過去にこのブログで、高校英語では定番といっていいぐらいの重要な連語のうち、似ていてまぎらわしいものについて、どう覚えたらいいかを解説したことがありました。
記憶をたどって調べてみたんですが、たしかこれでした。
今回は、その第2弾にあたるものを書きたいと思います
これを読んでいる、とくに高校生のみなさんに役に立ってもらえるとうれしいですね!
今回取り上げたいのはused to ~とbe used to ~ingです。
「あ~、たしかに」と納得してもらえましたでしょうか?(笑)
まず、この2つの意味はちゃんと把握していますでしょうか
used to ~は「かつて~したものだった」という意味の連語ですね。
現在はちがうけれども、「過去はそうだった」と過去のことについて述べるときに使うもので、英文法の参考書だと助動詞のところで必ずといっていいほど出てくる表現ですよね。
一方、be used to ~ingは「~することに慣れている」という意味ですよね
参考書によっては、be accustomed to ~ingとセットで出てくるものもありますが、どちらもほぼ同じ意味です。
be used to ~ingもbe accustomed to ~ingも、両方とも重要な表現ですから、手抜きせずにぜひ両方とも覚えましょう!
used to ~とbe used to ~ingはかなり似ていてまぎらわしいんですが、違っているところももちろんありますよね
used to ~のほうはbe動詞はいりませんが、be used to ~ingのほうはbe動詞が必要です。
また、used to ~のほうは「助動詞のところでよく出る」とさっきサラッと書きましたが、そのためこの後ろには原形しか続きません。
でも、be used to ~ingのほうは見てわかるとおり、原形はダメで~ing形をつづけないといけません。
このように、be動詞がいるかいらないか、後ろにつづくのは原形か~ing形かという2点が違うんですが、なんでこんな違いができたんでしょうか?
そこをひもといていくと、この2つの連語を納得いく形ですんなり覚えていくことができると思います
それが今回おすすめしたい「覚え方」なんです。
さて、この2つの連語ですが、どちらもuseというのが使われていますね。
「ひょっとしてuseという単語を使っていってできあがった連語かな?」と思ったのなら、正解です
ただ、useは「使う」という意味でしたよね?
問題は、なんでそんな単語からこういう意味や形の連語になっていったかです。
実は、昔、useは「使う」という意味だけ持っていたんではないんです
〈use+to不定詞〉で「よく~する」「習慣的に~する」という意味をあらわす表現がかつてあったそうなんです。
I use to play tennis now.(私は今よくテニスをします)のように使っていたわけなんですね。
「~することが好きだ」という〈like+to不定詞〉について、「~することが好きだった」と過去形にしたい場合は、likeを過去形にして〈liked+to不定詞〉にしますね?
それと同じ理屈で、「よく~した」「習慣的に~した」と過去形にしたい場合は〈use+to不定詞〉のuseを過去形にして〈used+to不定詞〉にするわけです。
これでできあがったのが、used to ~という連語なわけです。
今では、〈use+to不定詞〉の表現が使われることはなくなり、used to ~だけが名残りのような感じで残ったということなんですね。
次に、be used to ~ingのほうです。
これについては、be accustomed to ~ingについてから見たほうがわかりやすいでしょう。
この連語はaccustom A to Bで「AにBを慣れさせる」というものからできあがりました。
たとえば、The boss accustomed me to the work.(上司は私に仕事を慣れさせた)というように使っていたというわけです。
これを受身形にすると、I was accustomed to the work by the boss.となります。
be accustomed toの形ができあがりましたね
「慣れさせられた」というのは、つまり「慣れた」という状態になったわけですから、だから「~に慣れる」という意味になるわけです。
このaccustom A to Bとほとんど同じ意味の「AにBを慣れさせる」をあらわす連語にuse A to Bというのが、昔あったんです。
これも受身形にすると、さっきと同じ感じでI was used to the workなどのようになり、be used toという形ができますね
「~に慣れる」という意味のbe used to ~ingのほうはbe動詞が必要になるのは、こういう背景があったからです。
そして、さっきからの例文からわかるとおり、toの後は別に動詞がくるとは限らず、「何に慣れるか」という「もの」がくるわけです。
ということは、どうしても動詞をもってきたいとなった場合は、そのまま「~する」という形にするのではなく、「~すること」という動名詞にして「慣れるためのもの」だとあらわす必要があるわけです。
used to ~のときは原形でよかったのに、be used to ~ingのときは~ing形にしないといけないのは、こういう理由があったわけですね