私が新訂用字用例辞典への対応のために真っ先に行ったのは、ATOKでの新表記の一括単語登録だったというのは、先日述べたとおりであります。ちなみにその記事では書いていなかったと思いますが、それに併せてマイ辞書への新表記項目の一括登録も行いました。その際の操作の備忘録です。
その作業で問題になったのが、私が手に入れたエクセルの新表記の一覧データが、新表記と旧表記のみ並列したものであったことであります。読みがなかったのです。
もちろん単語登録は平仮名の読みが必要ですし、マイ辞書も平仮名で絞り込み検索できるようにしておりますから、平仮名での読みは必須です。数が少なければ入力すればよいのですが、1,400語余りありましたから、そんなことをしていては確実に日が暮れてしまいます。大体繁忙期が終わらぬままに用字ルールの変更が来ましたから、そんな時間をとるのは不可能です。
そんなときに役立つのが、エクセルの関数です。「=PHONETIC(対象セルのアドレス)」と入力することで、対象セルから振り仮名を抽出して別のセルに表示してくれるのです! エクセルすごいです。
(以下画面は、B列にA列の振り仮名を表示するようにしています)
それで、単語登録には読みは平仮名でないといけないんですが、上記は片仮名表示されております。なので平仮名にしないといけないんですが、この関数はちょっと癖というか特徴があって、まず、平仮名か片仮名かを関数内で指定することができません。
それではどこで平仮名と片仮名の設定を行うかというと、もとのセル自体でです。
まず、対象のセル(ここではA列のデータ)を選択し、ホームのリボンから「ふりがな」のドロップダウンボタンをクリックし、一番下の「ふりがなの設定」を選択します。
設定画面が開くので、「種類」で「平仮名」を選択し、OKボタンを押します。
すると、振り仮名を抽出したセルも平仮名表記になります。
あと一つ気をつけないといけないのが、この振り仮名のデータがどこからやってきたかということです。
これは何と、エクセルの内部で、入力したときのデータを保持しているらしいのです!!
お気づきの方がいらっしゃるかと思いますが、上記画像のセルB2の「れんがつくり」は、本来「れんがづくり」であるべきものですが、入力した方がそのように入力したようで、漢字表記では問題ないんですが、読みとしてはちょっと正しくないものになっています。
そしてこのような単純なものだけならよいのですが、例えば先日記事にした複合語で、「話合い」と入力するのに、まず「話し合い」と入れて間の「し」を削除した場合は、「はなあい」と表示されます。それを全部精査して修正しないといけないのです!!!!!(山ほどあるのに気づいたとき気を失いそうになりました)
余りに多過ぎてまだチェックしていないです……。1,400とか考えただけでやる気が滅亡しますし、そもそもいつまでたっても仕事が減らずいろいろメンテする元気がない上に、先日旧用字の仕事が入って新訂のメンテなど精神的に無理になりました。
というわけで今新ルールについて触れる気になれず、エクセル操作でお茶を濁して本日の更新は完了とさせていただきます。
《本文に書ききれなかった個人的に役立ったものメモ》
★検索窓でセル内改行を入力する→Ctrl+J :これはマイ辞書のほう