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身近なプロジェクトマネジメント例 (2)

こんばんは。さくっとちゃっかりチャックのエージです。

遅くなってしまったので、いきなり本題です。


テーマは、身近なプロジェクトマネジメント(PM)ということですが、これまで関連の勉強をしたことがなく、この前の勉強会で初めて概念的なさわりの講義を受けました。

さて、PM的なことと言えば、社内で疾患の治療薬に関する勉強会を立ち上げ運営しています。薬の効果を測定、予測する検査が増えており、診断分野においても治療薬に関する知識が求められていることが動機です。

まず目的です。勉強会なので各参加者が学習して知識を得ることが目的ですが(当時は目的と目標を明確に分けてはいませんでした)、ちょっと漠然としています。知識を得ると言っても効果測定が困難です。PMの講義でもプロジェクトの目標設定の「SMART」の基準のうち(昨日のブログ参照)、「M=Measurable:測定可能なこと」というのがありました。しかし、学生みたいに試験をするわけにもいかないですしね。そこで、学習した知識を元にしたデータベースの作成と設定しました。さらにあわよくば、新規診断項目の開発企画の提案も。。。

まず、期間は2年間で疾患の知識、薬のターゲットと診断マーカー、測定方法と3つのパートに分けてスタートしました。。

参加メンバーを設定し、交代で発表を行う講義形式にしました。ここで講師(メンバー)の選択が重要になります。きちんとやってくれる人を選ばなくてはなりません。とはいえ、長い期間にわたり、通常に業務に加えて発表準備をしなくてはならず、結構な負担です。

そこで、メンバーの上司に掛け合い、勉強会での活動を業務評価としてもらうことを了承していただきました。メンバーのモチベーションの維持もPMの重要な要素の一つだと思います。


こうして部内勉強会を昨年の10月から行っており、5名のメンバーを含む10名以上(これでも部の半数以上なのです)の参加者があり、概ね好評です。。


ところが最近、欲が出てきた上司から、勉強会で得た知識を生かした新規診断項目の提案を強く求められています。企画提案は目標の一つであったのですが、目的になりつつあり、方向性の再検討が必要になりました。

すなわち、プロジェクト開始時はSMARTの「A=Agreed-upon:合意されていること」がきちんとなされていたのですが、ステークホルダーからクレームが入り、「Disagreed」になってしまったわけです。

まあ、プロジェクトの変更はよくあることで、現在は修正を加えて継続しています。


もりぞーさんのように勉強会をうまくマネジメントできるように日々努力しています

身近なプロジェクトマネジメント例 (1)

本日はからブログを再開します。

今週5/11~15のテーマは、

「身近なプロジェクトマネジメント例」です。

===

(もりぞー)

昨夜、はじめて自ら栽培し収穫した小松菜を辛子の和え物にして食べました。

やっぱり自分でつくったものは美味しかったです。

ピーマンとキュウリも栽培予定なのですが、こちらはなかなか苗がしっかりとしません。

苗を持ち帰り、プランターに入れて、土や水の量を変えたりと、試行錯誤中。

細菌、真菌、動物細胞の培養には経験もあって自信もあるのですが、植物に至っては経験ゼロ。

本格的に実験ノートをつけようかなー、と悩み中です。

* * *

テーマについて、前職の経験を語ろうかと思いましたが、やめました。

農園PJでもよかったのですが、わたしが挙げるプロジェクトは、「2歳児のトイレトレーニング」にしました!

いやー、困難なプロジェクトでしたよ、ほんと。

さて、前回の勉強会のなんちゃってSEさんの講演内容から、プロジェクトというためには、
(1)始まりと終わりがある
(2)測定可能な目標がある
(3)特定の解決策が必要
(4)早急に対応する必要がある
(5)調整の必要がある
という要件を満たさなければならないとのことです。

本件は、
(1)は、オムツからパンツに完全移行するまで
(2)は、お漏らしをしない
(3)は、2歳児はそう簡単にオムツを止めたがらない
(4)は、夏にプールで遊びたい
(5)は、妻との役割分担がある
ということなので、プロジェクトの要件を満たすと思います(強引?!)。

スポンサー、クライアント、メンバー、ステークホルダーは・・・まあ、飛ばしましょう。

このプロジェクトの目標は、
「2歳児の長女が、夏にプールに入るために、お漏らしをしないよう、トイレにいきたくなったら両親に伝えることを、1日を通して実行する」
というものです。

SMARTで評価すると、オムツから卒業するという点でSpecificはクリア、夏にプールに入るという目的(ゴール)に向かって合意しているという点でAgreedはクリア、1日中お漏らしをしないという点でMeasurableとTime conservedはクリア、Ralisticはオムツを卒業しない子はほとんどいないということで常識的にクリアでしょう。

プロジェクトに必要な作業を分解すると、(1)長女のトイレについていく、(2)パンツとズボンを洗濯する、(3)トイレに行くための動機付けをする、(4)トイレに行くことを忘れさせない、ことですね。

必要な資源は、人(わたしか妻)、お菓子(アメ、ラムネなど)、DVD(トトロ、しまじろうなど)。

スケジュールは、5/2にパンツをはき始め、5/3に自主的にトイレに行くことを促し、5/4に出先でトイレに行けるようになり、5/5と5/6で夜を含めてお漏らし(小の方)を0にする。5/7~10で大もクリアする。予算は3千円程度。リスクは、布団やチャイルドシート、外出先の建物内でのお漏らしとしました。必要と思われるコミュニケーションは、長女のストレスをいかに減らすかと、妻を励ますことですね。

プロジェクトの結果はというと、スケジュールはほぼ完遂。えらいぞ、わが娘!

予算は、パンツとズボンの買い足しで、5千円ほどかかりオーバー。でも、買い足す必要はなかったかもしれません。反省。コミュニケーションは、長男をおざなりにしてでも長女に集中したので、本人的には注目を浴びれてよかったのではないかと。妻もオムツを卒業できて感動してましたし。

ということで、2歳児のトイレトレーニングは、無事に終了しました。

今週末に旅行に行くので、そこのホテルで娘に初プールを体験させてあげようかなと思います。

G.W.中のブログの休止

ゴールデンウィーク中(4/27~5/10)はブログを休止します。

5/11に新しいテーマで再開しますので、しばらくお待ち下さい。

コンサルティング・ツール(4)

こんばんは。がーすーです。

最近はもりぞーさんと同じく農業が気になり、思い立ってボランティアで農業をしています。
建設残土で埋め立てられた土地を畑にするのをお手伝いしているのですが、それこそまさにゼロからの開墾。
最初の一歩を踏み出しては失敗するばかりですが、課題解決していくのは(体力的に厳しいながらも)面白いです。

今回のテーマ:コンルティングツールです。

特に技術コンサルタントだからこそ使うと効率的なコンサルティングツールとして、「技術」にクローズアップした以下の3つのツールを厳選してみました。

(1)チェックリスト
いわゆるQC7つ道具の中の1つです。
必ずやるべきことをリスト化し、実行したことを100%確認するために用います。
なぜ技術コンサルタントだからこそ必要なのかですが、「技術は経営よりも因果関係が分かりやすい」という特徴と、経営よりも「一つのミスがプラス要素の減少どころか、回復不能なマイナス要素にまで繋がる可能性が高い」ためです。
つまりチェック忘れや、現場のサボタージュがあると技術系はまずいわけです。
例えば、ある原発でチェックをサボっていることが判明しただけで日本の原発の国際的な評価が最低レベルまで落ちたり、ちょっとした火の不始末でプラントが全焼する例がまずい例として挙げられます。
チェルノブイリ事故を考えればマイナス要素と簡単に言えるレベルを超えています。
一方、経営ではどうかですが、印象に残っている堀江さん(ホリエモンさん)の言葉を引用して回答としておきます。
「失敗してもゼロになるだけでマイナスにはならない」
その通りと思います。
技術コンサルタントとして用いるツールの中では優先順位は高いのではないかと思っています。

(2)ドリームリスト
次に、技術コンサルタントだからこそ必要なツールとして、ドリームリストを挙げておきます。
胡散臭さを込めて、よく夢リストとも言われますね。
これは馴染みが薄いツールかと思いますが、簡単に言えば実現可能性を度外視しした目標を考えられる限り多くリストアップするというものです。
コンサルティングツールとしては1000個も挙げる必要はなく、せいぜい30個も挙げれば十分です。
夢リストと言うと、実現性の薄い目標を並べたものになってしまうので言葉には注意ですね。
dreem(実現できることがよくある大目標、例:アメリカンドリームなどプラスイメージ)を夢(基本的な到達しえない目標、例:儚いという漢字などマイナスイメージ)と混同しないことが重要です。
今度は比較を分かりやすくするために、会計と技術を比べてみます。
まず、会計コンサルではクライアントのドリームは明確です。
例えば、財務諸表の中の特定の欄の数字を大きくすることや、どこまでが法に触れない決済か知ることや、最も効率のよい運用法など、様々な中程度の目先の目標があるとは言え、究極的な目標であるドリームは資産かキャッシュフローを増やすことに集約するためです。
そのため、クライアントが仮にドリームを分からずに相談しに来られた場合も、コンサルタントはとりあえず悪い方向に行かないアドバイスができます。
一方、技術コンサルの場合、クライアントのドリームが明確ではないことが、会計コンサルよりも多いかと考えられます。
例えば、論文や特許を通すことや、どのようにすれば認可が取れるか知ることや、最も生産効率を上げることなど、様々な目先の問題を解決することなど、様々な中程度な目標を持っていても、究極的な目標であるドリームは会計の問題と比べればある程度バラつくことが感覚的に分かるかと思います。
この例でも、論文を通した名誉が欲しいのか、前例がない認可が欲しいのか、環境負荷を増やしてまで生産効率を上げるという手段を提案してよいのか、それともクライアント企業が経済的に成長したいのか、正直わかりかねるかと思います。

そのため、この3つの依頼例の究極目標が果たしてどこに行き着くべきか、技術コンサルタントはクライアントの代わりに考える必要性が出てくることとなります。
そこで用いる効果的に用いることが出来るのがドリームリストです。
クライアントにドリームを挙げていただき、選択していただくわけです。

この会計コンサルには無かったステップを踏んだ上で、初めて具体的なコンサル業務を行うことで、ようやく技術コンサルタントは、これならクライアントにとって正しい方向へ進むだろうというアドバイスができます。
生産効率を上げることを相談されてアドバイスしたら、「確かに生産効率は上がったが公害が発生しました。我が社のイメージが非常に傷ついて損害発生です。どうしてくれるんです?」などと言われては、たまらないですからね。

ちなみに経営を考えると、堀江さんが捕まったときに、備品として百科事典を持ち込んだ事実を鑑みれば、明らかに必要なツールそうです。
経営の場合は、社会の変革目標という感じになるかと思いますが、私は専門外なのでよくわかりません。

(3)3C分析
最後に、3C分析を挙げておきます。
今更説明する必要もないかと思いますが、自社、競合、顧客(消費者)の3つの観点から市場などを分析をするツールですね。
一般的にはマーケティングや経営分野で使用されることが多いツールですが、技術コンサルタントにとっても非常に効果的なツールです。
何に使うかというと、研究方向、開発方向、特許取得方向を定めるときに必須です。
これも会計や経営と比べると、技術は他社の真似をしてはいけないときが多いという特徴によって必要となるものです。
具体的には、知的財産権です。
技術では、競合の真似をすると特許法や不正競争防止法に触れます。
経営では、競合の真似をしても基本的には大丈夫です(細かく言えば、ビジネスモデル特許は成立可能性が低く、商標権は買い取り交渉で解決できます)。
会計では、人為的な取り決めである簿記ルールが特許権等の対象になることは原則ありえなく、競合の真似をしなければ逆に会計操作として法に触れます。

このようなことを考えると、技術コンサルには、競合他社の知的財産権を侵害する方向に進むことをアドバイスできないという制約が、会計・経営コンサルと比べて多目に付きまとうわけです(補足すると、経営コンサルはクライアントに対し、競合と真正面からぶつかるようアドバイスすることは少ないかとお思いかもしれませんが、クライアントの方が体力があるならば競合と真正面からぶつかって戦うアドバイスは決して非常識ではありません)。

そのため、技術コンサルタントは、消費者(顧客)の要望をよく理解した上で、コンサル先であるクライアント(自社)にアドバイスする方向を、クライアントのライバル会社(競合)の進む方向を予測したうえで決めることが必須です。
この場面で役立つのが、3C分析となるわけです。
優れたツールはマーケティング以外でも使わないともったいないですね。


終わりに・・・
今回3つのコンサルティング・ツールを挙げましたが、1つずつ使う必要はありません。
もちろん1つずつでも非常に技術コンサルタントにとって優れたツールなので、使い方をマスターした方がよいです。
しかしながら、数多のコンサルティング・ツールの中からこの3つに絞って今回挙げさせていただいた理由は、実は、この3つを併用したときに相乗効果を生むものと個人的に考えているからです。
日々の弁理士業務では、この3C分析とドリームリストとチェックリストを同時に組み合わせた感じのツールを用いて発明相談に臨んでいますので、興味がある方はどのようなツールになるか想像してみてはいかがでしょうか。

コンサルティング・ツールは、相乗効果のあるものどうし掛け合わせて用いる。
コンサル入門本には当たり前のようにこのように書いてありますが、実際に意識して組み合わせて使ってみると効率が飛躍的に跳ね上がるのを実感できるかと思います。


では、今日はこの辺までで終わりにします。

がーすー

コンサルティング・ツール(3)

こんにちわ。タコスです。

みなさんお忙しいようで大変恐縮です。
真昼間からBlogを書けるなんて学生の特権かもしれません。


今回はコンサルティング・ツールについてです。
一般的によく知られている企業戦略や生産管理等についてのツールは
ほとんど使ったことがなく、知識ベースの話になってしまいますので
今回は自分が使っているツールをハード・ソフトの両方から少しだけ
書きたいと思います。僕の場合は仕事上のコンサルティングに使用
するというよりは勉強や研究に使用するツールといったほうが適切
かと思います。コンサルティング・ツールの目的とすこしずれて
しまったらすいません。


①ICレコーダー
常に持ち歩いているものの一つです。用途は、
・なんかアイデアがひらめいたら自分の声を録音する
・先生とのディスカッション時や講演会などで録音する
・FebeやPodcast等で音声データをDLして聞く
・英語の教材を2倍速で聞く


②SECIプロセスによるナレッジ・マネジメント
S:共同化(暗黙知から暗黙知)
E:表出化(暗黙知から形式知)
C:連結化(形式知から形式知)
I:内面化(形式知から暗黙知)
大学での研究室では人数がたくさんいるため、コンセンサスや知識の共有
を図るためにSECIプロセスを心がけていました。
また尊敬する人頭のいい人の話を聞いたり、その人と話したりする
たびに、その人の思考回路や思想方法をなるべく表出化できるように
注意しています。



③Google
情報収集です。当然みなさん使っていると思いますが、私がよく使用
するGoogle検索を少しだけ書きます。
・Googleブック検索:これは高価な本の一部分だけさらっと読みたいときに使います。
・Google Patent:検索数が多く、かつ素早く使えるのでIPDL等を使う必要がないときに
          使います。
・Google Scholar:PubMedは検索が使いづらく、しかも遅いので論文はほとんどこれで
          検索しています。
・Googleブログ検索:暇なときに使ってます。
あまり使いこなせてないとは思いますが、Googleだけでもこれだけあるので、他に使っている
サーチエンジンを合わせると大変な数になります。情報リテラシーのうち、検索・調査能力
というものがコンサルティングを行う上でも必須となっているきがします。