アナフィラキシーについてまとめてみます。

歯科医師のみなさん、ちゃんと勉強しましょう。

わたしの知っている医療知識では不十分かも

しれないので、各々で復習してくださいね。


前回書いたアナフィラキシーの患者さんは、治療

中の歯を診察すると、右上PMのisthmus region

1.5mm径のperforationが認められ、JGによ

intracanal medication。


治療された先生のお話だと、FCによるintracanal

medication後に不快症状が現れたので、JGに変

更したとのことでした。ただ残念なのは、バイタル

は全く見ていなかったそうで、意識レベルも一桁く

らいだったと想像されます。


つまり、使用薬物は、局麻剤キシロカインとFCと

JGということになります。


局所麻酔は何度も治療経験があるので、可能性

は低いと思うので、準備万端にして、ブリックテスト

にて調べてみました。

一応、陰性所見でしたが、安心とはいえませんが、

perforationへの通法治療に局麻が必要なので、

同じく準備万端の元、無事処置完了しました。


となると、原因の可能性は、「FC」ということになり

ます。

FCも何度も使用経験があるはずなのですが、一般

的にFCは根管内にその成分はとどまることが多い

といわれています。

今回は、perforationの存在がFC成分を根管外へ

漏出させる原因となり、FC成分による蛋白変性を

生じた物質がアナフィラキシーの原因になったので

しょう。以前皮膚科の学会でFCが原因のアナフィラ

キシ―の報告を読んだことがあります。


最も大切なことは、アナフィラキシーへの対応もそ

うなのですが、原因を突き止めて、その原因となっ

た薬物などを患者さんに知らせることです。


救急の先生がわかる訳がありませんよね~。


ちゃんと紙にアナフィラキシーの原因薬物として書

いてお渡ししたのは当然のことです。

患者さんがとても喜んでみえたので、その理由を

聞くと、内科医からアナフィラキシーの原因を教え

てくれない歯科医の治療方針はちょっとおかしい

ので、わたしの歯科医院を紹介されたそうで、まさ

かわたしから、原因薬剤を特定してもらえるとは

思ってもいなかったそうです。


さて、アナフィラキシーについてまとめてみましょう。


アナフィラキシーというのは簡単にいうと、IgEを介

て、抗原と肥満細胞抗体が結合して始まる反応

です。


原因物質としては、食べ物(そば、ピーナッツ、など

が有名)、蜂(刺されて)、薬剤、ラテックス(医療関

者に多いです)などが挙げられます。


一方、アナフィラクトイド リアクションは御存知でし

ょうか?

これもアナフィラキシーと全く同じ症状なんですが、

生体反応がちょっと違うんです。

アナフィラキシーと違って、IgEを介さないで生じる

反応です。有名な原因には、造影剤がありますね。


アナフィラキシーの診断ですが、バイタルの急変、

つまりプレショックバイタルが見られたら蕁麻疹の

有無や顔の発赤も注意しましょう。

患者さんが息苦しいと訴えたり、嗄声が認められ

たら喉頭浮腫、口蓋垂浮腫が生じている可能性

大です。



アナフィラキシーでは、蕁麻疹が現れることが多い

ので、これ認めたらすぐ処置に移りましょう。


歯科医院では処置に限界があるので、まず


エピネフリン0.3~0.5mgを大腿四頭筋外側広

筋か、中臀筋に筋注します。


10分後位で効果判定を行い、改善が認められない

ようなら、エピネフリン同量を再投与です。


アナフィラキシーと診断して処置に移ると同時に救

急要請しているはずなので、このあたりで救急にバ

トンタッチとなりそうです。


βーブロッカーやAEC阻害薬を常用されてみえる

患者さんは、エピネフリンの効果が表れにくくなるこ

とがあります。

その場合は、グルカゴンを1mg投与して、効果を

見て効果なければ、再投与といった治療手順にな

ります。

教科書的にはグルカゴン投与なのですが、臨床で

は、なにはともあれれまずはエピネフリン投与で

よいといわれています。

なので、グルカゴンは結構高価故開業医では、常

備の必要はないと思います。



アナフィラキシーに対してエピネフリン投与が遅れ

るとそれは患者さんの心停止につながるので、一

刻も早く筋注することが重要となります。


某大学の麻酔科の先生の、アナフィラキシーの講

演でアナフィラキシーの第一選択薬はステロイドで、

喉頭浮腫が認められたら、直接同部にエピネフリン

を噴霧する処置が良いといわれていました。


これはちょっとおかしい内容ですよね。

エピネフリンを直接噴霧も可能なのでしょうが、相

当量を噴霧してもあまり効果はないというのが常識

のはずですが、いかがなものでしょう?


わたしの勉強した限りでは、アナフィラキシーの場

合は、


まず、エピネフリン0.3~0.5mg

を筋注。


そして、輸液。



その後、抗ヒスタミン薬とステロイ

ドの投与。




このような治療手順だと思います。


治療経験の豊富?な麻酔科では、違うのでしょう

か?

講演中質問してみましたが、ステロイドで充分です

おっしゃるのみでした。


ちなみに、エピネフリンはβ2受容体に直接作用し

て、肥満細胞や好塩基球からのヒスタミン産生を

抑制するので、最も確実で、スピーディな効果が見

られるといわれています。


まあ、開業医では、抗ヒスタミンやステロイド投与は

わたしは必要ないと思っています。



また、アナフィラキシーで注意を要することとして、


5~20パーセントに二峰性が認められるということ

です。


つまりアナフィラキシー症状が治まっても、数時間

後にまた再発することがありますよ!ということで

す。


医科のほうでは、6~8時間は経過観察するそうで

つまり、症状が治まったからと言って帰宅させない

そうです。

重症な症状の患者さんは入院下で、1日様子観察

されているみたいです。


ステロイドはこういった二峰性の発症を抑える役目

といわれているはずなんですが。。。。


じゃ、昨日書いたような歯科医院での軽度アナフィ

ラキシ―の場合はどういしたらよいのでしょう?


以前これも某大学の教授の講演で質問したので

すが、うちの場合はすぐに同じ病院内の救急に移

すので、開業医さんがどうするのがよいかはわかり

ません、という回答でした。



うーん、難題です。



それにしても、今の歯科大学病院はどうなってしま

ったのでしょう。開業医への的確な情報提供すら

出来ない大学も多いようですね。




口腔医療に必要な臨床検査

   デンタルダイヤモンド社


内容が乏しくお勧めできませんね。






糖尿病シリーズは今回で最終です。


糖尿病に限らず、数か月ごとのフォローアップが

必要と思われる患者さんに限ってなかなか定期

的な通院をされない場合が多いのも実情です。


根気よく再受診の都度説明をしていると、数年後

には理解を示される患者さんもいらっしゃるので、

嬉しい限りです。



しかし、相変わらず健康で口腔清掃状態の良好

な方が、数か月おきの定期的受診を希望される

場合があるのは、どうしてなんでしょうね?



近隣の歯科医院ではどうもそのような定期的受診

を勧めているようです。逆に有病者の定期的受診

は進めてはいないようなんですが、一体どのような

歯科治療へのスタンスなんでしょう?



全く不思議です!




その歯科医院に通院中の患者さんが、以前内科の

先生から私の歯科医院へ紹介されて受診された

ことがありました。


その患者さんは数年その歯科医院へ通院されてい

て、数日前に治療中に突然気分が悪くなり、息苦し

さと蕁麻疹が出てきて、治療中断後安静にしていた

ら息苦しさ等は良くなったので、帰宅したそうです。

すると、数時間後に同様の症状が再燃したため、

救急搬送され、なんとか回復されたとのこと。


診断は当然ですが、アナフィラキシーであり、翌日

歯科医院へ行ってその経過を説明したところ、アナ

フィラキシーになった理由は教えられないので、救急

搬送された病院で聞いてください?との返事だった

そうです。


その患者さんは、HT等で近隣の内科にも通院中な

ので、その先生に相談すると、私の歯科医院を紹介

されたという経緯です。

何故わたしを紹介されたといえば、その先生が歯科

治療で私の歯科医院に通院歴があったからという

単純な理由からなのでしょう。



早速治療された先生に電話をして、どのような治療を

されたのか確認すると、




いつものように、根管治療をしてい

ただけですよ。


どうしてアナフィラキシーが起こった

かさっぱりわかりません。


救急搬送した病院の先生なら原因

が解るんじゃないの??



このような電話のやり取りをいたしました。



まったくいい加減で勉強不足も甚だしいかぎりです。


まるで素人のような知識のない人にいくら説明しても

話がかみ合わないので、どのような薬剤を使用したの

かだけは確認しました。


それにしても知らないということは、恐ろしいことで、

その先生は全く反省するような言い回しもなく、なん

で患者さんが「そっちにいったんだろー」といわれて

しまいました。


その先生は某大学に数年間在籍し、講師までされて

いたそうなのですが、まあ歯科大学なんてそんなもの

ですね。わたしも数年基礎研究で大学に研究生で

通ったのですが、あまりにも勉強されないのと、医局

員の「こんなとこに長年いたらバカになっちゃう」とい

う口癖がなんだかこちらまで気分を悪くするので、

通うのは止めました。




アナフィラキシーについては次回にでもまとめます。





今日の本題。歯科医師の先生が喜びそうな話題を

書いてDMの締めとさせていただきます。




まずは、新しいDMの診断基準についてです。



1)HbA1cが血糖値と同等の扱いになったこと。


2)HbA1cの従来基準が6.5%から6.1%以上

  に変更されたこと。

3)FGP126mg、随時血糖200mg、OGTT2h-

  PG200mg、HbA1c6.1% これらの4つの値

  のうち2つで基準値を超えていればDMと診断。


上記のような変更がありました。



またHbA1cは従来国際的にみて日本だけが独自

の検査方法を採用していたのは御存知でしたでし

ょうか。

日本はJDS値で、国際的にはNGSP値を採用して

いるわけなのですが、微妙に測定値が異なります。


JDS値に約0.4%加えるとNGSP値に近似すると

いわれています。


さらにもうすぐ日本もNGSP値に統一されるそうです。



それとJAMAだったか、Lancetだったのか、どこかは

忘れましたがメトホルミン服薬患者はがんの発症が

少なかったので、メトホルミン自体にがんの抑制効果

があるのではないだろうかといった論文もありました。

興味のある方は、調べてみてもよいかもしれませんね。

先日もちょっと対処に苦慮する患者さんがあり

ました。


2年前に私の歯科医院に

今他の歯科医院に通院しているのですが、そ

の先生の治療方針の是非についてお聞きした

こんな主訴で来院されたのですが、病歴、また

その経緯を知る由もないので、基本的な説明

をしたら、今通院中の先生と相談します?とい

われてお帰りになられました。



さて、2年後に再度お見えになられた理由は、


治した歯が、腫れて痛む!




この歯を治療された先生が


これじゃ、抜くしかないね!


こんな説明だったのでなんとかならないのか、と

いう主訴でした。



ちょっと診察しますと


奥歯の頬側の歯槽骨に米粒大の露出が認めら

れ、レントゲン所見では、不十分な根管治療と重

度の歯周病、そして歯周病変と根尖病巣との

complicationが確認できました。


頬部の歯槽骨露出は、切開時の局所麻酔による

虚血が原因と思われるので、歯肉移植にてfirst

aid。


昨日同部予後良好のため、再根管治療に移ると

髄床底部に1mm径のperforationの存在を確認。

説明後、internal matrix techniqueにて閉鎖を試

みた後、根管治療をいたしました。

一つの根管からは予想通り、hematological pus

が多量に排出されました。


まあ、これだけいい加減な治療も決して珍しいわけ

ではないのですが、この治療をされた先生は積極

的(?)にインプラント治療をされるのですが、イン

プラントの勉強をされる前に、歯を治す基本的な

勉強をされるべきだとわたしは思います。


傾向として、インプラント治療を積極的にされてみえ

る先生は、上記のような治療内容が多いことは常

識として考慮されるとよいと思います。



さて、この歯がどこまで回復するのか、時間はかか

そうです。



前置きはこのくらいで、前回の続きです。

今日は、比較的重度のDMについての考察です。


HbA1cが8~10%では、

メトホルミンや、TDZ,SU剤などの経口薬で血糖コ

ントロールされているようです。

もちろん、患者さん自身による生活習慣改善も必要

わけですが、なかなかうまくコントロール出来ない

患者さんも多いみたいですね。

HbA1cが10%以上の患者さんは、基本的にインス

リン治療の必要性を検討されているようです。

リラグルチドの皮下注射も有効とのことですが、わた

は今のところ使用中の患者さんは診たことはありま

せん。


歯科治療では、sick day の場合や、朝食を摂取され

ないで来院された場合は治療は応急処置にとどめる

ことが重要ですね。


インスリンを自己注射されている患者さんや、BOT(Ba

sal Supported Oral Therapy)の患者さんも多くみられま

す。

こういった患者さんはわたしの歯科医院では1~3ヶ月

ごとのフォーローを勧めています。


DMはそもそも、易感染、細小血管障害、大血管障害、

の発症リスク増大などさまざまな合併症を起こします。


しかも、血糖コントロールによる(つまり治療による)細

小血管合併症の抑制は可能ですが、大血管合併症へ

の抑制は不可能といわれているのです。


legacy effect といって、もっと長期の視点からは抑制

効果もあるとの報告もあるようですが、よくわかってい

ないことが多いってことですね。


歯科治療では、インプラントの適応症を考えるときに

とても必要な知識なわけですが、DMの患者さんへの

安全性は立証されていません。


軽度のDMはいいのでは?と考えるのはちょっと認識

不足で、SPIDDM(緩徐進行型Ⅰ型糖尿病)というD

Mもあるので、軽度のⅡ型DMは大丈夫などという安

易な診断は止めていただきたいものです。


わたしは、DMはインプラント禁忌と

思っています。


ということは、DMの日本人の発症率を考慮すると、イ

ンプラント治療を受けた後でDM発症をした場合はどう

なるのでしょうね。


某先生によれば、


そんなことまで、歯科医師が責任持

たなくてもいいんじゃないの!


とのことですが、みなさんはどう思っているのでしょう。





引き続きDMの臨床編です。


DMの診断、分類について知ったくらいでは臨床

では全く役に立ちません。


DM内科医の大まかな治療方針も歯科医師として

は当然知っておくとよいはずです。


わたしが歯科医師になったころはDMの治療薬は

SU剤主体だったので、そうたいして複雑な投薬は

なかったようですが、この10年来は次々と治療薬

が開発されました。


まず、比較的軽症の(定義はないと思います)DM

治療について。


HbA1cが8%以下、FPGが150mg以下、食後血

糖値が250mg以下が相当します。


このくらいのDMへの治療薬は


ビグアナイト製剤(BG)、αーG1,チアゾリジン誘導

体(TZD) があります。


TZDにはside effectとして肥満、edemaがあるので、肥

満を認めるDMの方へはBG剤がファーストチョイスされ

ることが多いみたいです。

BG剤のside effectには乳酸アシドーシスが有名ですよ

ね。ヨード造影剤を使う検査の場合は、BG剤併用でこ

の乳酸アシドーシスを起こす可能性があるので、内服

中止を指示さるはずです。


また耐糖機能障害の痩せ型のDMの方にはαーG1や

速効型インスリン分泌促進剤を投与されているようです。




また、最近ではインクレチン製剤がしばしば使われてい

ます。


インクレチン製剤にはDPP-4阻害薬とGLP-1受容体

作動薬の2種類がありますが、後者は注射薬なので、開

業歯科医にはあまり関係なさそうです。


そもそもインクレチンというのは消化管ホルモンの一種で

GIP(Glucose dependent Insulinotropic Polypeptide)

GLP-1(Glucagon Like Peputide - 1)

この2種類あります。


このうちのGLP-1の作用である

インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、栄養吸収を遅

くする、食欲抑制

といった効果を利用したのがインクレチン製剤です。


DM治療薬は服用することによって、かえって肥満が進行

したり、膵臓のβ細胞の機能がかえって弱ってしまったり、

SU剤のように二次無効が生じたりと、なかなか長期服用

での改善が難しいわけなんですが、このインクレチン製剤

は従来とは全く異なった作用機序によるインスリン分泌促

進薬で、しかもグルカゴン分泌まで抑制し、体重増加の

side effect もみとめられず、SU剤のような低血糖は起こし

にくいといったすばらしい効果が期待されているんですね。


結果膵臓のβ細胞が保護され機能復活の期待も膨らんで

きます。


最近ではこのインクレチン製剤を内服されている患者さんが

多くなってきているので、今後の薬剤情報も要注意です。

この1週間風邪症状にて辛い日々でした。みなさんは

風邪のときはどのような対処をされているのでしょうか?


わたしは、のど飴、トローチが必須です。なにせしゃべれな

いと、仕事になりませんから。そしてよほど咽頭痛がひどく

ない限りは内服薬は使用しません。行きつけの(笑)内科

に受診すると必ずどの薬が入用ですか?と聞かれるので

歯科医院においていない高価そうな抗生剤をいただいて

きます。まあ、使う機会はありませんけど。


今日からはDM関連です。歯科医師のみなさん、どこかお

しな点などありましたら、コメントお願いします。



まず、DMの診断基準です。(最新版とはいきません)


1)随時血糖200mg/dl以上

2)早朝空腹時血糖126mg/dl以上

3)75gOGTT2時間値200mg/dl以上

1)~3)のいずれかを2回確認するか、1回確認し、下記の

いずれかを認めるときDMと診断。

・口渇、多飲、多尿、体重減少

・HbA1c≧6.5%

・糖尿病性網膜症の存在


ちなみに、OGTTは検査時点の耐糖能を表し、HbA1cは過

去1~2ヶ月の血糖値と相関しています。


これだけを見ると診断は容易に思えるのですが、もともと血

糖値事態が日中変動が著しく、生活習慣によって日々の変

動も認められるため決して容易とはいえないかもしれません

ね。


空腹時血糖値(FPG)とOGTT2時間値(2hPG)との相関

から、DMの境界型といった位置づけもあり、2hPG4が

170mg/dlより高値だったり、Inslinogenic Indexが0,4より

低値だったりすると、DMへ移行する可能性が高いと診断

されます。


つまり、HbA1cが5、9~6、4位の場合は積極的にOGTT

を行ったり、インスリン量をチェックしてInslinogenic Indexを

診るということですね。


血液検査で、HbA1cが5,8以下なら歯科ではまず安心して

外科処置を行うことができるわけで、ちょっと高くても一応

直前の血糖値は測定後処置に移るようにしています。



次は、DMの分類です。


1)Ⅰ型DM

  これはβ細胞の破壊によるインスリンの絶対的欠乏が

  原因。抗GAD抗体陽性で確定診断されます。

2)Ⅱ型DM

  Ⅱ型は除外診断でしかわかりません。

  つまり、Ⅰ型ではない、また特定の原因機序、基礎疾患

  もないことで、Ⅱ型と診断されるわけです。

  ここでは、インスリンの分泌不全とインスリン抵抗性とが

  複雑に混合して要因となっていると考えられています。

3)遺伝子異常、肝・内分泌疾患、薬剤性などが原因のDM

4)妊娠DM



ここで、知っておきたいことは、DMを誘発する疾患がある

ということです。

歯科医師の多くは分類の項目しか勉強しない先生がほとん

どなので、それでは全く治療に生かすことはできないです。


DMを誘発する疾患には

・肝・膵疾患

 これは当然ですね。

・感染症

 意外と歯科医師はしらないはずです。というのも歯周病が

 DMの悪化因子だとこの数年で騒ぎ始めたわけですが、

 歯周病も感染症なので当然のことですよね。騒ぐこと自体

 はずかしい限りです。

・悪性腫瘍 

 すべての悪性腫瘍を疑って検査することは当然無理なわ

 けで、健康診断などで有力な腫瘍マーカーのある検査

 を積極的にするということなのでしょう。

・内分泌疾患

 バセドウ病、クッシング病などがあげられていますが、頻

 度は低そうです。

・薬剤性

 どんな薬剤かを知っておくことは大切。主にステロイドが

 有名ですね。


 逆に言えば上記の疾患を有する患者さんを治療する場合

はやはりDMの存在の有無を確認(HbA1cで)する必要

があるわけですね。

なにも考えずに、歯を抜いたり、インプラント等の外科処置

をしたりは危険極まりないといえます。

わたしの歯科医院では必ず、医科担当医からの血液等の

検査データーをいただくようにしています。


そして、必要なら直前の血糖値を測定しています。

昨日も不思議な主訴の患者さんがお見えになり

ました。


患者さんがおっしゃるには、

近隣の歯科医院にて5年前より奥歯の咬合痛が

あり、その都度(3回)虫歯の疑いのため、詰め物

の再治療を受け症状が緩和していたが、最近は

同歯がぐらぐらしてきて咬合痛が以前よりひどくなっ

てきたので、ネットでいろいろ調べて他の歯科医院

へ転医したところ、歯槽膿漏の症状があるので抜

歯の処置を勧められ、ほんとうに抜かなくてはいけな

いのか、わたしの歯科医院にセカンドオピニオン希

望で来院されました。


いろいろお話を聞きましたが、何かにつけ、インター

ネットで調べて、ネットで聞いて、ネットで、、、、。


1年に2~3名のこのようなネットがらみの主訴の患者

さんが来院されますが、対処がとても難しいのが現状

です。


この患者さんは、そもそもセカンドオピニオンの意味合

いから本来と食い違っていることは明らかなのですが、

基本的な説明をいたしましたが、原則治療はいま通院

中の歯科医院で受けて頂くように指導しています。


歯科のネット情報はかなり曖昧な視点が多いのでみなさ

んも注意してください。

ていうか、このぶろぐもネット情報の一つですよね。

うーん、悩ましいところです。



では、今日は前々回の続きで、睡眠時ブラキシズムsleep

bruxism( SB )についてまとめてみます。



SBの定義は、睡眠中の歯のグラインディング、クレンチング

を特徴とする口腔異常機能とされています。

要するに、睡眠中のちょっと変わった異常な口腔の運動とい

うことですね。


何故これが問題なのかというと、教科書的にいえば、SBによ

て 歯の咬耗、破折、修復物やインプラントの予後不良、さ

らに顎関節の疼痛や頭痛などの口腔顔面領域への悪影響を

与える因子と考えられているからなんですね。



特に臨床的な問題では、修復物(かぶせもの、つめもの)の咬

み合わせの調整がSBの存在によってとても難しくしていると

いえます。(実際咬み合わせを理想的に調整されている先生

かなり少数派なのが現実です)



その理由を列記してみましょう。歯科医師のみなさん、参考に

してみてください。


1) SBの有病率は約8%といわれています。結構高頻度に

  認められるといえます。


2) SBには、セントリックブラキシズムだけでなく、エキセント

  リックブラキシズムの存在も忘れてはいけません。

  特に、SBは激しい側方運動をすることも珍しくないといわ

ていて(クロスオーバーブラキシズム)、その頻度は高い

と考えられています。

  つまり、こういった顎運動までの咬合調整が可能なのか?

  という問題が生じるわけですね。


3) SBの原因は末梢性のもの(咬合など)が原因ではなくて、

  中枢性の因子が原因と今は考えられているということです。

   ただ、この咬合の因子は咬合干渉、つまり不良補綴物は

  考慮されていないという点は注意を要します。

   睡眠中は筋のトーヌスは低下していて、上下の歯は接触

  していないのがその理由の一つなんですが、接触してしま

  うような干渉のある不良補綴物が存在すれば、話は別問

  題なのは当然ですよね。

  しかし、2)で書いたように睡眠中の顎運動は予想以上に

  大きな運動範囲といえるので、その範囲までの補綴物の

  咬合調整がとても可能とは考えられない以上、不良補綴

  物→咬合干渉→睡眠時の異常咬合接触→SB発症  

  こんな流れは充分考えられることですね。


4) 末梢からの刺激(咬合干渉など)は、SBに対してはむしろ

  抑制的に作用する。

  このことを応用したのが、SBの治療であるスプリント療法で

  す。

  特に口蓋スプリントでも普通のスプリント同様の効果がある

  のは、こういった事実があるからなんですね。

  

さらに突っ込んで考えると、前述の不良補綴物による治療

認められても直ちにSBが発症するわけではないという

事実が解りますよね。

  発症するとしても少なくとも1~2ヵ月後ということになるは

です。(これはスプリント使用1~2ヶ月間はSBの抑制

  効果が強く認められることから)

  

   こういった考察から言えることは、自分が治療した補綴物

咬合は、再初診時に必ずチェックが必要ということです

  ね。


5) SBには、音のしないSBが5~20%認められるという驚く

  べき報告です。

    これで、SB存在の有無確認はとても難しいことがわかりま

す。

   



以上を踏まえると、どのような補綴物の形態が理想的といえる

はかなり明確です。

本来の歯軸を変えた補綴物、連結した補綴物、審美要素を重

視した補綴物など、患者さん本来固有の歯の形態を無視した

補綴物はかなり危険といえることははっきりしています。


歯科医師のみなさん、もう一度再考が必要かもしれませんね。


いろいろご質問いただきましてありがとうございます。

的確なアドバイスとまでは行かないかも知れませんが

間違った方向に行かれてしまうことのないような思い

で全力でアドバイスをしています。


多くの方が、大規模であったり、大勢の患者さんでに

ぎわっていたり、いろんな広告宣伝をされていたりと、

とかく目立った歯科医院の先生のご意見を重視され

る傾向があるようですね。


わたしが、このブログで自分の歯科医院を紹介しな

い理由は決して怪しい内容を書いているからではな

くて、自分への戒めも含めて、理想的な歯科医療を

みなさんに知っていただきたいからなんですね。


勿論自分もそんな歯科医療をみなさんに提供でき

るように努力したい、またそんな歯科医がもっと増

えて欲しいといった強い思いも入っています。



さて、今日は歯科の定期検診についての本音です。


ときどきわたしの歯科医院にも、今日は定期検診に

きました、とおっしゃる方がおみえになります。



そもそも検診という医療は保険医療行為には無い

のです。

わかりやすくいうと、お腹が痛い、頭が痛い、熱が

ある、何か身体に気になる症状があって診てもら

い、結果診断病名がついて医療行為が発生する

のが、保健医療システムです。

今日は健康診査にきました、と内科に来院したら

当然担当医はこうおっしゃるでしょう。




健康診断は保険が効きませんよ!



これは、歯科医療でも同じで、定期検査目的では

保険医療は受診できないんです。

でもまあ、そんな堅苦しいことを言っていたのでは

ややこしくなるので何故か歯科医療だけがこういっ

た曖昧な医療スタンスを取っている先生が多いの

が現状です。


しかしこの現状は異常なのは事実なわけで、国の

方でも少しずつ医療現場への指導が入ってきて

います。


みなさんも過去に受診された歯科医院から


「そろそろ歯の定期検査の時期です」


といった内容の郵便物が送られた経験のある方

も多いと思います。それを見て定期検査にきまし

たと受診されると、保健医療をしてはいけません

といった指導が今はなされています。



まあ、これは当たり前のことなわけで、そういった

定期検査のすすめを郵送するほうが保険医療

としては、ちょっとおかしいわけなんですね。


この事実はほんとうは、わたしが歯科医師となっ

たころから言われていたわけで、そういった不正

行為(?)で患者獲得を図る先生が大勢いらっし

ゃるのも事実です。


ちなみに、わたしの歯科医院では行っておりませ

ん。理由はほかにもいろいろありますが、割愛さ

せていただきます。



さて前置きはこれくらいにして、歯科定期検査の

本音です。


ある歯科医院では


予防歯科の観念から1~2か月

おきに歯の汚れを取りましょう。


こんなことを患者さんに進めている歯科医院がどう

もあるようです。



はっきりいいます。




無駄です!


1~2か月ごとに歯の汚れを取って

も虫歯、歯周病の予防には無関係

です!!




よろしいでしょうか。


数か月おきに歯科医院に受診してフォーローの必要

な患者さんはかなり限定されます。

虫歯、歯周病予防目的で数か月おきの受診を勧める

先生ははっきり言って、勉強不足ばかりでなく、金儲け

だけの医療と判断してよいと思います。


もし、そういった数か月ごとの受診を勧められたのなら

その理由をちゃんと確認されるとよいと思います。



ちなみに私の歯科医院でそのようなフォーローの必要

な患者さんを列記してみます。


・ 歯周病治療が終了して、完治するまでの経過観察を

  含めたフォーロー。1年を目安に1~2か月ごと、そ

  の後は6~12か月ごとの受診へと移行します。


・ 御高齢(主に75歳以上)のかたは、1~6か月ごとの

  フォローをお勧めしています。これは御高齢になると

  どうしても口腔内の手入れが徐々に悪くなり虫歯や

  歯周病の進行が早いことが多いことと、ほかの全身

  疾患を持っている方が多いので、迅速な対処ができる

  ようにという意味合いからお勧めしています。

  そして、内科等の服薬情報や血液等の検査データー

  をその都度持参していただいて歯科治療の参考にさ

  せてもらっています。


・ 口腔内に要経過観察の慢性疾患がある場合は当然で

  すが、脳血管疾患、血液疾患、膠原病、内分泌疾患

  心疾患、呼吸器疾患、などなどで積極的な完治を目指

  す歯科治療が出来ない患者さんには、歯科疾患の増

  悪がないように、また少ないようにという意味合いで数

  か月ごとのフォローをしています。


上記以外にもあるかもしれませんが、

健康で、口腔清掃状態も極端にわるくなければ、数か月

ごとのフォーローは無意味だと思ってください。






=睡眠時無呼吸症候群=聞かれたことのある方もおみ

えになると思います。


ちょっと疑問があったので、この1週間はこの関連の書

籍を読むのに夢中でした。


要約すると、ぐっすり寝ているときに10秒以上の呼吸停

止が生じることを睡眠時無呼吸低呼吸と呼び、これが頻

発することにより、睡眠障害を誘発して日中に突然眠気

が生じて、交通事故に繋がったりする危険があるといわ

れています。


勿論、日中の睡魔だけが問題なわけではないのですが、

患者さんにとっては、重大問題の一つであることは確か

です。


原因によって、さらに詳細に分類されているわけですが、

歯科医師に関係したものは そのうちの一つである 閉

塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA) です。



OSAの症状は、


いびき、無呼吸の存在、息詰まり(寝ていて急に息苦しく

て目が覚めるといった状態)、過度の日中傾眠など。


また、OSAによる害は


HT(高血圧)、心血管疾患、DM(糖尿病)などの代謝機

能障害、して前述の交通事故など。


わたしも家族から、いびきの合間に呼吸が止まっている

よ!っていわれるのですが、当然のことですが正常者に

も無呼吸は認められるわけで、じゃあ、何が異常な無呼

吸なのかを診断することが大切なわけです。




この診断基準がなかなか難しいので、ちょっと勉強してい

たわけですね。



おおよその目安になるので、知っておくと為になるはずで

す。家族で気になる方でもあれば、参考にしてください。



まず、睡眠時無呼吸の重症度の判定基準は、


睡眠時1時間あたりの無呼吸の数(AHI)で定義していま

す。

  AHI : 5~15は軽度

  AHI : 15~30は中等度

  AHI : 30以上は重症


まあ、AHIが30以上といったら1時間のうち5分以上無呼

吸なわけですから、普通じゃないですよね。

それと、日によってかなりAHIにむらがあるので、数日間

の観察?が必要です。



AHIは誰か一緒に寝てくれる人がいて、しかも無呼吸を

配してくれて、寝ないで見守ってくれる優しい人がいな

くては決してわかりません。

なので、そんな人なんかいない人のための判定基準もち

んとあります。



1)過度の日中傾眠

2)息詰まり

3)反復性の中途覚醒

4)爽快感のない睡眠

5)日中の疲労

6)集中力の低下


こんな症状が2つ以上認められたら、睡眠時無呼吸症候

群の疑いが大きいといえます。

3)~6)は普通ではない異常と思えるような強い症状と捉

てください。



わたしの場合は、1)~6)どれも当てはまらないので、まあ

生理的な範疇なのでしょう。



数日前に米国医学誌のJAMAからOSAの治療法の一つ

であるCPAPの治療効果の論文が発表されました。


CPAPの治療によって、HTの発症を抑えることができると

う報告です。

また一方で、日中傾眠のないOSA患者へのCPAP治療で

は、HTや心血管疾患の発症予防にはつながらないという

報告です。

つまり、OSAの原因はいろいろなので、同じ治療でも効果

もいろいろってことなんでしょうか。


いずれにせよ、日中傾眠の有無は治療方針を左右する症

状の一つといえそうです。



ここからは歯科医師向けです。


OSAとの確定診断はやはりポリソノグラフィーがゴールドスタ

ンダードであることは言うまでもありませんが、この検査はわ

たし達歯科医師にとっては(無論医師も同じ)、臨床的な診断

方法とはいえません。


前述のAHIや、患者さんの自覚症状から診断せざるを得ない

と思われます。

歯科雑誌では、CT等の画像を診断に利用されている論文も

散見しますが、OSA診断への画像検査はあまり意味のない

ことがすでに検証されているのに何故CT撮影をされるのか

疑問です。


また、重度のOSA患者へのCPAP治療効果は、前述のJAM

A同様、2~3のオッズ比で、HT、冠動脈障害、脳血管障害

DMに効果が認められています。

しかし、中等度以下のOSA患者への効果はいまだ証明されて

いません。


歯科医院に重度のOSAを主訴として来院されることはまずな

と思われ、歯科医師のOSAへの治療関与はいかにすべき

かはこれらの文献を読むとかなり限定されることを知っておく

必要がありそうです。


重度のOSAの第一治療選択肢は、CPAPである以上、CPAP

治療を受け入れることのできない患者のみがオーラルアプライ

ンス(OA)の適応症となるわけで、開業歯科医師である私が

治療介入の経験がないのは当たり前なのかもしれませんね。



歯科医師のための睡眠医学


 クインテッセンス出版


カナダやオーストラリアの歯科医師、医師のまとめた本ですが

解りやすいです。ただ訳に誤訳が多く注意を要します。

この本ではSB:sleep bruxism の解説がとても勉強になりました。




先日、日本顎顔面インプラント学会より驚くべき報告

がありました。


歯科医院などで受けたインプラント治療が原因で、顎、

顔面、口唇などに麻痺やしびれ、また細菌感染や内出

を伴う重症例も多数含まれる後遺症が生じて

後に、大学病院、総合病院などで治療を要した患者さん

が、2009年~2011年の3年間に421例あったとの

報告がありました。



詳細を見ると、74病院の統計だそうです。



全国にこのような歯科口腔外科を有する基幹病院がい

くつあるのかはわたしは知りませんが、わたしの住んでい

る県内だけでも50病院以上あります。


ということは、この421例という数は、1~2県の3年間に

わたる合計と考えてもいいかもしれませんね。



これって、ちょっと



異常な数じゃないですか!



しかもこの調査は開業医では手に負えず、基幹病院に紹介

されるような重症例ばかりなので、かなりバイアスのかかった

統計のはずです。


つまり、軽度~中等度の障害を含めると、いったいどれくらい

の数になるのでしょうね。



私見ですが、厳格に診て医学的に成功していると思われる

インプラントの症例はかなり少ないと思っています。



インプラントの良書はいまのところ存在しませんね。

顎関節症についてのお話です。

名前を聞かれたことのある方は多いと思います。


顎関節症というのは、それ自体が病名ではなくて、

症候名なんですね。


つまり、


顎の関節痛や咀嚼筋の痛み

口の開閉時に顎の関節雑音がある

口が開きにくいなどの開口障害、運動障害がある


こんな症状がみられた場合を顎関節症と呼んでい

ます。


その原因を特定することはほとんどの場合が難しい

ことが多いので、こういった症候名で統一されている

わけなんですよね。


まあ、いろいろな治療法が考えられているんですが、

何せ原因の特定が難しいため、試行錯誤しながらの

治療になることは致し方のないことだと思います。



わたしの20年あまりの経験から述べてみます。


原因の一番多いのが、やはりいい加減な歯科治療だ

と思います。

いい加減な虫歯治療が咬み合わせを狂わせて(咬み

合わせの合っていない詰め方、かぶせ方)、すぐに

症状が出る方は非常に稀で、ほとんどは数年後に症

状が現れるようです。

つまり、長年の無理が関節周囲組織、さらには身体

骨格にまで悪影響が生じているわけで、そう簡単には

症状を取り除くことは難しいことが多いです。


なので、私は、初めて当歯科医院を来院されるかたに

は、咬みあわせのチェックを必ず行って、異常所見が

見られた場合は、自覚症状のあるなしに関わらず、咬

み合わせを調整後、初めて虫歯の治療を行っています。


勿論、当歯科医院で治療歴のあるかたも、必ず定期的

にチェックをしています。細心の注意をはらって治療した

歯でも数年後には咬み合わせの微調整が必要のことも

多いです。これにはいろいろな原因がありますが、それ

くらい咬み合わせは難しいんですよね。

また、こうやって定期的にチェックすることこそが、顎関

節症の予防につながると思います。


幸い、こういった治療方針で20年続けてきて、いままで

誰一人として顎関節症を発症された患者さんはいません。



みなさんも、出来れば咬み合わせを定期的にちゃんとチェ

ックしていただける歯科医院を受診されることをお勧めい

たします。



さてここからは歯科医師向けです。


TMDの治療法で最近は咬合調整は選択肢に無いように

おっしゃる先生も多いようです。

これはAAOPのガイドラインを参考にした見解なのでしょう

が、TMDの治療に関してはいまだ確立されたEBMがない

と考えるのが妥当に思います。


TMDの治療は「可逆的で侵襲性の少ない方法を優先的に

行う」という考え方が主流なのですが、


咬合調整はそのどの位置に所属するのでしょう?


わたしの考えている咬合調整とは、患者さん固有の本来の

歯牙形態に戻すことを目的とした調整です。


患者さん本来の歯牙とは思えないような、補綴物、充填物

がとても多いのは事実なわけで、真っ先にこれを戻すこと

、またはそれを最初の治療目標の一つとすることが重要

とわたしは思います。


ちなみにわたしは、こういった咬合調整と今現在よくいわれ

ている運動療法は、20年前から治療方法として取り入れて

います。

咬合が明らかに原因と思われる症例にスプリントと運動療

法で対処される口腔外科の先生が多いのですが、症状の

緩和は得られても完治は決してありません。


そのような患者さんが当歯科医院でも多くて、咬合が原因

の場合はその治療をすれば、3~5年後にはほとんどが完

治しています。



スプリントはほとんどの先生が真っ先に考える方法だと思い

ますが、わたしはⅢ型(Ⅲ型bではマニピュレーション後)では

優先的に使用しますが、Ⅰ、Ⅱ型では第一選択肢ではありま

せん。

またスプリントはあくまで短期使用に限定することが非常に

重要で、カイロプラクティック処置を受けて見える患者さんに

は禁忌と考えています。




顎関節症はこうして治す

ー運動療法・スプリント療法入門ー


    永末書店


読みやすくて治療に役立つ一冊です。