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祇園囃子

とりやまだもの-110523_174307.jpg溝口健二の 昭和28年の映画。木暮実千代の艶姿、若尾文子の無垢さ、浪花千栄子の老獪なヤクザ に舌を巻いた。なにより、おんなたちが決定的にかっこよく、すべての男が無様に描かれている。
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くろくも

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昨日の都心の 雨雲 「ベンハー」を思い出します

生写朝顔話

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知人に誘って頂き文楽を観に…主人公の深雪(みゆき)が、恋人とすれ違い おちぶれてゆく。メクラになっても 男を慕い 狂ったように追いつづける姿が こころを打つ。目なし鳥…なんて美しい言葉だろう。

露の干ぬ間の朝顔を 照らす日影のつれなきに 哀れひとむら雨のはらはらと降れかし

一瞬の「瞬」に くさかんむりを乗っけて、ひと文字で あさがお とも書く…

ひとりむし

鏡花作品によく登場する言葉…「独虫」「火取虫」あるいは「蛾」とルビがふってある。夜、街灯にフワリと集まる羽虫をそう名付け、そのちいさな命のツブヤキを小説に書き留めてある。「蒟蒻本」という作品では、蝋燭の影にわだかまるふたりの女の霊魂に脅えながらもそこから抜け出せずにいる男達が狂ってゆく様が、描かれている。 「そのなまめかしさと申すものは、暖かに流れる蝋燭よりさきに、見るものの身が泥になって溶けるのでございます…」
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くらし

被災地の動物や家畜のニュースが見れない…高度成長の名のもと、嘘をついて生きてきた我々のつけを それが受けている。…いま、一緒にいるもの達にそんな思いはさせたくない。それだけが確かなこと…
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からぐみ

先週の日曜日に見せて貰った。あの唐さんが、花道に降りて、劇場入口の扉を叩くシーンで、ちょっとよろけた芝居をしたとき、瞬間に舞台監督の下地が出て、私はおもわず、届かないのに手を差し出してしまった。ひとり、ウルウルときてしまった。あの人が水槽に潜るのは 客を笑わせるためにあらず、地面にはいつくばってその存在の哀しみを表現している。客は泣くのを振り切るために笑うしかないのだ。かくして唐さんの俳優は「特権的」でありつづける。年齢も、経歴も関係ない。自分の範疇にあるもの総てを駆使して、必死に表現する。「特権的肉体論」は、詰まるところ、必死さ といっても当たってる気さえしてくる。土屋まいさんは、はじめての大きな役だったが、その必死さは、きちんと唐さんと張り合っていた。必死で虚構を生きようとするカラダのみが、なにかを生み出す。壁を越えようとする人間力に打たれた!
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那須連峰

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被災した那須の知り合いのペンションに行ってきた。山は、見た目に何も変わらぬ様子…そのあまりにも美しい夢のような風景で、ギスギスとした嫌なことなどふっとんで行く。大きな余震はもうないというひともいるが、東京に無いだけで、昨夜も震度5弱が福島に…那須は大丈夫かと気が許せない。テロリストが惨殺されたとか…この国だけでなく、アメリカもまた、言い知れぬ不安の中にある。信用が揺らいでいる世の中の流れと 一見変わらない山河。その中で揺らぎ続ける自分の姿…芝居をやっていない中で迎えたはじめてのゴールデンウィークは こうしてゆったりと流れていった。『ストーンペッパー』というペンションご自慢のパエリヤはホントにいつも美味いのだ。
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立ち寝

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国立ドトールにて

この四半世紀、わたしはこの日に東京には居なかった…学生のとき以来のことだ。唐組は大阪公演楽日だからだ。…国立ドトールでこれを書いている。先日、江の島へ行った。20メーターはあろうかという巌が見たかったのだ。
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人知を超えた容量のものを見たくなることが、よくある。その崖のすぐ手前に『稚児が淵』という岩場がある…その昔、僧侶と、白菊という稚児が恋をして、禁断の恋ゆえに身投げをしたという…南北の「桜姫東文章」の序幕に出てくる白菊丸はここから採ったものだと知った。もちろん、鏡花も書き、唐さんも「蛇姫様」で使ったもの。 さらに先の逗子で、泉鏡花は療養しながら「春昼」を書いた。朦朧とした意識のなか、崖穴の中にいる人形と戯れる話だった。精神的には同じものを感じて、最近興味深い。『幻の絵馬』という鏡花の中編小説を台本に起こしている。梟 河童 彼岸花 そして霧の助人形、白菊様、…どの作家も、役にたたないようなハズレ者を愛する。上から目線を拒否した生き方。 江の島の崖で コンビニのコロッケを食べながら海を見ていたら、突然スッとじぶんの首筋に、鎌鼬のような空気の動きを感じた…ハッとして見上げると コロッケをわしづかんだ鳶が、五メートルくらいでホバリングして我がコロッケを頬張ってた。お昼ごはんはこうして無くなった。一瞬の自然力のまえに言葉は無かった、が、その容量は崖よりも大きくて、いいものを貰った気がして、私は江の島を後に…樹林の中に台湾リスも見つけた。私が気づかなかった世界は、こうして、いつでもあるようだ。
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うちに帰ると、我が机を占領する…ねこ!

速報

テレビを見ていたら『緊急地震速報』すぐに身構えたが、一分経っても揺れがない。誤報?…いやいや いわき市で震度3。とやがて…体がなれてきたなと一安心…が、まてよ、「南アルプス、鉄道旅」というこの番組、録画だった!振り向くとムギが、ドシタノですか?とこっちをみてた。緊急地震速報…被災した方には言いにくいが、いま、これほどライブ感が強いものはないだろう。芝居もいま、見るひとの感性も研ぎ澄まされて…ダメなものは、全く相手にされないという高みにある気持ちがする。
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