以前、「様」については、「サマ」と読む場合の漢字と平仮名の使い分けについて記事にしましたが、きょうは読みが「ヨウ」の場合で、そのうちでもさらにほかの言葉にくっついて複合語になる場合の使い分けについてです。
用字用例辞典を見ますと、非常にシンプルに用例しか書いておりませんで、「様」の場合は「鈍器様の物」、「よう」の場合は「ありよう」「やりよう」とあります。
さて、これではいまいちわからないので、いつもどおり辞書の「よう」の項を見てみますと、幾つか意味があるうちの古典的な意味は割愛しますが、「名詞の下に付いて複合語をつくる」「動詞の連用形の下に付いて複合語をつくる」(意味は全てデジタル大辞泉より)という記載があります。
これはさらに細かく分かれていて、そのまま引用しますと以下のとおりですが、
5 名詞の下に付いて複合語をつくる。
ア)ある物に類似していることを表す。…ふう。…のよう。「刃物様の凶器」「皮革様の素材」
イ)様式、方式などの意を表す。「上代様」「唐 (から) 様」
6 動詞の連用形の下に付いて複合語をつくる。
ア)ありさま、ようすなどの意を表す。「喜び様」「可愛がり様」
イ)…する方法、…するやり方などの意を表す。「ほかのし様もある」「しかり様が悪い」
これを用字用例辞典の用例とを突き合わせてみますと、どうも5のほうが漢字表記、6のほうが平仮名表記に該当しそうです。
用字用例辞典のルールには、「御」や「中」のように「平仮名につくものは平仮名表記、漢字につくものは漢字表記」というものもあるのですが、そのようなものにはその旨注記があるので、それがない「様」「さま」は多分これでいいのではないかと……、ちょっと自信はないですが思います。(断言できず済みません)