Ravel, Le Tombeau De Couperin - Quintet Les Cinq at De Doelen
I Prélude (0:00)
II Fugue (3:35)
III Menuet (6:30)
IV Rigaudon (10:34)
arr. for wind quintet by Mason Jones
Quintette Les Cinq www.quintetlescinq.com
Federico Dalprà, Flute
Ian Barillas-McEntee, Oboe
Letizia Elsa Maulà, Clarinet
Derrick Atkinson, Horn
Georgie Powell, Bassoon
絵画や音楽には好みが相当に左右します。私の記憶によれば、プーランクがもし孤島に持って行くとしたら誰がの作品がよいかを訪ねられたら、モーツアルトなどの名前を挙げましたがフォーレは持って行かないと云ったように覚えています。ラヴェルもそうした対象になるかも知れないと感じることがあります。でなければローマ大賞に何度も落ちることはなかったように思うのです。きっとデュボアに嫌われていたのかもしれません。だからラヴェル事件は起きた!
「クープランの墓」(Le Tombeau de Couperin)は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1914年から1917年にかけて作曲したピアノ組曲です。「プレリュード(前奏曲)」、「フーガ」、「フォルラーヌ」、「リゴドン」、「メヌエット」、「トッカータ」の6曲から成り、それぞれが第一次世界大戦で戦死した知人たちへの思い出に捧げられています。その後1919年に4曲を抜粋した管弦楽版がラヴェル自身によって作られました。
原題にある Tombeau (トンボー)はフランス語で「墓石・墓碑」を意味しますが、音楽用語としてはバロック時代のフランス音楽に特徴的な「故人を追悼する器楽曲」を指すとあります。今日は、フルートの日であることから木管五重奏番に編曲したものを聴いていきます。先ほどの好き嫌いの花に戻りますが、下の一節が残されています。
初演の後、ラヴェルを嫌う批評家が新聞に「ラヴェル作曲の『クープランの墓』は大変結構だった。だがクープラン作曲の『ラヴェルの墓』だったらもっと結構だったに違いない」と書いたというエピソードが残っている。
人の口に戸は立てられないとは言いますが、亡くなった人達に捧げられた作品に対してこのような発言をする人物も腹立たしいが、その記事を掲載するという新聞もまた報道者としての資質を問われるものだと思います。
以下はピアノ版の解説です。(資料ウィキペディア)
プレリュード(Prelude)
ジャック・シャルロ中尉 (マ・メール・ロワのピアノ独奏版の編曲者) に捧げられている。ヴィフ(Vif:活発に)、ホ短調。12/16拍子。古典的な組曲の冒頭に置かれる前奏曲を範として書かれ、16分音符の無窮動的な動きが全体を支配する。頻出する装飾音符(モルデント、プラルトリラー)は拍頭で奏されるよう記譜されている。
フーガ(Fugue)
ジャン・クルッピ少尉に捧げられている (ラヴェルは彼の母親に「スペインの時」を捧げている)。アレグロ・モデラート(Allegro Moderato:中庸の快活さで)、ホ短調。最後には3声がみられる。4/4拍子。フーガ形式。独特なリズムの主題を持ち、途中から反行フーガがみられる。
フォルラーヌ(Forlane)
ガブリエル・ドゥリュック中尉 (サン=ジャン=ド=リュズ出身のバスク画家) に捧げられている。フォルラーヌとは北イタリアを起源とする古典的舞曲のこと。ラヴェルは1914年にフランソワ・クープランの『王宮のコンセール』のフォルラーヌの編曲を行っており、この曲にはその明らかな影響が見られる。アレグレット(Allegretto:やや快活に)、ホ短調。演奏所要時間がこの組曲中一番長い。6/8拍子。ロンド形式。
リゴドン(Rigaudon)
ピエール&パスカルのゴーダン兄弟 (ラヴェルの幼なじみ) に捧げられている。アッセ・ヴィフ(Assez Vif:十分に生き生きと)、ハ長調。2/4拍子の三部形式で、中間部は速度を落としてハ短調に転調する。リゴドンはプロヴァンス地方に由来する活発な舞曲で、17世紀に流行した。トッカータ同様、演奏者によって演奏速度が大きく異なっており、速く弾く奏者と遅めに弾く奏者との演奏所要時間の差は最大で約1分の開きが出ることもある。
メヌエット(Menuet)
ジャン・ドレフュス (ラヴェル除隊後の家主) に捧げられている。アレグロ・モデラート、ト長調。3/4拍子。三部形式。
トッカータ(Toccata)
先述の通り初演者であるマルグリット・ロンの夫、ジョゼフ・ドゥ・マルリアーヴ大尉に捧げられている。2/4拍子、ロンド・ソナタ形式。最初ホ短調であるが、94小節目で嬰ニ短調に転調。144小節目でホ短調に戻り、217小節目でホ長調に転調する。トッカータらしく速く、ピアニスティックな曲で最後に壮大な盛り上がりを見せて一気に曲は終わる。同音連打を多用したピアノ曲の最高峰のひとつに位置づけられ、ラヴェルの作曲技法が惜しむことなく注ぎ込まれている。
技術的にも困難であり、多彩な表現が盛り込まれているために、演奏者によってさまざまな解釈がなされており、演奏速度の設定からもそれを垣間見ることができる。例えば、ラヴェル自身から直接そのピアノ作品の解釈について学んだヴラド・ペルルミュテールの録音では♩=約132で演奏されている。今日ではラヴェルの譜面上の指定である♩=144以上の高速で演奏するピアニストも多いが、これには相当のテクニックが必要とされる。
※ 以前の記事
○ フルートの出番です221 ラヴェル「ハバネラ形式の小品」
○ ホルンの出番です⑦ M・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
木管5重奏:クープランの墓(パート譜のみ)/モーリス・ラヴェル(メイソン・ジョーンズ)【アンサンブル輸入楽譜】
Amsterdam Farkas Quintet : Ravel, Milhaud, Francaix
● ラヴェル:クープランの墓
● ミヨー:ルネ王の暖炉
● フランセ:木管五重奏第1番
ファルカス・クインテット・アムステルダム
ヘルマン・ヴァン・コゲレンベルグ(フルート)
ハンス・ウォルターズ(オーボエ)
マルセル・ジェラエズ(クラリネット)
レムコ・エデラール(ファゴット)
フォンス・フェルスパーンドンク(ホルン)
録音時期:2013年
録音方式:ステレオ(デジタル)