この使い分けは、恐らくですが、以前記事にした「指さす」や「2項目め」と同じ理由によるものです。
「指さす」のほうは、「指」と「指す」の組み合わせで、「2項目め」は「項目」と「目」の組み合わせなんですが、多分ルールどおりに記載すると同じ漢字が並んでしまうために、後ろのほうは平仮名表記になっているものです。
それで、この「抱える」も、基本は漢字表記なのですが、用字用例辞典に唯一例外として平仮名表記すべきと示されているものがあります。それは、「抱きかかえる」です。
「抱く」も「抱える」も用字用例辞典では漢字表記するルールですが、組み合わせると同じ漢字が並んでしまうためか、後ろの「抱える」は平仮名表記になります。
用字用例辞典では、基本ルールさえ覚えておけばよいわけではなく、こういう例外が結構あります。単独での表記がこうであるから、組み合わせても同じはずと考えずに、一つ一つ細かく表記の確認を行うことが重要です。