コンサルティング・ツール(4)
こんばんは。がーすーです。
最近はもりぞーさんと同じく農業が気になり、思い立ってボランティアで農業をしています。
建設残土で埋め立てられた土地を畑にするのをお手伝いしているのですが、それこそまさにゼロからの開墾。
最初の一歩を踏み出しては失敗するばかりですが、課題解決していくのは(体力的に厳しいながらも)面白いです。
今回のテーマ:コンルティングツールです。
特に技術コンサルタントだからこそ使うと効率的なコンサルティングツールとして、「技術」にクローズアップした以下の3つのツールを厳選してみました。
(1)チェックリスト
いわゆるQC7つ道具の中の1つです。
必ずやるべきことをリスト化し、実行したことを100%確認するために用います。
なぜ技術コンサルタントだからこそ必要なのかですが、「技術は経営よりも因果関係が分かりやすい」という特徴と、経営よりも「一つのミスがプラス要素の減少どころか、回復不能なマイナス要素にまで繋がる可能性が高い」ためです。
つまりチェック忘れや、現場のサボタージュがあると技術系はまずいわけです。
例えば、ある原発でチェックをサボっていることが判明しただけで日本の原発の国際的な評価が最低レベルまで落ちたり、ちょっとした火の不始末でプラントが全焼する例がまずい例として挙げられます。
チェルノブイリ事故を考えればマイナス要素と簡単に言えるレベルを超えています。
一方、経営ではどうかですが、印象に残っている堀江さん(ホリエモンさん)の言葉を引用して回答としておきます。
「失敗してもゼロになるだけでマイナスにはならない」
その通りと思います。
技術コンサルタントとして用いるツールの中では優先順位は高いのではないかと思っています。
(2)ドリームリスト
次に、技術コンサルタントだからこそ必要なツールとして、ドリームリストを挙げておきます。
胡散臭さを込めて、よく夢リストとも言われますね。
これは馴染みが薄いツールかと思いますが、簡単に言えば実現可能性を度外視しした目標を考えられる限り多くリストアップするというものです。
コンサルティングツールとしては1000個も挙げる必要はなく、せいぜい30個も挙げれば十分です。
夢リストと言うと、実現性の薄い目標を並べたものになってしまうので言葉には注意ですね。
dreem(実現できることがよくある大目標、例:アメリカンドリームなどプラスイメージ)を夢(基本的な到達しえない目標、例:儚いという漢字などマイナスイメージ)と混同しないことが重要です。
今度は比較を分かりやすくするために、会計と技術を比べてみます。
まず、会計コンサルではクライアントのドリームは明確です。
例えば、財務諸表の中の特定の欄の数字を大きくすることや、どこまでが法に触れない決済か知ることや、最も効率のよい運用法など、様々な中程度の目先の目標があるとは言え、究極的な目標であるドリームは資産かキャッシュフローを増やすことに集約するためです。
そのため、クライアントが仮にドリームを分からずに相談しに来られた場合も、コンサルタントはとりあえず悪い方向に行かないアドバイスができます。
一方、技術コンサルの場合、クライアントのドリームが明確ではないことが、会計コンサルよりも多いかと考えられます。
例えば、論文や特許を通すことや、どのようにすれば認可が取れるか知ることや、最も生産効率を上げることなど、様々な目先の問題を解決することなど、様々な中程度な目標を持っていても、究極的な目標であるドリームは会計の問題と比べればある程度バラつくことが感覚的に分かるかと思います。
この例でも、論文を通した名誉が欲しいのか、前例がない認可が欲しいのか、環境負荷を増やしてまで生産効率を上げるという手段を提案してよいのか、それともクライアント企業が経済的に成長したいのか、正直わかりかねるかと思います。
そのため、この3つの依頼例の究極目標が果たしてどこに行き着くべきか、技術コンサルタントはクライアントの代わりに考える必要性が出てくることとなります。
そこで用いる効果的に用いることが出来るのがドリームリストです。
クライアントにドリームを挙げていただき、選択していただくわけです。
この会計コンサルには無かったステップを踏んだ上で、初めて具体的なコンサル業務を行うことで、ようやく技術コンサルタントは、これならクライアントにとって正しい方向へ進むだろうというアドバイスができます。
生産効率を上げることを相談されてアドバイスしたら、「確かに生産効率は上がったが公害が発生しました。我が社のイメージが非常に傷ついて損害発生です。どうしてくれるんです?」などと言われては、たまらないですからね。
ちなみに経営を考えると、堀江さんが捕まったときに、備品として百科事典を持ち込んだ事実を鑑みれば、明らかに必要なツールそうです。
経営の場合は、社会の変革目標という感じになるかと思いますが、私は専門外なのでよくわかりません。
(3)3C分析
最後に、3C分析を挙げておきます。
今更説明する必要もないかと思いますが、自社、競合、顧客(消費者)の3つの観点から市場などを分析をするツールですね。
一般的にはマーケティングや経営分野で使用されることが多いツールですが、技術コンサルタントにとっても非常に効果的なツールです。
何に使うかというと、研究方向、開発方向、特許取得方向を定めるときに必須です。
これも会計や経営と比べると、技術は他社の真似をしてはいけないときが多いという特徴によって必要となるものです。
具体的には、知的財産権です。
技術では、競合の真似をすると特許法や不正競争防止法に触れます。
経営では、競合の真似をしても基本的には大丈夫です(細かく言えば、ビジネスモデル特許は成立可能性が低く、商標権は買い取り交渉で解決できます)。
会計では、人為的な取り決めである簿記ルールが特許権等の対象になることは原則ありえなく、競合の真似をしなければ逆に会計操作として法に触れます。
このようなことを考えると、技術コンサルには、競合他社の知的財産権を侵害する方向に進むことをアドバイスできないという制約が、会計・経営コンサルと比べて多目に付きまとうわけです(補足すると、経営コンサルはクライアントに対し、競合と真正面からぶつかるようアドバイスすることは少ないかとお思いかもしれませんが、クライアントの方が体力があるならば競合と真正面からぶつかって戦うアドバイスは決して非常識ではありません)。
そのため、技術コンサルタントは、消費者(顧客)の要望をよく理解した上で、コンサル先であるクライアント(自社)にアドバイスする方向を、クライアントのライバル会社(競合)の進む方向を予測したうえで決めることが必須です。
この場面で役立つのが、3C分析となるわけです。
優れたツールはマーケティング以外でも使わないともったいないですね。
終わりに・・・
今回3つのコンサルティング・ツールを挙げましたが、1つずつ使う必要はありません。
もちろん1つずつでも非常に技術コンサルタントにとって優れたツールなので、使い方をマスターした方がよいです。
しかしながら、数多のコンサルティング・ツールの中からこの3つに絞って今回挙げさせていただいた理由は、実は、この3つを併用したときに相乗効果を生むものと個人的に考えているからです。
日々の弁理士業務では、この3C分析とドリームリストとチェックリストを同時に組み合わせた感じのツールを用いて発明相談に臨んでいますので、興味がある方はどのようなツールになるか想像してみてはいかがでしょうか。
コンサルティング・ツールは、相乗効果のあるものどうし掛け合わせて用いる。
コンサル入門本には当たり前のようにこのように書いてありますが、実際に意識して組み合わせて使ってみると効率が飛躍的に跳ね上がるのを実感できるかと思います。
では、今日はこの辺までで終わりにします。
がーすー
最近はもりぞーさんと同じく農業が気になり、思い立ってボランティアで農業をしています。
建設残土で埋め立てられた土地を畑にするのをお手伝いしているのですが、それこそまさにゼロからの開墾。
最初の一歩を踏み出しては失敗するばかりですが、課題解決していくのは(体力的に厳しいながらも)面白いです。
今回のテーマ:コンルティングツールです。
特に技術コンサルタントだからこそ使うと効率的なコンサルティングツールとして、「技術」にクローズアップした以下の3つのツールを厳選してみました。
(1)チェックリスト
いわゆるQC7つ道具の中の1つです。
必ずやるべきことをリスト化し、実行したことを100%確認するために用います。
なぜ技術コンサルタントだからこそ必要なのかですが、「技術は経営よりも因果関係が分かりやすい」という特徴と、経営よりも「一つのミスがプラス要素の減少どころか、回復不能なマイナス要素にまで繋がる可能性が高い」ためです。
つまりチェック忘れや、現場のサボタージュがあると技術系はまずいわけです。
例えば、ある原発でチェックをサボっていることが判明しただけで日本の原発の国際的な評価が最低レベルまで落ちたり、ちょっとした火の不始末でプラントが全焼する例がまずい例として挙げられます。
チェルノブイリ事故を考えればマイナス要素と簡単に言えるレベルを超えています。
一方、経営ではどうかですが、印象に残っている堀江さん(ホリエモンさん)の言葉を引用して回答としておきます。
「失敗してもゼロになるだけでマイナスにはならない」
その通りと思います。
技術コンサルタントとして用いるツールの中では優先順位は高いのではないかと思っています。
(2)ドリームリスト
次に、技術コンサルタントだからこそ必要なツールとして、ドリームリストを挙げておきます。
胡散臭さを込めて、よく夢リストとも言われますね。
これは馴染みが薄いツールかと思いますが、簡単に言えば実現可能性を度外視しした目標を考えられる限り多くリストアップするというものです。
コンサルティングツールとしては1000個も挙げる必要はなく、せいぜい30個も挙げれば十分です。
夢リストと言うと、実現性の薄い目標を並べたものになってしまうので言葉には注意ですね。
dreem(実現できることがよくある大目標、例:アメリカンドリームなどプラスイメージ)を夢(基本的な到達しえない目標、例:儚いという漢字などマイナスイメージ)と混同しないことが重要です。
今度は比較を分かりやすくするために、会計と技術を比べてみます。
まず、会計コンサルではクライアントのドリームは明確です。
例えば、財務諸表の中の特定の欄の数字を大きくすることや、どこまでが法に触れない決済か知ることや、最も効率のよい運用法など、様々な中程度の目先の目標があるとは言え、究極的な目標であるドリームは資産かキャッシュフローを増やすことに集約するためです。
そのため、クライアントが仮にドリームを分からずに相談しに来られた場合も、コンサルタントはとりあえず悪い方向に行かないアドバイスができます。
一方、技術コンサルの場合、クライアントのドリームが明確ではないことが、会計コンサルよりも多いかと考えられます。
例えば、論文や特許を通すことや、どのようにすれば認可が取れるか知ることや、最も生産効率を上げることなど、様々な目先の問題を解決することなど、様々な中程度な目標を持っていても、究極的な目標であるドリームは会計の問題と比べればある程度バラつくことが感覚的に分かるかと思います。
この例でも、論文を通した名誉が欲しいのか、前例がない認可が欲しいのか、環境負荷を増やしてまで生産効率を上げるという手段を提案してよいのか、それともクライアント企業が経済的に成長したいのか、正直わかりかねるかと思います。
そのため、この3つの依頼例の究極目標が果たしてどこに行き着くべきか、技術コンサルタントはクライアントの代わりに考える必要性が出てくることとなります。
そこで用いる効果的に用いることが出来るのがドリームリストです。
クライアントにドリームを挙げていただき、選択していただくわけです。
この会計コンサルには無かったステップを踏んだ上で、初めて具体的なコンサル業務を行うことで、ようやく技術コンサルタントは、これならクライアントにとって正しい方向へ進むだろうというアドバイスができます。
生産効率を上げることを相談されてアドバイスしたら、「確かに生産効率は上がったが公害が発生しました。我が社のイメージが非常に傷ついて損害発生です。どうしてくれるんです?」などと言われては、たまらないですからね。
ちなみに経営を考えると、堀江さんが捕まったときに、備品として百科事典を持ち込んだ事実を鑑みれば、明らかに必要なツールそうです。
経営の場合は、社会の変革目標という感じになるかと思いますが、私は専門外なのでよくわかりません。
(3)3C分析
最後に、3C分析を挙げておきます。
今更説明する必要もないかと思いますが、自社、競合、顧客(消費者)の3つの観点から市場などを分析をするツールですね。
一般的にはマーケティングや経営分野で使用されることが多いツールですが、技術コンサルタントにとっても非常に効果的なツールです。
何に使うかというと、研究方向、開発方向、特許取得方向を定めるときに必須です。
これも会計や経営と比べると、技術は他社の真似をしてはいけないときが多いという特徴によって必要となるものです。
具体的には、知的財産権です。
技術では、競合の真似をすると特許法や不正競争防止法に触れます。
経営では、競合の真似をしても基本的には大丈夫です(細かく言えば、ビジネスモデル特許は成立可能性が低く、商標権は買い取り交渉で解決できます)。
会計では、人為的な取り決めである簿記ルールが特許権等の対象になることは原則ありえなく、競合の真似をしなければ逆に会計操作として法に触れます。
このようなことを考えると、技術コンサルには、競合他社の知的財産権を侵害する方向に進むことをアドバイスできないという制約が、会計・経営コンサルと比べて多目に付きまとうわけです(補足すると、経営コンサルはクライアントに対し、競合と真正面からぶつかるようアドバイスすることは少ないかとお思いかもしれませんが、クライアントの方が体力があるならば競合と真正面からぶつかって戦うアドバイスは決して非常識ではありません)。
そのため、技術コンサルタントは、消費者(顧客)の要望をよく理解した上で、コンサル先であるクライアント(自社)にアドバイスする方向を、クライアントのライバル会社(競合)の進む方向を予測したうえで決めることが必須です。
この場面で役立つのが、3C分析となるわけです。
優れたツールはマーケティング以外でも使わないともったいないですね。
終わりに・・・
今回3つのコンサルティング・ツールを挙げましたが、1つずつ使う必要はありません。
もちろん1つずつでも非常に技術コンサルタントにとって優れたツールなので、使い方をマスターした方がよいです。
しかしながら、数多のコンサルティング・ツールの中からこの3つに絞って今回挙げさせていただいた理由は、実は、この3つを併用したときに相乗効果を生むものと個人的に考えているからです。
日々の弁理士業務では、この3C分析とドリームリストとチェックリストを同時に組み合わせた感じのツールを用いて発明相談に臨んでいますので、興味がある方はどのようなツールになるか想像してみてはいかがでしょうか。
コンサルティング・ツールは、相乗効果のあるものどうし掛け合わせて用いる。
コンサル入門本には当たり前のようにこのように書いてありますが、実際に意識して組み合わせて使ってみると効率が飛躍的に跳ね上がるのを実感できるかと思います。
では、今日はこの辺までで終わりにします。
がーすー