異体字の出し方について | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

※本記事において、PCでは「示」の「榊」で入力し、そのとおり表示されているものが、私のiPhoneで確認しましたら全部「ネ」の「榊」になっていました。もしかしたらほかの方もそうかもしれませんので、「「ネ」の」という記載のないものは全て真ん中が「示」の「榊」であると読み替えてください。

なお、日本語としてベーシックなのは「示」のほうの「榊」です。

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前もちょっと触れたことがあるんですけど、日本で用いられている漢字には微妙に細部の異なる異体字というのがありまして、用字用例辞典のルール上では変換キーを押せば簡単に出てくる漢字が定められていることがほとんどなんですけれども、名称ではそうでないものが用いられることもあります。そして特に人名では、漢字は正しいものを使わねばなりませんので、すぐ変換できない場合はいろいろ工夫することとなります。

 

先日困ったのが「榊」の異体字で、真ん中の「示」が「ネ」になっているものなんですが、普通に変換しても出てきません。画像で貼りますがこの字です。

こういうときどうするかというと、私はまず日本語入力システムのメニューから検索をかけます。部首や読み、画数で検索したり、手書きパッドを使ったりして探したのですが、見つかりません。

どうにも出てこないときは、取りあえずどうすべきか問い合わせてみるべきかと思いますけれども、時間に余裕があったので、どうせならと思いちょっと調べてみることにしました。

 

こんなときはネットで検索だと思い、まず「榊 異体字」で検索しました。幾つもページがヒットし、その中にはお目当ての「ネ」の「榊󠄀」が表示されているものもあります。これこれと思ってコピペしたら、なぜかワード上では「榊」が表示されました。

 

じゃあと思い、「榊 異体字 出し方」で検索をすると、MSIMEでの出し方がヒットしまして、大体私がしたのとと同じやり方でたどり着けるようでした。しかし、現実に私のパソコンでは出てきません。

何が違うか。それは日本語入力システムの種類です。私はMSIMEではなくてATOKを使っているのです。

 

試しに日本語入力システムをMSIMEに切り替えて「榊」の異体字を表示させると、「ネ」の「榊󠄀」があって入力できました。

【参考】MSIMEの文字情報

そして、さらに日本語入力システムを切り替えて、ATOKで「榊」の文字詳細を見たら異体字はありませんでした。

【参考】ATOKの文字情報(バージョンはATOK2016)

 

つまり、日本語入力システムによって出せない漢字があるのです。恐らくバージョンによっても違うのではないかと思いますが、少なくとも私の使っているATOK2016にはないようでした。

こんなこともあるんだなあと思いながら、また出てくるかもしれないし、MSIMEで出した「ネ」の「榊󠄀」をATOKに単語登録して変換をかけると、「ネ」の「榊󠄀」に変換できました。何なんですかね……。日本語入力システムの仕組みは全然分からないです。

 

なお、そのATOKで出した「ネ」の「榊」を最後に置いておきます。

榊󠄀

皆さん見えますかね……? 閲覧環境やフォントの種類によっては「示」の「榊」が表示されるかもしれません。

もしかしたら、こうして自分のパソコンで出した「ネ」の「榊󠄀」を用いている場合は、環境によっては「榊」で表示される可能性がないとも言い切れないので、こういう文字を使ったときは納品時に一言添えておいたほうがよいのかもしれません。