随分と秋らしくなりましたね。


この連休は○○へ遠出したかったのですが、娘の

定期試験のため、家内の賛同が得られずデパート

の北海道展に付き合っただけでした。


それにしても昨今の医療進歩は著しく今の学生

は私たちの頃の何倍もの情報を覚えなくては

いけないので、大変そうです。


ただちょっと不思議なのは、息子の大学と娘の

大学は違うのですが(どちらも国公立)、勉強

量と授業内容はかなり大学によって違っている

事にちょっとわたしは驚いています。


それだけ教えるべき情報が多すぎるからなので

しょう。



今日は名(歯科)医について一言いいたくて書い

てみます。


みなさんは、どんな医療を提供される先生が

名医だと思ってみえるのでしょうか?



しばしば雑誌等で、名医紹介として、○○手術件数

とか、○○専門医とかの解説があります。


医科の方は医科の先生のご意見を参考にしていた

だくことにして、歯科のほうの実情をお話ししましょう。


「専門医」についてですが、これはまったく当てには

なりません。 逆に専門医と書いてある方が怪しい

治療をされていることが多い場合もあります。


歯科の専門医はそもそも大学に長年在籍されている

先生が、大学で何年も勉強していたのだから、その

肩書として与えている称号みたいなものです。


大学病院で勉強されていたらかなり名医かといえば、

当然まったく関係ありません。

ほとんどの歯科大学病院は患者さんもかなり少なく、

じっさいの臨床経験はかなり乏しいわけです。


非常勤講師の肩書も似たようなもので、長年大学の

医局に在籍して、そこで学位をいただいた先生など

に与えられる称号みたいなものです。

学位というとかなり勉強をしないといけない場合もあり

ますが、ほとんどの場合は金銭依存が大きいのが事

実です。


当然、有名国立大学は別格で、私立大学の学位論文

は国立大学ではまず受理されることはないレベルです。



つまり、専門医、非常勤講師などの肩書は、臨床での

名医とは全く無関係で、むしろ迷医に関連するかもしれ

ませんね。



ずばり、名医とは、



どんな難しい症例でも、驚くような治癒形態をとらせる

技術を持った先生でしょうか?



まあ、ほとんどの方がこんなイメージだと思います。




わたしが思うに



基本的な医療技術を持った先生が治せない疾患は、

どんな先生が治療にあたっても同じだと思います。


ただ、結果は同じでも 大きな違いは患者さんへの

医療内容だとおもいます。

最新の医療機器を使ったのか、薬剤もいろいろ使っ

たのか、などといった違いじゃないのでしょうか。



たとえ治らないと判っていても、最善を尽くすのが医

療なのは当然なのですが、


その「最善」という点を「名医」の判断材料におくのは

ちょっと無理があるとわたしは思っています。



「名医」とはだれが何と言おうと



どんな疾患であろうとそれが重大な疾患になる前に

治す医療を心掛ける先生のことであり、


さらには、どんな疾患でも発症しないように予防指導

または処置を心掛ける医療をされる先生のことだと

思います。



「名医」がいるその地域は確実に罹患率が減少するで

しょうし、重症患者も同様に激減するはずです。



あそこの病院はいついっても満員ですごくはやっている

としたら、逆に言えば、何年も通院していてもちっともよく

ならない、治してくれない医療ってことですよね。


ちょっと極端に書きましたが、多くの重症患者を扱う高次

医療機関は別にして、一般の開業歯科医の事例と解釈

してください。






今日は就寝前の更新です。

仕事が午後8時頃に終わるので、帰宅は30分後

です。夕食、入浴後1時間ほど専門誌を読むことが

多いので、TVはあまり見ることはありません。


たまに見ても尖閣諸島問題などで、楽しい話題が

すくないですよね、TVは。


今日は根管治療について。


わたしの根管治療は特別な手技は用いていません。

ごく基本的な手技です。


まず、ラバーダムは行っていません。これは患者さん

にとってはかなり苦痛とわたしは思っているがその

理由です。

そのかわり、治療歯への唾液の侵入は完全に防御

する必要があります。治療途中で患者さんにうがい

させるような治療は決してすることはありません。

それゆえバキューム操作、防湿操作にはかなり気を

遣います。


次に根管の拡大ですが、今はやりの機械による拡大

は致しません。その理由は、振動による歯のcrackの

誘発のリスク、動揺歯の場合のダメージ、器具破折

のリスク等を考慮すると手による器具操作のほうが

数段安全で確実だからです。


拡大操作は必ず、モルフォニンやアンチフォルミンを

併用します。

過酸化水素水は使用しません。

とにかく、拡大中は洗浄と溶解剤注入をかなり頻繁に

行います。

その効果なのでしょか、4根管、髄管などは高頻度で

発見されます。


最後は超音波にて洗浄します。これには普通の水道水

で洗浄するので、必ず一回は少量のFCで貼薬します。

はやりのカルシウム剤は除去がとても難しいので、FC

禁忌(以前の症例でFC原因のアナフィラキシー)場合

のみ使用します。


仮封剤は以前はユージノールセメントを使用していまし

たが、除去が難しいので、今は水硬性セメントを使用

しています。


根管充填は、エンド専門医ではいろいろな手技を用い

ていますが、わたしはシングルポイントによるかなり

強圧の垂直加圧根管充填です。

この手技でも感染根管は90%以上、抜髄では95%以

上の良好な予後となっています。


専門医では、かなり難しい症例が多いため、特殊な治

療方法が必要と思われます。当然保険外治療なので

すが、私達開業医には不要の手技と思います。



さて、先日とある書籍で、根管充填のガッターパーチャ

中の酸化亜鉛が、過剰根管充填が原因でアスペルギル

ス症を起こしたとの報告を読みました。


ほんとかな~~というのが、感想です。

そもそもガッターパーチャは、次亜塩素酸にて薬物消毒

をして使用するので、真菌が存在することは考えられま

せん。

また、アスペルギルス属の真菌自体がどこにでも存在

していて、私達だれもが毎日吸い込んでいる真菌なの

です。

なんらかの原因で免疫抵抗性の低下した方が発症する

らしいのですが、毎日誰もが吸いこんでいる真菌なので

どうしてそれが根管充填剤のガッターパーチャが原因と

断定できたのでしょう?


不思議な報告もあるものですね。



秋の連休皆さんはエンジョイされたでしょうか?

わたしは長男が卒業試験と研修先病院試験、長女が

大学の試験(特に生理・生化・解剖)と重なって、親が

不在では食事ができないそうなので、半日の日帰り

でアウトレッドに買い物?に行ってきました。


買った品物は家内の靴下のみでしたが、久しぶりの

お出かけ(3~4ヶ月振り)もいいものですね。



わたしの歯科医院は、子供たちは医学部なので、わたし

の代で終わりとなる予定です。

ちょっとさみしい気もしますが、それよりもいまの歯科医

療のいいかげんさをなんとか良い方向にしなくてはとい

う気持ちの方が強いです。


子供たちが医師になったときに、歯科医師っていいかげ

んなんだな~!て思われたらちょっと恥ずかしいですよ

ね。




先日、60代女性で、上の奥歯がぐらぐらして咬めないと

いう主訴で来院されました。10年前に歯科医院に通院

治療され、それ以降は通院歴無し。

基礎疾患もありません。


ちょっと口腔内を診査してみると、当該臼歯はかなり動揺

が認められます。

口腔清掃状態は極めて良好。

はて、原因は?


レントゲン診査では、根管治療の不手際による重度の慢

根尖性歯周組織炎です。当然抜歯の適応であります。


ここで問題なのは、抜歯適応の3歯の隣がインプラントで

ありそればかりか、反対側臼歯、さらに下顎の臼歯部にも

インプラントが埋入されています。

さらに精査すると、主訴の部位だけでなく、他の残存臼歯も

すべてが、同じ根管治療の不手際(つまりいいかげんな治

療)が原因で、抜歯せざるを得ない状態と診断されました。




患者さんには、ほとんどの残存臼歯は抜歯せざるを得ない

こと。


インプラントのメインテナンスは保険治療ではできないこと。


インプラント埋入部位が多く、抜歯後の処置、つまり歯を抜

いた後どうするかは非常に困難であること。


以上の説明をして、10年前にインプラントの治療?をうけた

歯科医院で治療を受けることを勧めました。


患者さんは数年前にわたしの歯科医院近くに引っ越されて

来たそうです。治療を受けた歯科医院はちょっと遠方なの

ですが、こんないいかげんな治療をリカバーする医療技術

はわたしにはありません。


患者さんは、10年も前のことなので、その歯科医院がまだ

やっているのかちょっと不安とおっしゃってみえましたが、

わたしにはどうすることもできません。



この患者さんの症例でわたしが思うことは、


インプラント埋入をする場合は


定期的に通院される患者さん、

残存歯の状態、

基礎疾患の有無、

そして、総合的なインプラント埋入部位の設計、


これらすべてを精査し、自分の技術に見合った治療を

すべきだと思います。


前述の某歯科医院では


定期的に通院する気もない患者さんで、

ただ、インプラント希望で、高額な支払い能力のある

患者さんで、

歯の保存治療もまともに出来ない医療技術で、

全くの将来的な口腔の予測もされないインプラント埋

入部位の設計で、


これだけなにも考慮しないで、しかもいいかげんな歯の

治療も決して珍しいことではないんですよ。



みなさんは、インプラント手術の後遺症なんかを心配

されるみたいですが、それよりももっとおそろしいのは

数年後~10数年後の口腔状態です。


この患者さんは、ほんとうに丁寧な口腔清掃をされて

いました。ただ定期的なフォローはされていませんでし

たが。


わたしの歯科医院にも今現在数名の同様の患者さん

が通院中です。

インプラントのメインテナンス必要性を説明して、インプ

ラント埋入を受けた歯科医院への受診を勧めるのです

がそのほとんどの患者さんは、あの歯科医院に行くと

すぐに歯を抜かれてあげくにインプラントを勧めてくるの

で、もう行きたくないといった返事が多いです。


インプラント埋入を希望される方に、一番良い方法は

やはり、大学病院で処置を受けるのが将来的には最も

安全だと思います。


開業医、大学病院以外の病院の口腔外科はいろいろ

の理由でわたしは患者さんに勧めてはいません。



3秒で心電図を読む本


メデイカルサイエンス社


12誘導心電図の基本的な読み方が非常に

解り易く書いてあります。さすが東大医学部

出身です。



久しぶりの更新になりました。


今日は口腔内カメラのちょっとした内輪の話題

です。


わたしの歯科医院では、10年位前に購入した

MEIDEN社製(もちろん国内有名メーカー)のカメ

ラを使用していたのですが、ここ数年 コードの

接触不良のため、使用中に突然画像が消えて

しまい患者さんに迷惑をおかけすることが偶に

あったので、修理を含めていろいろ対策中でした。



このMEIDEN社製のカメラは非常に優秀で、細

部までくっきりと映るという優れものでした。


ところが、数年前にメーカーから製造中止の連絡

があり、修理の依頼をすると、ちょっと難しいとの

返事でした。


このカメラは価格も当然高価でしたが、とにかく

口腔内がはっきりと綺麗に映るので、患者さん

にお見せして説明するのにはとても重宝しました。


何故、こんな優秀なカメラが製造中止となったので

しょうか?



そこで、他のメーカーの口腔内カメラをいろいろ調

査してみると、どのメーカーもいままで使っていた

カメラの足元にも及ばない精度でしか映らない。。。


10年前の機械より精度が悪いなんて、一体どうした

の!!


そこで各メーカーの担当者に聞いてみると、



あまり綺麗にはっきりと映るカメラ

は、売れないんです。


どうも歯科医師の要望は、


細部まで映ると、自分の治療のア

が患者さんに見えるので、そん

なカメラは使えない!!


といった意見が多いそうです。



以前も書いたことがあると思いますが、自分が治療を

した歯の術後のレントゲン、および口腔内カメラで患

者さんにお見せすることは、われわれ歯科医師にとっ

てはとても自分の治療に責任感がないとできないこと

であるのは事実です。


わたしは、出来る限りたとえ治療が理想的にできてい

なくてもレントゲン等でお見せしながら、説明させてい

ただいています。


それ故、はっきり明瞭に映るカメラでないと用をなさない

わけです。


結果として、フランス製のSOPRO口腔内カメラを購入

しましたが、外国製は修理に時間がかかるので、壊れ

そうな部品を予備で追加購入しておきました。


メーカー担当者によると、カメラ本体はなんと、SONY

製だそうです。




国内メーカーさんにもっと頑張って欲しいという思いと、




歯科医師のみなさん、


はっきりと見えないカメラなんて

使うのは止めましょう!!






精度の悪いデジタルレントゲン、


用途の意味が少ないレーザー、


同じく用途価値の少ないCT、


あまり患者さんへの治療に効果のない機械ばかり

に目が行って、本当に必要な機械に目がいかなく

ならないようにすることも大切じゃないでしょうか。




スペシャルニーズデンテイストリー

障害者歯科


  日本障害者歯科学会


自分の知らないことが多い分野なのでとても参考

になりました。良書だと思います。





内科のツボ

 クインテッセンス出版


いまだにこの手の本が出版されるのはびっくり。

編者の医師のコメントにはちょっと笑えますね。

コメント通りの実用性に乏しい内容でした。


暑い日が続いていますね。

わたしの歯科医院内の設定温度は毎年29度なの

ですが、なぜか私だけが汗だくで治療しています。


汗臭いと思われないように、一日に4~5回着替え

ているので、白衣の下は Tシャツです、ちょっと格好

悪いですね。



さて、今日は「てんかんepilepsy」についてです。


歯科医師が車の運転中にてんかん発作(seizure)を

起こして死亡事故となった記事が以前ありました。

歯科医師なら当然てんかんについての医療知識は

あるべきなのですが、意外と勉強されている歯科医師

は少ないと思います。


わたしが知っていることをまとめてみます。


「てんかん発作」には、部分発作と全般発作に分類さ

れます。

部分発作は、身体の一部のけいれん発作で、jackson

発作がその一例です。また自動症といったちょっと複

雑な動きをする発作も含まれています。

全般発作には、欠神発作、ミオクロニー発作、脱力発

作、強直間代発作があり、どれも意識消失を伴うので

要注意です。


部分発作の自動症も意識消失を伴うこともあり、欠神

発作との区別は難しいとのことですが、歯科医師が鑑

別する必要はありません。

但し、この2つの発作の意識消失は、一見して傍から

見ると覚醒しているように見えるが、本人の記憶は全く

無いのが特徴ということは、知っておかなくてはいけま

せん。


また 当然それぞれの発作の特徴も知っておく必要が

あります。


部分発作は、大脳半球の局所的な過剰興奮が原因で

その部位によって発作の内容が運動性、体性感覚性

自律神経性などに現れるわけです。

そのうちのjackson発作は、中心前回に過剰興奮が生

て(そこの大脳皮質運動野には、顔・上肢・下肢とい

った順で各領域があるのは解剖で習ったと思いますが

)、けいれんが顔・上肢・下肢の順で移動していく発作

のことです。


自動症というのは、口をもぐもぐさせたり、舌なめずり

をしたり、ボタンや衣類をいじったりすることをいいます。


欠神発作は、TVのコンセントを抜いたら突然画面が消

るような感じで、突然5~15秒位意識が消失し、その

すぐに元の状態に戻るような発作のことです。


ミオクロニー発作は、おもに光刺激により誘発され 身

の一部か全身に突然瞬間的に筋収縮が生じる発作

のことをいいます。


脱力発作とは、突然筋が脱力し、ひどいときはそのまま

倒れて顔面や頭部をもろに打撲することもあり、ちょっと

危険な発作です。


強直間代発作は、てんかんの内で最も多く、文字通りの

状態の発作です。



前述の歯科医師が起こした自動車事故は、恐らく欠神

が原因と思われます。治療薬で発作が充分に抑

制できていなければ、当然車の運転はするべきではあ

りません。

また、Breakthrough seizure といって抗てんかん

ちゃんと服用していても効き目が悪くなることもあ

り、そ場合は増量が必要です。

怠薬による発作もあるので、問診はとても重要です。



以上を踏まて、てんかん発作の初発時期、発作のタイプ

持続時間、現在の服用薬とコントロールの状態などを

問診すると同時に、必要なら主治医にコンサルトをしま

す。



治療に際しては、発作を誘発する因子への配慮は必要

で、発作の前兆としてみられる症状があるときは治療は

中止すべきです。

フェニトイン服用によるside effect である歯肉肥大は

服用者の半数に認められるそうですが、このような場合

こそ定期的な口腔清掃が必要です。


処方薬では、ニューキノロン系抗菌薬は発作誘発、マク

ライド系抗菌薬はチトクロームp450阻害による薬物

血中濃度の問題に注意しましょう。



こういった細心の注意を払ってもてんかん発作が生じた

時は


・ 治療を中止して、周りの機械器具、薬品などを遠ざけ

  る。

・ 必要なら気道確保。

・ 発作の状態を落ち着いて観察し、家族などにいつもの

  発作と同じなのかを確認する。

・ 通常の発作なら数十秒~数分で収まる。

・ 目安として、数分(5分位)以上発作が持続するようなら

  救急搬送を要請する。同時に、けいれん発作に対して

  は ホリゾン(diazepam)(10mg/2ml/A)1Aを筋

  注する。

  さらに3~5分待っても止まらない場合は5mg追加する。

  これを繰り返し、最大20mg(2A)まで投与可。

  

  ほとんどが、これでけいれんは止まるといわれています。

  その後、けいれん予防の為に アレビアチンを投与され

  るそうですが、真性てんかんはNaチャンネル遺伝子異

  変が関与するチャンネル病と考えられているからだそう

  です。


  また、多くの歯科書籍には、IVにてdiazepamを投与と記

  述されていますが、けいれん中の静脈確保は無理でしょ

  う!といいたいです。



以上がてんかん患者さんの歯科治療の注意事項です。


ただ、ここで整理しておかなければいけないのは、けいれん

発作を生じる病因はてんかんだけではないということです。


基本的には「痙攣発作が治療中にしょうじたなら」ということ

で勉強するのがわかりやすいですね。



けいれん発作への対処


1)蘇生法ABCD

  けいれんが長く続くと低酸素脳症を起こす恐れがあるの

  で酸素投与を考慮。

2)低血糖、心室細動のチェック

  低血糖なら、50%ブドウ糖20cc 2Aを IV.

  心室細動なら、AED及び救急搬送要請。

3)真性けいれんなら、前述の処置、重積発作では救急搬送

  要請。



詳しくは各々で勉強してください。



病気がみえる 

 メディックメディア発行


いろんなシリーズが出ています。医科の学生の必読書

の一つです。(息子も読んでいました)

お勧めです。

お盆が近づいていますね。わたしの歯科医院も来週

3日間休診とさせていただきます。

旅行などの予定もないので、家の大掃除でもする予

定です。


さて今日は定期検診についての再考です。


イギリスNICEのガイドラインでは、定期検診について

歯科定期検診の間隔は、それぞれの患者に合わせて

決められるべきであり、基礎疾患や生活習慣、歯科疾

患のリスクなどを基に患者との十分な合意をはかるこ

とが必要であるとされています。



以前にも書きましたが、私の歯科医院では、口腔清掃

状態が良好で、口腔内も完治していれば、とくに定期的

な検診は必要ないと考えています。

ただ、治療終了時にそれぞれの患者さんの将来的な

問題点、来院すべきタイミングなどを説明しています。


一方、重大な基礎疾患がある患者さんは1~3ヶ月ごと

の定期検診を勧めていますが、それを順守される患者

さんは3~4割位お見えになるので、実際のところ私の

歯科医院ではこのような定期的なフォローの患者さん

が徐々に増加して、ほかの患者さんの予約が2週間待

ちとなっています。


以前は歯科衛生士に基礎疾患の患者さんの歯の汚れを

きれいにしてもらっていたのですが、歯科衛生士自体に

基礎疾患に対する知識がほとんどないので、わたしが

冷や冷やすることも多かったため、今はわたしが口腔の

そうじも処置しています。


その為なのか、重大な基礎疾患を有する患者さんの定期

的なフォーローをしないで、意味のない健康な方の定期

検診を歯科衛生士にさせている歯科医院もあるようです。


また、生活習慣による定期検診の必要だと思われる患者

さんは、その多くが定期検診に協力的ではないのがいま

の課題の一つです。



それと、歯科衛生士に仮歯以外の詰め物や、かぶせ物を

調整および接着剤で着ける処置をさせている歯科医院も

あるそうですが、それは歯科医師法では違法であり、その

ような治療をされる歯科医院は避けるべきだと思います。

最近は猛暑が続いていますね。

そのせいなのか急患の患者さんも少なく、治療も

バタバタしなくてよいので、嬉しいです。


甲状腺疾患のつづきです。


甲状腺機能亢進症の患者さんでeuthyroid状態で

も不思議と治療を途中で中止されることが多い

ように思います。


勿論気になる歯は完治するまで通院されるのですが

他の虫歯等の問題は放置されることが多いようです。


歯の治療の身体への負担が大きいのでしょうか。

それとも、なにか他に要因があるのでしょうか?

今後の課題です。


それに対して甲状腺機能低下症の患者さんは治療

に協力的で治療計画通り完治することが多いよう

です。



甲状腺クリーゼ、粘液水腫性昏睡といった重篤な

症状は歯科治療時にはめったに無いと思います

が、外部からのちょっとしたストレス刺激にも注意

を払って治療しなければいけません。


basedow病では周期性四肢麻痺も数パーセントに

見られるのでできれば、口腔内は完治させたいです

ね。




久しぶりに晴れ模様です。


今日は甲状腺疾患につて歯科治療との注意点

などを書いてみます。


わたしの歯科医院にも、たまに急患で歯が痛くて

咬めないので今日抜いてください、といった主訴

で来院されることがあります。


抜歯等の外科処置の場合は、今現在の全身状態

病歴、服薬状況等を考慮する必要があるのは、い

うまでもありません。


継続的に診ている患者さんの場合は、上記の考慮

は比較的容易のため、当日抜歯の可能な場合も

ありますが、全く新規の患者さんとなると当日の抜歯

処置は難しくなります。



当然、痛みを緩和するような応急処置まではするの

ですが、服薬状況が解らないと、処方すら出来ない

こともあります。



新規急患の患者さんの場合は、受付時に上記の内

容を説明するのですが、



今日抜いてくれないのなら、他の歯医者に行くから

診察は結構です。



こんな風な応対をされる患者さんも、たまにはお見え

ようです。



わたしはいつも不思議に思うのですが、患者さんの今

現在のいろいろな身体の情報を考慮しないで、



歯が痛いから抜いて~




判りました。じゃあ麻酔をして抜きま

ょう。



このような安直な診断のもとで治療をする歯科医がほん

とうにいるのか、とても不思議です。







前置きはこのくらいで、甲状腺疾患について考えてみま

しょう。



甲状腺疾患は、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下

症に分けられています。


どちらも主に女性に多くみられ、歯科治療の際にも遭遇

することの多い疾患の一つですね。


どちらも、甲状腺治療をうけてみえる患者さんの場合は

歯科治療でそんなに注意する必要はありません。




問題なのは、未治療の方です。


つまり、ご本人も甲状腺異常と気づいていない方です。



その為には、やはり問診と身体所見がとても重要にな

ます。



機能亢進症では、甲状腺の腫れ、眼球突出、頻脈が三

大徴候といわれていますが、これが認められればまず

ご本人も当然気になるはずですよね。


どちらかといえば、動悸、息切れ、そして食事は十分とっ

ているのだけれど、体重が減るといった症状、ほかには

Grafe徴候も診るのもよいでしょう。




一方機能低下症は、顔貌が無関心様表情と呼ばれる

独特の所見および全身、顔などにみられるnon-pitting

edema。歯科では特に巨大舌や、口唇の浮腫が診ら

れることがあると思います。


ほかには、hypothyroid speech といって、ゆっくりとした

低い風邪をひいたような鼻声が認められることもありま

す。


最低でも上記の所見は見る必要があります。


特に御高齢の方では、なかなか明確な症状が現れにく

て、hypoと思えばhypo,hyperと思えばhyperといえるくら

身体所見では判りづらいので、要注意ですね。


当然ですが、上記の所見が見られたら、歯科治療は

応急処置に留めておくことが重要で、内科受診を勧め

ることは言うまでもありません。





歯科治療のための内科


  永末書店


これだけでは当然不十分ですが、コンパクトにまとめ

られていて診察室に置いておくと便利です。






相変わらずの雨模様です。今年はかなり涼しいと

思うのですが、みなさんの地域はいかがでしょう

か?



今日はちょっと愚痴っぽくなるかもしれませんが、

歯科技工士について書いてみたいと思います。


現在の歯科医療には、歯科医師と歯科技工士が

欠かせない役目を担っています。

どちらの医療技術が劣っていても理想的な治療

は出来ません。


その点では、歯科衛生士というのは、かなりその

役割は限定的で医療知識にも乏しく、必要不可欠

な存在ではありません。(歯科衛生士のみなさん、

気分を悪くしたらごめんなさいね。でもこれは歯科

臨床の現実です。)




ところでみなさんは、この10数年来歯科技工士の

に就かれる方が急激に減少していることを御存

でしょうか?



わたしの住んでいる県でも歯科技工士の年間の

定員(すべての学校の合計)は200名位あった

のですが、今や卒業人数は100人以下となり、閉

校した学校まであります。


それだけでなく卒業後、歯科技工士として働く人は

さらに少なく、50人以下と言われています。




その内歯科技工士としてずーと続けられる方となる

と10人以下とまで言われています。


歯科医師の医療レベルの低下ばかりでなく、歯科技

工士の絶対的な不足などを思うと歯科医療の将来は

とても難しい道といえそうです。




歯科技工士にはかなり勉強熱心な人も多く、わたしの

歯科医院と関与いただいている歯科技工士は4名い

るのですが、どなたもわたしと同年代の方で20代~

30代の方はなかなか見つかりません。



あと10年もしたら、歯科技工士が

いなくなりそうです。


どうなっちゃうのでしょう。





その点歯科衛生士はそうでもないのですが、ただ年々

質の低下は甚だしいように思います。

20年前でも勉強熱心な歯科衛生士はほとんど皆無でし

たが、歯科医師からの指示による勉強はしていました。


最近はそれすらやる気のない人達が多くて、衛生士

学校の先生方に教育に問題があるんじゃないの!

と文句をいったこともありました。


すると、どの先生の返答も同じで、


わたしだったら絶対に採用しない

ような生徒が今はほとんどです

よ!!


数校の衛生士学校の先生からのこのようなアドバイス

を受けて、今は歯科衛生士の新規採用はしていません。




歯科衛生士さん、こんな風にいわれないよう真摯に

取り組みましょう。


梅雨時期の久しぶりの晴れの日は急患が

少ないので、ちょっとした息抜きの日です。

今日は朝から雨模様、来院の折は気を付

けて運転してくださいね。


妊婦の歯科治療について書いてみます。


妊婦では、特に投薬が心配ですよね。これ

についてはかなりしっかりした薬剤情報が

必要なので、基本的な考察から書いてみま

す。


妊婦(授乳婦)への薬物投与の際の留意点

を、下記に列記してみます。

1)妊婦が疾患に与える影響を考慮する。

2)疾患が妊娠経過や胎児の及ぼす影響を

考慮する。

3)薬物が胎児に及ぼす影響を考慮する。

4)妊婦における薬物内動態の変化を考慮

する。


まず、1)と2)についてですが、喘息を有する

妊婦への治療については、GINA2006で、

喘息の治療の継続性の必要をまとめています。

喘息治療しないでいると、喘息発作(アタック)が

生じて、それが原因で胎児に低酸素脳症が生じ

る危険性があるといった内容です。


またBasedow病を有する妊婦に対しても、甲状

腺機能亢進症による流早産、甲状腺クリーゼ、

妊娠性高血圧症(妊娠中毒症)、TRAbによ

胎児の甲状腺機能亢進症を防ぐといった理由

で、薬物治療の必要性をまとめています。


勿論、抗甲状腺薬の胎児への影響は無いことも

立証されています。



じゃあ、歯科口腔に関してはというと、歯科口腔の

疾患で、上記のようなしっかりした立証されたもの

はないようです。

但し齲歯治療に関しては、全く問題が無いことはい

うまでもありません。



3)についてです。

薬物の催奇性などについての論文を読むにあたっ

ては、その研究内容が、コホート研究なのか、ケー

スコントロール研究なのかを知っておくことも大切で

す。


コホート研究というのは、患者さんのバックグラウン

ドをそろえて、内服のあるなしで分けて考えていま

す。


一方ケースコントロール研究というのは、奇形(異常)

のあるなしで分けて、その中からいろいろなデータを

得る研究です。


この2つの研究方法を比較すると、後者は奇形のあ

た患者さんから、内服の有無や、その他のいろん

な情報を分析するわけなので、薬物の影響だけを

見るには、あいまいな研究といえますね。




一般的に妊婦の危険度評価基準は次のようです。


最終月経開始日からの日数として、


 0日~27日    無影響期


28日~50日   絶対過敏期


51日~84日    相対過敏期


85日~112日   比較過敏期


など、51日目以降は徐々に危険度が下がってきます。


ここで注意したいことは、0日~27日目までは全く薬

物の影響を胎児は受けないという事実です。


歯科治療時の投薬の際に、前の生理日をなかなか聞

きずらいのですが、大切なことなんですよ。



米国FDA Pregnancy Category に危険度の評価が

ありますので、必要なら確認してみてください。


これも一般論ですが、

NSAIDsはプロスタングランジン生合成抑制作用により、

妊娠後期から末期の投与すると胎児の動脈管の収縮

や閉鎖が生じる可能性があるので、投与禁忌です。


抗菌剤で、催奇形作用などの胎児への影響の強いもの

は、テトラサイクリン、クロラムフェニコールなどです。

これに加えて、ニューキノロン系はすべて禁忌です。


また、授乳婦への薬物投与に関しては、すべての内服

薬剤は母乳中に移行するので、なるべく母乳への移行

が少ない薬物を選択しましょう。


そして、薬を飲む場合も、母乳を与えてから、内服する

などの薬剤指導も大切です。


まあ、薬物の母乳への移行量は、0,5~5%とされて

います。新生児の薬物投与量が成人の約10~20%

程度の量であることを考慮すると、きわめて少ない量

であるわけですね。



最後に4)です。


妊娠中は腎血流量が当然増加します。またいろんなホ

ルモン変化も認められるので、それらを考慮しても必要

最少限の投与量にしたいのはいうまでもありません。




新妊婦・授乳婦の歯科治療と薬物療法


        砂書房


あまり役に立つ内容はありませんでした。

いまのところ、歯科医の書いた書籍でお勧め

は残念ながらありません。