高校生になると、いろいろな構文などを勉強することになりますが、そのなかにはややこしくて覚えにくいものもあったりします。
その例として考えられるのが、may wellとmay as wellではないかと自分は思っています。
may wellは「~するのももっともだ、きっと~だろう」、may as wellは「~したほうがよい」という意味です。
形は似ているのに意味が全然ちがいます。
しかも、単語ではmayは「~かもしれない」、wellは「じょうずに」という意味ですが、それらのニュアンスがほとんど見られない形になっています。
なのに、この2つの構文は大学受験をするうえでは覚えておきたいものとしてどの参考書も取り上げていて、なんとも高校生泣かせの構文となっています。
「こういう意味なんだから」と丸暗記してしまうのも全然いいんですが、実は「なぜこういう意味になるのか」という理由があるんです。
今回は、may wellとmay as wellについて、「なぜこういう意味になるのか」を説明したいと思います。
構文を勉強するうえでは、「なぜこういう意味になるのか」というのをできるだけ把握してから暗記するように取り組めば、覚えるのが断然速いですし、さらに圧倒的に忘れにくくなります。
may wellとmay as wellのような、似た形なのに意味がちがう構文については、「なぜこういう意味になるのか」を理解しておくのを強くおすすめします。
では、may wellはなんで「~するのももっともだ」という意味になるんでしょうか
wellはさきほど、「じょうずに」という意味だと説明しましたが、それ以外にも「じゅうぶんに、かなり、大いに」という意味があります。
wellという単語によって意味あいを強めることができるというわけです。
ということは、may wellはmayで言ってる「~かもしれない」という推量の度合いをさらに強めている形だということになります。
「~かもしれない」という推量がより自信や確信をもった形になったわけです。
だから、「きっと~だろう」という意味になるのは納得ですよね。
「~するのももっともだ」という意味もこれで納得いくでしょう。
たとえば、You may well be proud of your son.(あなたが息子を誇りに思うのももっともだ)という英文を例にとりましょう。
「あなたは息子を誇りに思うかもしれない」という推量が、より確信めいた形になり、「いやいや、息子をきっと誇りに思ってるでしょ」っていう意図ができたなら、「息子を誇りに思うのももっともだ」という日本語訳になるのは自然ですよね。
では、may as wellの「~したほうがよい」という意味はどうでしょうか?
これについては、asがポイントになるはずですが、このasを一番はじめに見かけたのは、中2英語の比較のところで習ったas ~ as …じゃないでしょうか?
「…と同じぐらい~」という意味でしたが、これが背景にあります。
たとえば、You may as well go home now.(あなたは今帰ったほうがよい)という英文を使って説明しましょう。
wellはさっきと同じで、推量を強めているものです。
そして、as ~ as …の、後半部分のas …が省略されていると考えます。
すると、たとえば、
You may as well go home now (as stay here).
というような文が考えられますが、ふつうに意味をとると「あなたがここにとどまるのと今帰るのとではきっと同じぐらいのことです」、つまり「あなたがここにとどまっても今帰ってもきっと変わりません」ということになっていきます。
それを発展させると「同じぐらいのことなんだから、今帰ったほうがよい」という解釈もできることになります。
なので、「~したほうがよい」という意味になるわけです。
これを利用すると、may as well ~ as …が「…するくらいなら~したほうがいい、…するくらいなら~したほうがましだ」という意味になる理由もわかってくるんじゃないでしょうか。
「…するのと~するのとではきっと同じぐらいのことだ」ということなわけですから、「どっちみち同じなら、…するより~しちゃおう」っていう意図になるわけだからです。
どうですか?一気に覚えやすくなったんじゃないでしょうか?