今までは一緒くたでよかったのに、新訂で使い分けが必要になった言葉のうちの一つです。
しかも、個人的にどことなく違和感を持ちつつも使っていた「受ける」なんかとは違い、すんなり「切る」と表記していましたから、地味に認識の変更が大変なやつです。
さらに、「斬る」を用いるのは、私が請けている仕事においては大変レアケースのようなんですよ。
新訂用字用例辞典を見ますと、「斬る」の項は「罪人を斬る」「斬り殺す」という用例のみが記載されています。
そしていつもこのブログで使っているデジタル大辞泉で調べますと、「斬る」も「切る」も特に区別なく同じ項目で記載されていて、膨大な意味があるんですが、その最後に補説として、「広く一般的には「切る」を用い、人などには「斬る」、立ち木などには「伐る」、枝・葉・花などには「剪る」、布・紙などには「截る」を用いることがある」という記載があります。
この辞書の「人などには「斬る」」の部分と用字用例辞典の記載が一致していますから、新訂用字用例辞典のルールではこうやって分けることで間違いないでしょう。
ちなみに辞書で「人など」と「など」とぼやかして書かれていますから、人だけでなく獣なんかも含まれていると思われます。用字用例辞典の用例の「斬り殺す」も主語が人であるわけではないですから。ただ、用字用例辞典のルールに沿うわけではなく、単純に日本語としてなら、上記辞書の補説にありましたように、全部「切る」でよいかと思います。
「何でこれをあえて分けたんですか……(泣)」というのが、新訂ルールに翻弄される者の正直な感想です。(※文句が多い)
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((((おわび))))
昨日の記事でも書きましたが、過去記事に私の認識違いがあって修正を入れました。
補助動詞の記事ですが、御興味のある方は御覧ください。
なお、間違いの周知のために複数回記事に掲載しておりますが、昨日のリンクと同じです。御理解ください。