歯科で使う薬物でアレルギーに特に注意すべきことは、
βーラクタム系抗菌薬、NSAIDs、造影剤 などが特に
アレルギーを誘発しやすいということです。
また、経口投与よりも非経口投与の方が、アレルギー
を誘発しやすく、高用量のほうが低用量よりも誘発しや
すいのも当然ですね。
短期間の間欠的投与も同様に誘発しやすくなるので、
だらだらと処方するのは止めた方がいいですね。
アレルギーの症状はいろいろあります。
βーラクタム系抗菌薬、ニューキノロンなどでは、血清病
様反応がみられることがあります。
発熱・頭痛・全身倦怠感・発疹などが主症状で、薬物投与
から6~21日後に発症することが多いそうです。
薬剤熱も有名です。
比較的元気・比較的除脈・比較的CRP低値というのが特徴
です。原因薬物中止後48時間以内に解熱するので、原因
特定も比較亭容易といえるかもしれません。
薬剤ループスは歯科で使用する薬剤にはあまり関与なさそ
うです。
多形滲出性紅斑(EM)、スティーブンスジョンソン症候群
(SJS)、中毒性表皮壊死症(TEN)といった病名もあり
ますが、実際のところめったにお目にかかることはあり
ません。
SJSやTENはサルファ剤による原因が最も多く、歯科で
関係ある薬物では、アモキシシリン、ニューキノロン、セファロ
スポリン、テトラサイクリンといった薬物ですが、どれもサル
ファ剤の10分の1くらいのリスクしかありません。
これらを詳しく覚えておくよりは、もっと頻度の高いアレルギー
のほうが重要に思います。
ACE阻害薬による血管浮腫のアレルギーはその一つです。
口腔内では、口唇や舌の腫脹で見られることがあります。
頻度は、0.1~0.2%と結構高く、発症は投与開始から
1週間~2年とかなり長期に渡ります。
腫脹は持続的ではなくて、たまに腫れたりしてくるくらいです。
上気道に腫脹がみられるとちょっと大変で、気道閉塞による
重症化には要注意。
アスピリン(NSAIDs)不耐症も要注意です。
NSAIDs服用後、数十分~3時間以内に発症する過敏症で
喘息発作のタイプと蕁麻疹、血管浮腫のタイプがあります。
一般的にいって、NSAIDs(鎮痛剤の一種)はもっとも副作用
の多い薬物の一つなので、わたしはあまり処方はしないように
しています。
気軽に痛み止め(鎮痛剤)を処方される先生もおみえですが、
ちゃんと副作用、他剤との関連を知って処方されている先生
はかなり少ないようです。
わたしは、現在の薬物服用状況や病歴が解らない患者さんに
は鎮痛剤は決して処方しないようにしています。
歯科で一番使用頻度の高い局所麻酔薬についてもまとめてみ
ましょう。
安息香酸エステル系局所麻酔剤とアミド型局所麻酔剤があり
ますが、この2つの交差反応はありません。
ただ、保存のための添加物であるパラベンが原因となって薬物
アレルギーを起こすことがあるため、これに関してはこの添加物
が入っている局所麻酔薬ならどれにもアレルギーが発症します。
局所麻酔剤に対するアレルギーはほんとうに稀といわれていて
アレルギーのほとんどがパラベンが原因ではないかと考えられて
いるようです。
しかし、すべてがパラベンが原因ともいえないわけで、局所麻酔
薬アレルギーの場合は 誘発試験で調べるわけです。
その方法は
まず、ブリックテストを原液で試行し、陰性なら次は皮内テストを
100倍希釈さらには、皮下誘発で100倍希釈→10倍→原液
とおおまかにはこんな手順です。
勿論わたしも今はパラベンの添加されていない局麻剤を主に使用
しています。