
冬季は積雪があり,ランデブーポイントが制限されます.そんな中,常に除雪を行っていただける場所もあります(写真は除雪後のランデブーポイント).
関係者の方々のご協力に感謝申し上げます m(_ _)m

朝から快晴です.当直明けには心地よいまぶしさです.風は冬の冷たさですが (^_^;
本日のドクターヘリ(小林,番匠谷先生,林看護師)
1件目 呼吸不全
朝のカンファレンス中に要請PHSが鳴ります.本日は出動に支障のない天候.「車の中で意識障害.」との情報.ランデブーポイントに近づくにつれ雪景色になっていきます.寒そう・・・そして,初の積雪ポイントへ.空からは本当に真っ白!バスクリンで描いてもらった目印をめがけ安全に着陸完了.地面は凍結しているので安全靴でも慎重なります.
そんな中携帯で情報が.「意識レベルはI桁.酸素飽和度低下.胸痛あり.」 脳血管障害というよりは心呼吸器系が原因かもしれません.程なく救急車到着.車内での初期診療開始.患者さんは少々不穏,チアノーゼあり.12誘導心電図は問題なし.既往などより呼吸器系疾患の増悪,低酸素による意識レベル低下を考えます.生活圏,かかりつけなどを考慮し,直近の救命救急センターへヘリ搬送です.
搬送中の状態変化など,早期医療介入と搬送時間の短縮が非常に有用であった事案です.寒い中,支援いただいた消防の皆様,ありがとうございました.
2件目 小児交通外傷
午後の静寂を破るように一斉PHSが鳴ります.「小児交通外傷.意識障害.」との情報.ヘリは10分少々でランデブーポイントへ.
救急車はすでに到着しています.番匠谷先生,林看護師とともに救急車内へ乗り込み外傷初期診療開始.気道,呼吸,循環は保たれていますが,頭部外傷,大腿骨骨折が疑われます.末梢ルートも確保.この地域,小児多発外傷に対応出来るのはTECCMCのみ.ランデブーポイント滞在時間は10分以内に,医療スタッフ3名は各々が役割を分担し活動します.
そして離陸.呼吸,循環は安定しているのでヘリポートからのdirect trauma CTです.救急覚知から1時間以内に確定診断,根治的治療を開始することが出来ました.
3件目 脳血管障害
夕方に要請です.「突然の左方麻痺.」 脳卒中が疑われ,場合によっては血栓溶解療法の適応になります.搬送時間の短縮が後遺症軽減につながる可能性があります.
ランデブーポイントへ着陸.のどかな風景の中,救急車の到着を待ちます.そして救急車到着.「嘔吐あり.」車内へ入るとすぐに報告があります.診察開始.やはり脳血管障害のようです.内服薬,既往などを聴取.対応可能な直近の病院へのヘリ搬送を決定,快く応需していただきました.
陸送なら20分以上,ヘリなら5分以内に到着です.
いよいよ今年最後の週です.皆様が健康でありますように.

朝起きてまずすることは,天候チェック.ヘリが飛べるかどうか?すると本日は・・・「雪」がうっすらと積もっちゃってるではありませんか!!こりゃヘリ飛べないわ,などと思いつつ車の雪下ろし.路面に雪はなく,病院手前の坂は融雪装置が働いているので通勤に支障はありません.でも早いとこスタッドレスタイヤに履き替えないと・・・
そんな天候でも(天候だから?)救急外来は暇にはなりません.
本日はヘリとカーが1件づつの出動です.
本日のドクターヘリ(小林,岡本先生,濱看護師)
1件目 目撃あり心肺停止
同時要請です.ヘリは離陸しランデブーポイントへ向かいます.しかし,途中から降雪のため行く事が出来ません.ランデブーポイントを変更し着陸,そこから支援車に乗り込み陸路で救急車とドッキング.医療スタッフは救急車内に乗り込み診療を開始.と同時に救急車を走らせます.救急隊がすでに特定行為をしてくれています.後は薬剤を我々が考えるだけ.ヘリを引き返させ,救急車でのTECCMC搬入です.
TECCMCは視界良好,降雪無し.しかし,要請現場は降雪有り.日本海側の冬,ヘリとカーの運用方法を考えさせられる事案でした.
本日のドクターカー(岡本先生,濱看護師)
1件目 急性冠症候群疑い
天候不良にてヘリ離陸不可能.カー運用に切り替えTECCMC搬送経路途中でのドッキングです.
早期医療介入と早期診断につながりました.
本日の写真はヘリポートから見た北側(城崎方面)です.病院周辺は雪無し.でも北の山と街には降雪.冬季運航は日々頭を悩ませます.
病院ヘリポートに給油施設が完了.本日から但馬空港に行かずとも給油が可能となりました.これで運航スタッフのストレスもかなり軽減されます.あとは格納庫の早期完成を心待ちにしております.

本日,豊岡ライオンズクラブ様より冬用ジャケットを寄贈していただきました.大変,ありがたく今後の活動の励みにもなります.スタッフ一同,心より感謝申し上げます.
これからの冬季,地域の方々の暖かさを身にまとい救急医慮に邁進いたします.ありがとうございました.

世間はクリスマスイブ.但馬はホワイトクリスマスになりそうです.ドクターヘリにとっては飛行不能な状態となり,ブルークリスマスです・・・でもこんな状態を補完するのがドクターカー!本日は陸からの活躍です.
本日のドクターヘリ(小林,三浦先生,藤巻看護師)
本日は天候不良にて欠航・・・山陰の冬模様は変化し易く先が読みにくい・・・
本日のドクターカー(三浦先生,藤巻看護師,オブザーバーに小林)
1件目 溺水
病院搬入まで50分程度かかる地域からの要請です.搬送経路の途中でドッキングし救急車に乗り込み治療開始.医療スタッフが乗り込んだ時点で救急車は出発.なので搬送時間のタイムラグは生じず,早期医療介入の効果を発揮させるドクターカーです.
TECCMCまでの搬送時間と状態を考慮し,搬送経路途中の病院へ搬入させていただきました.ありがとうございました.
2件目 墜落
同時要請です.ヘリもカーも同時要請が原則.特にカーは同時要請でなければその効果は発揮できません.
「骨盤骨折の疑い.」との情報です.カー担当の医師は携帯と無線を使って,消防本部,現場救急隊と情報共有します.外傷なのでTECCMC搬送は決定.その搬送途中でのドッキング.ドッキングポイントで救急車を待たせないことが重要です.医療スタッフが乗り込めばすぐに出発.走行しながらの外傷初期診療です.搬送時間が長ければ長いほど,早期医療介入の有用性が発揮されます(小生が以前まとめたデータより).幸い,primary surveyはclearすることが出来ました.
3件目 倒木による外傷(山中事案)
2件目の初療搬入直後に要請です.これも同時要請.ヘリであれば日没を考慮すべき時間帯ですが,カーは関係ありません.場所はヘリなら10分かからない場所.カーだと30分はかかります.幸い豊岡市内に積雪はありません.安全に順調に現場へ向かいます.
「現場は山中.まだ救急隊接触出来ていません.ドッキングポイントの変更を・・・.」 三浦先生と消防本部が適宜やり取りしています.結局,3度のドッキングポイント変更を経てカーは現場に到着しました.気がつけば雪景色.路面も周囲も真っ白!カーは安全な場所に停車します.現着まで45分かかりましたが,患者さんはいまだ救出中.医療スタッフは消防の方の案内で山の麓へ.見上げれば救助隊,救急隊が舟形タンカで患者さんを降ろしています.到底,我々が登れる場所ではありませんし,安全を考えると登りません.麓の安全な場所で救助の完了を待ちます.日没後,医療スタッフが患者さんに接触,外傷初期診療の開始です.医療介入の短縮は計算上61分.救急隊,医療スタッフは救急車に乗り込み,TECCMCへ向かいます.救急車内でレントゲン検査以外のsurveyは終了.やはりこの地域,ヘリだけでなくカーも有効性が発揮されます.
本日の写真は雪化粧の現場と山に入る医療スタッフです.日の光が足らず,少々ピンぼけ.御了承ください.

本日,明日と「Jレスキュー」の取材です.当方の取り組みを紹介していただけるようです.ありがたいことです.出版の折には是非ご覧ください.現在発売中の雑誌表紙(昨年発行したJレスキューの別冊になりますが)を掲載しておきます.小生も非常に興味ある内容となっております.
今日も夕方から血管造影・TAEです.病棟患者さんの急変.空腸動脈の仮性動脈瘤からの出血です.岡先生と小生でTAEを行います.幸いにも上手く止血が得られました.
本日のドクターヘリ(小林,山邊先生,森田看護師)
1件目 意識障害
朝一番からの要請です.ヘリ到着と同時の要請.資機材を一気に積み込みランデブーポイントへ向かいます.しばらく余裕があるかと思いきや,あっという間に到着.救急車もタイミング良くやってきます.車内に乗り込み診療開始.意識レベルIII桁,気道,呼吸,循環は幸い保たれています.低血糖なし.脳卒中?と山邊先生は考えTECCMCへヘリ搬送です.
さて,診断は?脳血管障害ではなく,感染ベースの状態と判断しました.高齢者の意識障害の原因の1つ,「敗血症」わすれてはなりません.
2件目 全身熱傷
同時要請です.家屋の火災,全身熱傷.息はあるとのこと.急いで気道,呼吸管理をする必要があります.ヘリは数分後に現場上空へ.しかし,直近に降りることができません.仕方なくランデブーポイントへ着陸し,途中まで支援車で向かい救急車とドッキング.患者さんは?救急隊現着時,すでにCPA・・・厳しい状況です.輸液路を確保する血管は熱傷で見えません.ならばBIGでの骨髄路確保です.気道確保は山邊先生の仕事.しかし,熱傷で開口困難な状況.ここは迷わず輪状甲状靱帯切開を行い気道を確保します.賢明な治療を続けながらヘリでTECCMCへ搬送.しかし,III度99%の全身熱傷は手強く・・・
明日から本格的な寒波が来るようです(来なくてよいのに).皆様,風邪などひかれず御自愛ください.

ドクターヘリは多くの関係者の皆さまにご協力とご支援をいただき,運営されています.特に消防の皆さまには多大なるご支援をいただいております.そんな中,朝来市消防本部さんが,「ドクターヘリ臨時着陸場表示板」を設置されました.他の消防本部さんも表示板を設置されているところはありますが,朝来市の表示板の特徴は「ドクターヘリのイラスト」です.TECCMCの救急医・番匠谷先生の作品なのです.地元の皆さま,どうぞ見てやってください.
ちょっとしたインフォメーションでした.ちなみに新聞にも取り上げられました(地方版ですが).

今日は救命救急センターの病棟忘年会でした.日勤の先生達と出掛けようとした時です.墜落,腹部外傷,ショック事案が搬入されるとの情報!日勤の番匠谷先生,幸部先生,倉橋先生は全員居残り.もちろん小生も.夜勤の岡本先生,山邊先生も交え臨戦態勢です.救命救急センターって,何か予定があると,必ず何かが起こるんですよね.これもまたジンクスなのでしょうか.
それはさておき,搬入された患者さんはショック状態.幸いにも初期輸液には反応します.FASTはやはり腹腔内出血あり.primary surveyはclearできたのでCTへ.やはりありました,肝損傷(IIIb),extravasation付き.循環は輸液で維持可能なので血管造影,TAEを選択します.緊急輸血も施行しつつ速やかに幸部先生,番匠谷先生でTAEを行います.岡本先生は全身管理担当,小生は画面を見ながらブログ同様につぶやき担当・・・
いつも通りに止血完了!体温も問題なく,止血機能も維持されています.これなら大丈夫.夜勤の岡本先生に後を託し,血管造影チーム皆で遅ればせながら病院をあとにしました.メリハリのある診療が救急医の心情です.
本日のドクターヘリ(小林,幸部先生,清水看護師)
1件目 施設間搬送(甲状腺クリーゼ後)
TECCMCで状態を安定させ,専門施設への搬送です.山を越えると風が温かいです・・・
2件目 施設間搬送(四肢・顔面骨骨折)
TECCMCで状態の安定化と全身検索後に居住地の病院へ搬送です.
状態は安定しておられますが,搬送中も治療あるいは医療者のモニタリングが必要な患者さんがドクヘリを使った施設間搬送の適応です.今日は珍しく2件の施設間搬送です.その間に重複要請はありませんでした.ドクターヘリは現場最優先なので,ホッとしております.
3件目 外傷性心肺停止
今日は施設間搬送だけかなあ,と思っていた瞬間に同時要請がかかります.「作業車と何かに挟まれ意識なし.」との情報です.外傷性窒息?いろいろ考え現場に向かいます.10分少々で上空へ.同時要請なので救急隊が活動中の段階で現場上空に到達します.そして,現場直近の駐車場へ着陸.これぞ早期医療介入!ドクターヘリの一番のあるべき姿です.救急覚知20分以内に医療開始なのですから!
患者さんはちょうど現場から車内に収容されたところ.幸部先生と小生で同時に診療開始.患者さんは非常に重篤な状況です.BIGでも骨髄路確保,薬剤投与.気管挿管,そして開胸と大動脈遮断.何とかなれ!現場全員の思いは一緒です.
現場で出来ることは限られています.根治的なことを考えヘリでTECCMCへの搬送を決断,機内でも懸命の治療を続けます.JA822Hドクターヘリは皆の待つヘリポートへ静かに着陸・・・

