かなり分かりにくい変更が行われた言葉だと個人的に思っているものです。
そもそも動詞」「ツる」は、「魚を釣る」意味ののときだけ漢字表記のままで変更がないようなんですが、なぜかこの「ツり○○」という形のときだけ表記が変わりました。
しかも、前のルールでは、動詞の意味と同じく、「釣り堀」「釣りざお」等魚釣り関係だけ漢字表記だったんですが、それに加えて今回はなぜか「釣合い」「釣り合う」「釣鐘」「釣銭」「釣り込む」が漢字表記に加わっています。
「つり革」は平仮名表記のままなのに、「釣鐘」は漢字表記です。また、通則6や通則7も適用されておりまして、本当に混乱させられます。
さらに、これらに加えて、もともと「釣」という漢字を用いていたものも、「釣針」「釣堀」と通則7が適用されてしまいまして、前のルールと表記が変わらなかったものは、用字用例辞典に項目としてあるものを挙げますと、既に触れた「つり革」と「釣りざお」と「つり橋」、そして「つり輪」と「つり下げる」、また、「釣り上げる」と「つり上げる」の使い分けとなっています。
昨夏の日本の速記臨時増刊号の記述で「基準や法則性はないです。(中略)抽象的で理解しにくいかもしれませんが、割り切るしかないです」とありましたが、割り切れた方はいらっしゃいますか? 私はいまだに割り切れません。