用字用例辞典を御覧になっていなくてこのブログだけ見ている方でも多分もう皆さん薄々お気づきかと思いますが、今回の用字用例辞典の改訂は、表記を分けることになったものが非常に多いです。これもその中の一つで、当然ですが、併せて「止まる」「留まる」も同様に表記が変更になっています。
辞書を見てみますと、「留める」「止める」は一つの項目として書かれていました。そして、特に「斬る」のような区別は記載されていないです。
以下、意味をデジタル大辞泉より引用します。
1 動いているものを動かないようにする。「タクシーを―・める」「文章を書く手を―・める」
2 継続しているものを続かなくさせる。とだえさせる。「息を―・める」「痛みを―・める」
3 固定して離れないようにする。「紙をピンで―・める」「背広のボタンを―・める」
4 やめさせる。制止する。「けんかを―・める」
5 関心を向ける。注意する。「心を―・めて聞く」「ふとテレビに目を―・める」
6 その場にとどめ置く。「取り調べのため警察に―・める」
これを用字用例辞典の用例と突き合わせてみます。
用例を引用すると、「止まる」「止める」は「交通・水道-が止まる」「息を止める」、「留まる」「留める」は「目に留まる」「歩留り」「目・ボタンを留める」「気に留めない」「留め針」ですが、「止」が1と2と4で、「留」が3と5と6というのが分かります。
つまり、「止」のほうはまあいいとして、新訂の用字用例辞典のルールでは「紙をピンで留める」なわけですね。これは間違う自信があります。
その上、これも「カわる」同様、複合語で出てくることが結構多いんですよ。例えば「雇い止め」「歯止め」なんかですね。こうなるとますます間違いそうです。
今回の改訂は本当につらいと、しみじみ感じる今日この頃です。