。
しかし人間の感情は複雑です。
この後、自分自身でも思いもよらなかった嫉妬心に苛まれる事になります。
そう、新たな地獄の始まりです。
※同じような批判コメントを付ける方が多いので、それに答えた各記事があります。
批判をする前に、まずそちらに目を通して下さい。→ 中傷、反論する者に答える。