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考える道具を考える

The instrument which I think

とある地方都市に仕事で出掛けた。

その街にブックオフが最近できた。

私が向かうオフィスの途中にできたそのブックオフに、何気なく入った。

ゴールデンウィークの大出血サービスとあった。
DVDが100円から500円で放出されている。
どこのブックオフでもやっているのかもしれない。

ふと目に留まったのが、トム・クルーズ主演の「宇宙戦争」だった。
これが100円?

直ぐに購入したが、マックのプレミアム珈琲より20円も安い値段でDVDが手に入った。

昔は、書店の店頭の通称「ザル」に入れられる書籍は人気がない作品として扱われた。いわゆる投売りだ!置いておくより捨ててしまったほうがいいと烙印を押されたようなものだが、今はどうなんでしょう?

映画宇宙戦争は、当然、劇場で観て、テレビで放映されたものも見て(ついこのあいだだったようですが‥)、そして、今、100円でDVDを手にいれた。
それほどの名作か? とも思うのですが、今や、映像作品は、どんな方法でも視聴できる時代になったのだな‥と、不思議な感慨に耽ってしまったのでした。

次は、100円で何を手にしようかな?

あなたは本を読む時、どんな問題意識で読みますか?

ある人からこんな質問を受けました。

瞬間的に頭に浮かんだ言葉が、

  ‥著者の洞察力と著書の情報力

これは、アメリカのコンサルタントジョセフ・ミケーリが纏めた「ザ・リッツ・カールトン」という著書の扉にかかれた箴言にあった言葉でした。

その本が良い本かどうかは、読者である自分が決めればいいことですね。一冊の書物の中に、一つの感動があれば良いと思う人もいれば、論文作成のための重要な手掛かりを求める人もいるでしょう。文学作品であれば、その物語性の中に自己の感情を移入して共感する人もいれば、歴史書から過去の人間の生き様を追体験し、自分の現在と未来に思いをはせる人もいるでしょう。

まぁ、ある意味、どうやって読んでもいいわけですが、私の場合は、この「洞察と情報」という評価軸に強く共感したのですね。

著者の分析の視点、客観性、ケースの豊かさなどは情報に属するわけですが、この情報の質、情報選択の視点には興味が沸きます。同様に、情報の見方、考え方が洞察力に結びつくわけでしょうから、その事実をどのように見ているかは重要な評価の視点だと考えています。

みなさんは、どんな風に本を読んでいますか?


NHKの番組とからんだ特集でしたね。
ライバル対決。

週刊少年サンデーと週刊少年マガジンの創刊時の頃を中心としたライバル同士の戦いの模様をドラマと絡んで仕立て上げた番組。現代の漫画文化の基礎を作った時代の編集者と漫画家とのある意味闘いみたいなものが描かれていて興味深いものでした。

そしてこの闘いは、小学館と講談社という二大出版社の戦いでもあったわけですね。

創刊号の値段がサンデー30円、マガジン40円。最初の印刷部数は、30万部対約20万部。サンデーがいつも一歩リードして時代は展開していく。長嶋と朝潮が表紙を飾った創刊号のイメージは、私達団塊の世代の記憶にはいつまでも残っていますね。

ちなみに2008年12月日本雑誌協会がまとめた発行部数調査によると、

  1位 週刊少年ジャンプ 280万部
  2位 週刊少年マガジン 170万部
  3位 週刊少年サンデー  80万部

いずれも週刊で発行している少年誌のジャンルの部数です。(参考までに月刊少年マガジンが90万部、コロコロコミックが89万部、大人向けではヤングジャンプが90万部、ヤングマガジンが88万部、小学館のビックコミックオリジナルが81万部といったところ、ちなみに少女向けコミックでは小学館のちゃおが80万部とダントツです)

後発の集英社が発行する週刊少年ジャンプが一時期400万部以上発行していた時代もありましたね。

さて、ライバル対決という視点でみれば、明暗くっきりですが、毎週500万部以上の週刊漫画雑誌が発行されていること自体驚異的なことですね。(NHKの番組ではライバルとして凌ぎを削ったという印象の少ない創り方でしたが‥)

かつては文学青年という言葉が漫画青年に変わり、今はアニメ青年なのでしょうか?
漫画は、文学と映像を繋ぐ創造力溢れる分野を築いていることは確かです。アニメのリアリティ溢れる世界観と言葉による文学の想像力の刺激との中間にいて、読者一人ひとりのイマジネーションを圧倒的に刺激する芸術世界として確立したことは確かなのでしょう。

それにしても、たかだか50年。番組のシーンの中にあった「50周年は100年に向けての第一歩」というキャッチフレーズに共感しました。

三菱地所で活躍した中村さんがゲストでした。
都市開発の中枢にいて現在は地域からの要請に応えている代表的な都市デザイナーでもある。

栃木県佐野市。
お正月になると聞こえてくる佐野厄除大師のある街。
佐野ラーメンも少し有名。
そして今回のテーマである佐野アウトレットプレミアムの存在。

アウトレットの世界は確実に変化している。
一時期の時代遅れものを安くという感覚は次第に変化し、確かに先端のものではないものの、十分に現在価値を保っているファッションものが軒を連ねて販売されている。

ショッピングと飲食と遊びが混在したある意味「街」をアウトレットは形成している。
それまで何もなかった平原のような土地に、突然登場するショッピングの街。
アウトレットビジネスは、地域の観光客を数倍に押し上げ、税収を増加させ、地域の雇用を創り、地域の商店街を相乗的に活性化させる。佐野の実例である。

しかし、この番組を観ていて、村上龍さんが持っていた疑問と同じものを感じた。

  ‥この手法は、一時代前のものではないのか?
   地域は地域の人の手によって成し遂げるべきではないのか?

地域にとって都市開発という黒船の影響力は大きい。
昨夜も、遠方から40キロの大渋滞の中を帰京してきた実感から、高速道路を1000円に値引きするという一つの施策がこれだけ大勢人の移動を促進しているのを見て、佐野の成功は日本国民の一定のニーズを満たし、地域を活性化させているのも事実だ。

しかし、しかしなのである。
これが、21世紀の地域活性化ビジネスのモデルなのだろうか?
突然、田んぼの真ん中に出現する「幻想の街」が、地域に何をもたらすのだろうか?
地域に住んでいる人々は、アウトレットに毎日かようのだろうか? 

何かが違うようであり、また、違わないようでもあり‥‥。


考える道具を考える-リッツ
お客様満足世界一のホテルカンパニー。
ザ・リッツ・カールトンの歴史と経営哲学を、アメリカのコンサルタントジョセフ・ミケーリが纏めた珠玉の一冊。

「クレド」と呼ばれるリッツの指針を端的に纏めたポケットサイズの小さな折り畳みのカードがある。金色の固めの用紙にリッツのお客様に対する心が書かれている。

本著は、現代のホスピタリティ企業の中でも、ひときわ優れたお客様体験を提供し続けるリッツの歴史、リーダーシップの哲学などについて、様々な関係者のヒアリングによる証言に基づいて整理している。とても分りやすい企業研究書でもある。

何よりもこの企業は、裏方さんを含めて全ての従業員を「紳士淑女」と呼ぶ。紳士淑女がゲストとして宿泊したり、レストランを利用したりするのに、その対応する側の人間が紳士淑女であることが最も大切であるという哲学だ。

「紳士淑女をお招きする紳士淑女」

そのための人材育成の視点、方法、そして企業文化が、決して創業以来順風満帆とはいえない同社の、事業の継続性を担保しているのだと感じさせてくれるレポートである。

顧客満足度を高めること、従業員満足度を高めることが、結局は企業の利益を創造するというメカニズムを理解せずにはいられないと漢字させる一冊でもあった。

私が、特に記憶に留めたい本著の言葉は以下の二つだ。


‥偉大なリーダーは時間をかけて人の意見を聞く。繰り返し質問し、話しを聞き、行動する。

‥熱心な顧客は、信頼し、尊敬している企業が新たに提案する商品やサービスを経験したいと思う。

一度、六本木のミッドタウンにあるリッツ東京に行ってみてはいかがでしょうか?