
今日は救命救急センターの病棟忘年会でした.日勤の先生達と出掛けようとした時です.墜落,腹部外傷,ショック事案が搬入されるとの情報!日勤の番匠谷先生,幸部先生,倉橋先生は全員居残り.もちろん小生も.夜勤の岡本先生,山邊先生も交え臨戦態勢です.救命救急センターって,何か予定があると,必ず何かが起こるんですよね.これもまたジンクスなのでしょうか.
それはさておき,搬入された患者さんはショック状態.幸いにも初期輸液には反応します.FASTはやはり腹腔内出血あり.primary surveyはclearできたのでCTへ.やはりありました,肝損傷(IIIb),extravasation付き.循環は輸液で維持可能なので血管造影,TAEを選択します.緊急輸血も施行しつつ速やかに幸部先生,番匠谷先生でTAEを行います.岡本先生は全身管理担当,小生は画面を見ながらブログ同様につぶやき担当・・・
いつも通りに止血完了!体温も問題なく,止血機能も維持されています.これなら大丈夫.夜勤の岡本先生に後を託し,血管造影チーム皆で遅ればせながら病院をあとにしました.メリハリのある診療が救急医の心情です.
本日のドクターヘリ(小林,幸部先生,清水看護師)
1件目 施設間搬送(甲状腺クリーゼ後)
TECCMCで状態を安定させ,専門施設への搬送です.山を越えると風が温かいです・・・
2件目 施設間搬送(四肢・顔面骨骨折)
TECCMCで状態の安定化と全身検索後に居住地の病院へ搬送です.
状態は安定しておられますが,搬送中も治療あるいは医療者のモニタリングが必要な患者さんがドクヘリを使った施設間搬送の適応です.今日は珍しく2件の施設間搬送です.その間に重複要請はありませんでした.ドクターヘリは現場最優先なので,ホッとしております.
3件目 外傷性心肺停止
今日は施設間搬送だけかなあ,と思っていた瞬間に同時要請がかかります.「作業車と何かに挟まれ意識なし.」との情報です.外傷性窒息?いろいろ考え現場に向かいます.10分少々で上空へ.同時要請なので救急隊が活動中の段階で現場上空に到達します.そして,現場直近の駐車場へ着陸.これぞ早期医療介入!ドクターヘリの一番のあるべき姿です.救急覚知20分以内に医療開始なのですから!
患者さんはちょうど現場から車内に収容されたところ.幸部先生と小生で同時に診療開始.患者さんは非常に重篤な状況です.BIGでも骨髄路確保,薬剤投与.気管挿管,そして開胸と大動脈遮断.何とかなれ!現場全員の思いは一緒です.
現場で出来ることは限られています.根治的なことを考えヘリでTECCMCへの搬送を決断,機内でも懸命の治療を続けます.JA822Hドクターヘリは皆の待つヘリポートへ静かに着陸・・・