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考える道具を考える

The instrument which I think

考える道具を考える-観音力
わが心の師 玄侑宗久禅師の最新刊「観音力(かんのんりき)」(PHP研究所 2009年3月11日刊)を読んだ。

浅草浅草寺、京都清水寺で開催された講演会の収録を中心に、臨済宗の中興の祖 白隠禅師についての小論と観自在に関する論文が追加されて一冊になった分かりやすい一冊ですね。

観音様というのは、お地蔵様と同様日本国のどの地域でも見受けられる最もポピュラーな本尊ですが、かの観音様のご利益とは何かを考えたこともなかったので、とても分りやすかった。

要は‥

  ‥「観音力」とは、自分の中に眠っている共振力、
    コミュニケーションする力ですね。

ということ。

無限に変化する自分と関係を容認し、「私」をどかしてものを考える力を与えてくれる「力」‥と私は解釈しました。

私利私欲という言葉がありますが、「他利」という考え方を基本とするためには、「私」を排除して、様々変化する関係を容認することが大切なのだという意味だと解釈したわけです。

  ‥お経を唱えることで、人間の脳に何が起こるか‥
  ‥それはものを考えることができなくなること。

常に「いま」にい続けることが読経なのだといいます。
なるほどね。日常の中で、般若心経を読む時間を設ける。ただひたすら、読む。声に出す。
その瞬間の「今」にい続けることで、「私」から離れる、
私自身を洗う! この時間が大切なんだと‥‥。

でも、本著を読んでいて、
そういう風に解釈したり、考えたりすることから「離れる」ことが大切なのだと学んだわけですから、一度読んだらこの本を閉じて、考えることから離れることが必要なんだと思いましたね。

  ‥本を読んで学んだことは、
   その本から離れることだ!

とは、如何に?


朝4時。深夜4時と言うべきか‥。

ずっと考え続けている。
考える‥‥道具を使って。

何を考えている?

   ‥‥徹底したアンチテーゼを!

例えば仕事のこと。
長くビジネスを展開していると自然に考え方が固定化する。
テーゼを前提とする傾向になる。

仕事の進め方、対人関係、自己の価値観、そしてビジョン、目標。
あるべきイメージを描き、そこに達成するまでのプロセスが、固定化する。

   ‥‥この道を歩いていけば確かだ!
     だから、確実な歩みを進めていくためには、
     この方法がベターだろう!

これが思考の固定化を生む。転ばぬ先の杖!


だから敢えて、これまでの全てを疑う! 否定する! 捨てる!
自分の脳や体に染み付いたものを、破壊する!
それが本当のアンチテーゼなんだろう。

   ‥‥この道は、本当に確実な何かを生むんだろうか?
     この道を選択している自分は、どんな確信に基づいている?

確かなものを疑え! 全部否定しよう!

すると何が残るのか? 何も残らない。
何かがあったということが幻想だと気づく。

幻想は現実ではない。
しかし、自分をやさしく包んでくれる!

幻想を否定するには、別の幻想が必要なのかもしれない。
朝4時。

今日は風が強そうだ!


ドバイ、ロンドン、ダッカ、イスタンブール、ヨハネスブルグ、サンパウロ、シンガポールと続いたNHKスペシャル「沸騰都市」のシリーズ最終回は、東京。題して「TOKYOモンスター」。

昨夜、というより本日の深夜、2月に放映された再放送を総合テレビで見ることができた。

この番組の解説には、こんな言葉がある。

‥‥人口流出が続いていた東京だが、今再び毎年10万人という大幅な人口増加に転じている。
‥‥大きな原因が、企業の東京移転と外資系企業の進出。グローバリズムの地殻変動を日本は、東京一極集中という方法で受け止めようとしている。
‥‥首都圏で進む再開発プロジェクトは、100を超える。東京の再開発を担ってきたのは、三菱地所、森ビルといった民間デベロッパーである。情報、文化を東京に集積し、環境に配慮した街作りで、世界の都市間競争で生き残ろうとしている。

押井守さんのアニメーション制作で有名なプロダクションIGが、2029年の東京の姿を描写していた。これも興味深い演出でした。

で、結局‥‥高層に伸びていく東京の姿と、地下深くにもぐっていく地下開発との上と下への大開発が、東京の姿を大きく変えようとしているのが、丸の内を仕切る三菱地所と港区を仕切りヒルズのコンセプトで拡大を続ける森ビルの事例で検証されていた。

一極集中の排除‥これが、つい先ごろまでの国土交通省の政策理念であったが、今や、益々、東京への集中は増大している。どこまで膨らんでいくのか‥世界も注目しているのは間違いない。

その背景には、世界の都市間競争に打ち勝つためという大義が見え隠れする。戦後の復興、高度情報社会への変貌、そして未来都市へのジンテーゼの提案。この集中力は、悪くはないんだろうな‥‥。しかも、東京に住んでいれば、満員電車の通勤地獄などは体験することもない‥‥のだから。


志らくさんの地方独演会を追った。

福島県はいわき市。
アリオスという劇場の中の小劇場での独演会。

300人くらいの小劇場は満員。
都内、池袋などの定例一門会も盛況ですが、地方での人気も凄い。

狂気の人と自らのエッセイで宣言した志らくさん。
しかし、最近の落語は、古典の正統派に近くなってきているように思えた。
勿論、現代的な解釈が味付けされているのは言うまでもない。

出し物は、二席。

最初は「死神」。
西洋的宗教観の江戸落語と自ら解説するこの死神は、
落語家の独自性が滲み出す一品。

志らくさんの死神は、ユーモラスで現実的で打算的。
そこが可笑しい。

締めは「文七元結」(ぶんしちもっとい)。
江戸っ子の人情噺。

今回の二作品。ともに志らくワールドの代表作と言ってもいいかな。
地方でも、絶対手を抜かない。その姿勢に感動でした。

「一分間で大切なことを伝える技術」(斉藤孝著 PHP新書 2009年1月30日刊)を読んだ。

どうやら私は、時間で区切られるテーマにほどほど弱そうだ。
「一分間」という時間感覚をどう捉えるか、そこに興味があった。

 ‥ストップウォッチをもって仕事をしなさい!

いまやスピードの時代。15分刻みで仕事の時間を区切り、終わりのチャイムをストップウォッチのチリチリという音で区切っていく‥‥。また、会議などでは、長々と一人で話を独占するのではなく、端的に話しを伝える技術を体得し、活かす。これが本著の全て、でした。斉藤先生の、「質問力」「段取り力」などの一連の「力」シリーズのエキスを「時間」で切って整理した本といえばいいでしょうか?

そして気づきは、新書一ページがほぼ一分で読めるようになっていること。これは段落なしでびっちり入って560字くらい。段落や行あけがあると400字程度。声に出して読めば、NHKのアナウンサーの読むスピードは一分間に400字が基本。(最近はも少し早くなっているようではありますが‥)

本著はあとがきまで入れて209頁。約3時間かかるというわけだ。

一分間400字の中に序破急、あるいは起承転結(これは結論から先が正解)、「川のフォーマット」と呼ばれる飛び石のイメージで三段論法を構成して話す‥などが重要となります。

そして、恐らく、このブログも最低1分間で読める範囲にとどめておくことが、どうやら続きするコツのようでもあります。一日、一回、400字。


ちなみに、ここまでの単語文字数は560字でした。
これでやめるのが1分間の限界なのですね。でも、こんな話、通じたのでしょうか?