=睡眠時無呼吸症候群=聞かれたことのある方もおみ
えになると思います。
ちょっと疑問があったので、この1週間はこの関連の書
籍を読むのに夢中でした。
要約すると、ぐっすり寝ているときに10秒以上の呼吸停
止が生じることを睡眠時無呼吸低呼吸と呼び、これが頻
発することにより、睡眠障害を誘発して日中に突然眠気
が生じて、交通事故に繋がったりする危険があるといわ
れています。
勿論、日中の睡魔だけが問題なわけではないのですが、
患者さんにとっては、重大問題の一つであることは確か
です。
原因によって、さらに詳細に分類されているわけですが、
歯科医師に関係したものは そのうちの一つである 閉
塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA) です。
OSAの症状は、
いびき、無呼吸の存在、息詰まり(寝ていて急に息苦しく
て目が覚めるといった状態)、過度の日中傾眠など。
また、OSAによる害は
HT(高血圧)、心血管疾患、DM(糖尿病)などの代謝機
能障害、そして前述の交通事故など。
わたしも家族から、いびきの合間に呼吸が止まっている
よ!っていわれるのですが、当然のことですが正常者に
も無呼吸は認められるわけで、じゃあ、何が異常な無呼
吸なのかを診断することが大切なわけです。
この診断基準がなかなか難しいので、ちょっと勉強してい
たわけですね。
おおよその目安になるので、知っておくと為になるはずで
す。家族で気になる方でもあれば、参考にしてください。
まず、睡眠時無呼吸の重症度の判定基準は、
睡眠時1時間あたりの無呼吸の数(AHI)で定義していま
す。
AHI : 5~15は軽度
AHI : 15~30は中等度
AHI : 30以上は重症
まあ、AHIが30以上といったら1時間のうち5分以上無呼
吸なわけですから、普通じゃないですよね。
それと、日によってかなりAHIにむらがあるので、数日間
の観察?が必要です。
AHIは誰か一緒に寝てくれる人がいて、しかも無呼吸を
心配してくれて、寝ないで見守ってくれる優しい人がいな
くては決してわかりません。
なので、そんな人なんかいない人のための判定基準もち
ゃんとあります。
1)過度の日中傾眠
2)息詰まり
3)反復性の中途覚醒
4)爽快感のない睡眠
5)日中の疲労
6)集中力の低下
こんな症状が2つ以上認められたら、睡眠時無呼吸症候
群の疑いが大きいといえます。
3)~6)は普通ではない異常と思えるような強い症状と捉
えてください。
わたしの場合は、1)~6)どれも当てはまらないので、まあ
生理的な範疇なのでしょう。
数日前に米国医学誌のJAMAからOSAの治療法の一つ
であるCPAPの治療効果の論文が発表されました。
CPAPの治療によって、HTの発症を抑えることができると
いう報告です。
また一方で、日中傾眠のないOSA患者へのCPAP治療で
は、HTや心血管疾患の発症予防にはつながらないという
報告です。
つまり、OSAの原因はいろいろなので、同じ治療でも効果
もいろいろってことなんでしょうか。
いずれにせよ、日中傾眠の有無は治療方針を左右する症
状の一つといえそうです。
ここからは歯科医師向けです。
OSAとの確定診断はやはりポリソノグラフィーがゴールドスタ
ンダードであることは言うまでもありませんが、この検査はわ
たし達歯科医師にとっては(無論医師も同じ)、臨床的な診断
方法とはいえません。
前述のAHIや、患者さんの自覚症状から診断せざるを得ない
と思われます。
歯科雑誌では、CT等の画像を診断に利用されている論文も
散見しますが、OSA診断への画像検査はあまり意味のない
ことがすでに検証されているのに何故CT撮影をされるのか
疑問です。
また、重度のOSA患者へのCPAP治療効果は、前述のJAM
A同様、2~3のオッズ比で、HT、冠動脈障害、脳血管障害
DMに効果が認められています。
しかし、中等度以下のOSA患者への効果はいまだ証明されて
いません。
歯科医院に重度のOSAを主訴として来院されることはまずな
いと思われ、歯科医師のOSAへの治療関与はいかにすべき
かはこれらの文献を読むとかなり限定されることを知っておく
必要がありそうです。
重度のOSAの第一治療選択肢は、CPAPである以上、CPAP
治療を受け入れることのできない患者のみがオーラルアプライ
アンス(OA)の適応症となるわけで、開業歯科医師である私が
治療介入の経験がないのは当たり前なのかもしれませんね。
歯科医師のための睡眠医学
クインテッセンス出版
カナダやオーストラリアの歯科医師、医師のまとめた本ですが
解りやすいです。ただ訳に誤訳が多く注意を要します。
この本ではSB:sleep bruxism の解説がとても勉強になりました。