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まだ携帯の無料通話プランなど無い時代。
無料で電話がかけ放題だった、ウィルコム。(※ウィルコム同士)
これを手に入れてから私は、女の子のコム友を作りまくりました。
最初の通話で、お互い話しが合わずに次が無い人も多かったのですが、継続的に電話するようになった人も何人かいました。
その中に、28歳看護師のヨウコちゃんという女性がいました。
彼女とは、最初の電話から話しが合うなと思いました。
凄くこちらに会わせてくれる子で、私が面白いと言った動画や好きと言った音楽などを、次回の電話までに見たり聴いたりしてくれるので、電話をするのが楽しみな人でした。
と言うか、他が酷すぎたというのもあります。
一例をあげておきます。
「今日何してたの?」
「何もしてない……」
「趣味とかあるの?」
「趣味無い……」
「好きな物とかは?」
「好きな物無い……」
「……これから何して過ごすの?」
「寝る……」
こんな酷い奴もいました。
電話開始数分でギブアップして、二度とかけませんでしたけど。
普通にモテて、普通に彼氏が作れる人は、そもそもコム友募集などしていないでしょうし、仮に募集していたとしても、争奪戦の末にコム友になれる可能性は低いので、どうしてもハズレが多くなります。
ヨウコちゃんのように、普通に会話が出来て、会話が楽しいという女性の方が稀なのでした。
何度かの電話の際、彼女の誕生日が近い事を知った私は、思い切って誕生日を一緒に祝わないかと誘ってみました。
私の住まいと彼女の住まいは、電車で一時間もあれば行ける距離だったので、仕事終わりに待ち合わせする事にしました。
当時、お金は前妻が握っていたので、私には自由になるお金がほとんどありませんでした。
しかしどうしてもヨウコちゃんと会いたい私は前妻に、
「友達と飲みに行くから少し金を都合して欲しい」
と頼みました。
そうしてやっとかき集めた三万を持って、ヨウコちゃんと初デートです。
この日の少し前の電話で、なるべく安いお金で済ませたいと思った私は、彼女に幾つか提案しました。
「駅の近くに、スンドゥブ専門店とかあるみたいよ。カップル来店も多いみたいだし、どうかな?」
「私、食べなれない物食べると、お腹壊すんだよね」
スンドゥブは平均予算一人千円程度。酒を飲んでも二人で一万以内でおさまると思いましたが、駄目でした。
「じゃ、じゃあお寿司とかは?回転寿司とか」
「う~ん。私生物苦手だから」
「……じゃあ、駅前の激安居酒屋は?」
「私、ガヤガヤうるさい所苦手なんだ」
「……」
今だから手に取るように分かりますが、この方どうしても高い店でおごらせたかったみたいです。
私は久しぶりのデートでしたし、年下の女の子は我儘な感じなのかと軽く聞き流していましたが、致し方なく彼女のお勧めの居酒屋に行く事にしました。
「あのね、私結構太ってるんだ~」
「え?そうなの?でもあれでしょ。ぽっちゃり程度でしょ?柳原可奈子以上じゃなきゃ、問題無いよ!」
「ぽっちゃり程度……かな。うん」
「じゃあ見たいから、写メ送ってよ」
「良いよ」
と送られてきた写真は、それなりに可愛らしい女性でした。多少太り気味でしたが、太っているという程ではありませんでした。
「えー、全然太って無いよ!可愛いし!」
「私はそうは思わないんだけど、この写真友達には詐欺って言われる」
とそんな会話もありました。
女子はそれ程太っていなくても、太ってると言う人が多いので、ヨウコちゃんも恐らくそうなのだろうと思っていました。それに写真だけで見ると、とても可愛いお嬢さんでした。久しぶりの若い子とのデートに胸が高鳴りました。
そして当日。
待ち合わせ場所に現れたのは、ほぼ柳原可奈子並みの太めの女子。(エル心の声「どこがぽっちゃりだ……」)
そして顔も写真とは似ても似つかない残念な造形でした。(エル心の声「確かにあの写メは詐欺だ」)
ただ救いだったのは、私は顔のストライクゾーンが広いので、とりあえず我慢出来るレベルでした。
私が手を差し出すと、握り返して来た彼女。
手繋ぎで、彼女のお勧めの居酒屋に行きました。
その居酒屋はビルの上の方にある、全個室の洒落た居酒屋でした。
前妻に頭を下げて、かき集めたデート資金三万円。
まあ、これだけあれば、大丈夫だろうと思っていました。
しかし……。
ヨウコちゃん。人のおごりだと思って、飲みまくりの食いまくり……。
お前……生物苦手じゃなかったのか!?
刺身食っとるやないか!
少しは遠慮せんかい!
ボケー!
(# ゚Д゚)
お会計。
3万2千円也。
Ω\ζ°)チーン
まさか3万超えるとは思わなかった。
余分に3千円持ってきて良かったです。
足りなかったらカード使う羽目になっていました。
バカバカ飲み食いさせた分返せとばかりに、帰り際にキスをしてしまいました。
顔をそむけられはしませんでしたが、かなり強張った唇で、キスを拒否されたのは明白でした。
居酒屋から駅までは、手繋ぎで、しかもスキップしていた彼女。
相当酔っていたのでしょう。
彼女が自宅に帰った頃に、電話の着信がありました。
私はまだ帰宅中だったので、出ると彼女が一言。
「もう、ああ言う事しないで下さい……」
すっごい低い声で言われました。
「はい……」
(-_-;)
結婚後の、妻以外の女性との初デート初キス。
でも、高い授業料になってしまいました。
確かに遠慮しないでとは言いましたけど、本当に遠慮しない女の子は困ったもんですね。
ヨウコちゃんでもう一本書きますね。
※同じような批判コメントを付ける方が多いので、それに答えた各記事があります。
批判をする前に、まずそちらに目を通して下さい。→ 中傷、反論する者に答える。