ホテルの部屋を出る直前、彼がくるりと振り返って私にキスしようとした。2人ともマスクをしていたので、マスク越しに軽くキスをした。

「今ならではのキスですね。」と言って、目線を合わせて微笑みあった。

 

ーーー

ホテルの玄関から出る。

前はかなり警戒していて別々に出たり、数メートル離れて歩いていたのだが、出る時だけ数歩ぶん離れていたものの、すぐに隣に並んだ。

「一緒にランチしたかったんだけど。。」

「そうですね、また別の機会に。次は本当のお茶をしましょう?」

彼は笑顔で頷いた。


駅までの道を、共通の知人がやっている会社や官僚のニュースの話題など楽しく会話しながら歩いた。


私は、普段と違う路線で次の予定の場所に向かうつもりだったので、JRの駅で止まった。


「私はこっちなので」

やや素っ気ない話し方だったかもしれない。


気のせいか、彼は少し驚いた表情と名残惜しそうな表情を見せ、

「僕はこの地下鉄で行きます」と言った。

その地下鉄は、私が使う路線で、今日ここに来る時も私はそれで来たのだ。

(もしかして地下鉄で一緒に行こうとしてたの


彼は、何か言いたさそうな、話し足りないような雰囲気を醸し出していたが、私は次の予定の時間が気になっていたので、「じゃ」と言って会釈をして改札に向かった。

 

(なんだろう、情が湧いてしまうような態度を取らないでほしい。それとも、計算づくでそう感じさせるよう狙って振る舞っているのかな)

(前はベッドの上でも別れ際の会話も、もう少しクールで割り切っていたのに…)


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セックスのあと、2人してまどろんで、
ベッドに並んで寝たままでひとしきり話をした。

少し休憩したあとシャワーを浴び、身支度をした。

ホテルを出る準備をしていると、

彼が突然「次は何駅に行くの?」と聞いてきた。

駅名を伝えると、

「そこは何の用事で行くんだっけ?」と聞いてきた。


彼とはずっと、お互い干渉し合わないスタイルを貫いてきていて、そのスタイルに私も慣れていたので、

彼に次の行き先を気にされたことは

意外でもあり嬉しくもあった。

 

部屋を出る直前、私は彼に言った。


「なんか、人類の長い歴史と、自分の数十年の人生を考えちゃった。…この年齢の時に、今の特殊な時期に当たるとは思いませんでした。」


「ん?」と不思議そうな顔をする彼。


「まだ体力があって動けて、ある程度自由な生活をするのに困らない年齢の時に、こういう感染症が広がってしまって社会が自粛していて、でも、そんな中でも私達がこうやって遭っているってことです。」


いささか思わせぶりで、まわりくどい表現になってしまった。


彼は曖昧に微笑んだ。


彼に意味が伝わったかどうかは分からない。


“コロナ禍でわたしたちは頻繁に会ってセックスしているね”、という事を、ただ言いたかっただけだ。


『コロナ禍なのに』『コロナ禍のおかげで』『コロナ禍のせいで』、どれも当てはまるし、どれも1つだけでは言い表しきれない。


そして、こういう時期に、私たちが2人とも、まだセックスができる年齢でありセックスができる肉体を持っていて幸いだったとしみじみ込み上げてきたから、

いま言わなきゃと思って発した言葉でもあった。


性的な快感ということだけではなく、

理屈抜きにひとつになりたいと思った相手と

一体感を味わえるから。


私は彼に説明しなかった。


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「…ギュッとして?体重かけて…」

そう言って私は彼に体重をかけるよう促した。

全体重はかけてこないが、放出した直後の男の体重を感じると満たされる気になるのだ。


「…気持ちよかった…」と私から言った。

放心状態だった彼も、「良かったよ」と言った。


しばし抱き合ったあとで、彼がズルっと抜いた。

直視してはいないが、抜くと同時にタラッと、

彼が放った液体の一部も私からこぼれたことが、

下半身の肌の感覚で分かった。


あまりに汗をかいていたのと、

激しい行為後の脱力感を感じていたので、

私は彼に抱きつくことをせず掛け布団を顔までかけて仰向けで惚けていた。彼は、掛け布団をかけずに仰向けで惚けていた。息が整うまでの数分間、2人ともそのまま無言で休んでいた。


精神的にも肉体的にも強烈な快楽と満足感だった。


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