ひとりむし | とりやまだもの

ひとりむし

鏡花作品によく登場する言葉…「独虫」「火取虫」あるいは「蛾」とルビがふってある。夜、街灯にフワリと集まる羽虫をそう名付け、そのちいさな命のツブヤキを小説に書き留めてある。「蒟蒻本」という作品では、蝋燭の影にわだかまるふたりの女の霊魂に脅えながらもそこから抜け出せずにいる男達が狂ってゆく様が、描かれている。 「そのなまめかしさと申すものは、暖かに流れる蝋燭よりさきに、見るものの身が泥になって溶けるのでございます…」
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