日本はいろいろな国の文化や技術などを学びながら発展してきた国ですが、外国の文化や技術を吸収しているだけではありません。
今や日本の文化なども外国に広まるようになってきて、「へ~、これ、いいね」と思われたものについては、外国に受け入れられているものもあります。
そういうのがあるというのは、やっぱり日本人にとってはうれしいものですね
外国に広まるようになった文化の一つが、日本の食べ物、日本食です。
ヘルシーなところが気に入られた、などのような論評を耳にしたことはありますが、日本人からすると、和食はやっぱりおいしいですよね
海外に長期間行ってると、日本になじみのある食べ物がかなり食べたくなるということがあるみたいですよ。
ちなみに、自分もカナダに行ってたことがあるんですが、そこでの滞在中に、たこ焼きをめちゃくちゃ食べたくなったということがありました(笑)
そんな日本の食べ物ですが、それにまつわる日本語も受け入れられ、そのままその国の言語として定着したものもあります。
今回は、英語として定着したそんな日本語を、紹介したいと思います。
sushi(寿司)やtempura(てんぷら)とかなら、英語の教科書でも出ているぐらいなので知っているかと思いますが、それ以外にも一例としてこんなのがあります。
・sukiyaki
なんか上等という感じだからでしょうか、鍋料理で一番人気なのが「すき焼き」だと思ってるんですが、これを読んでいる中学生・高校生のみなさんはいかがでしょうか
この「すき焼き」について、いちいち「鍋を使った料理で甘辛い味がするもので…」などと説明しなくても、英語圏の人にはsukiyakiと言えばわかってもらえます。
このブログで説明しなくても、英語の教科書でもsukiyakiという単語が出てくることがあるので、「そんなこと、わかってる」と思われたかもしれませんが
このsukiyakiという単語が一気に知られるようになったきっかけが、坂本九さんの曲「上を向いて歩こう」ですね
イギリスのケニー・ボールというジャズ奏者が日本のこの曲をアレンジし、タイトルを日本を感じさせるものにしたくて「SUKIYAKI」として出したら大ヒットしたというのがありました(なので、その曲の内容自体はすき焼きとはまったく関係はありません)。
sukiyakiを選んだ理由としては、ケニー・ボールが日本で食べたすき焼きがおいしかったからだとか、ケニー・ボールが知っていた日本語がsukiyakiかsayonara(さよなら)しかなくてsayonaraだと悲しいイメージになってしまうからだとか言われていて諸説あります。
・ramen
日本各地に「ご当地ラーメン」なんてものができるほど、日本人の国民食ともいえるぐらいの「ラーメン」。
わざわざChinese noodleのような英語にしなくても、ramenというだけで日本人が想像する「ラーメン」を英語圏の人も連想してくれます。
Chineseと書いたとおり、「もともとラーメンは中国発祥のものやろ?」と思われたでしょうか。
でも、今のラーメンはしょうゆ味、みそ味、塩味、とんこつ味など、いろんなものがありますが、これらは日本独自でアレンジされたものなんです。
この日本でアレンジして発展させたものが、世界各地で人気となっているようです。
ラーメンの本場の中国にも逆輸入されて人気になっているんだとか
・wasabi
刺身や寿司を食べるときにあるとうれしいおともが「わさび」ですね。
このわさびですが、英語圏でもwasabiと言ってしまっても通じるようです。
自分で見たわけではないんですが、ウェブスター大辞典という英語圏の辞書にもwasabiって載ってるみたいですよ。
あ、ちなみに、アメリカのスーパーではwasabi dressing(ワサビ・ドレッシング)が売られているみたいです。
あのピリッとしているのにさっぱりした味は、たしかにサラダにもピッタリかもしれません
・sake
「酒」ということですが、日本人からするとビールやウイスキー、カクテルなど全部含めて「酒」ですが、英語のsakeは「日本酒」のことを意味します。
英語読みすると、「サキ」という発音になるみたいなので、聞いただけでは日本酒のことをイメージしにくいかもしれません
ちなみに、アメリカでは日本酒をビールに入れて飲む「sake bomb(酒ボム)」という飲み方があるらしいです。
3分の2ぐらいビールを入れたジョッキの上にはしを2本置いて、その上に日本酒を入れたおちょこを乗せます。
そして、かけ声とともに机をたたいておちょこをビールの中に落とすというやりかたのようです。
ちょっと楽しそうですよね(だからといって、これを読んでる中学生・高校生のみなさんは、やっちゃダメですよ)
・umami
食べ物というわけではないんですが、「うま味」というのも海外で通じる日本語です。
日本食には、だしの味がしみこんでいておいしいという料理がありますが、なんであのだしの味がおいしいのかというと、それが「うま味」だからということですよね
「うま味」の正体はグルタミン酸やイノシン酸などのアミノ酸ですが、海外ではそれによる味を説明している単語がないらしいので、そのままumamiとして取り入れられたみたいですね。
そのためか、そのうま味に関係するような、dashi(出汁)やkombu(昆布)、shiitake mushroom(シイタケ)などのような単語も英語にそのまま取り入れられています。
こんな話をしていると、和食の何かが食べたくなってきますね~(笑)
・satsuma
最後は、パッと見ではわからないものになりますが、これは何のことかわかりますか?
サツマイモ、あるいはさつま揚げのことだろうと思いましたか?
実は、どっちも不正解です。
これはなんと温州みかん、つまりみなさんがイメージするあの「みかん」のことなんです。
自分は見たことがないのですが、ハリーポッターの映画でも、登場人物がみかんを食べているシーンがあったらしいですね。
でも、みかんの生産量が多いのは愛媛県とか和歌山県のはずで、鹿児島県(薩摩)は関係なさそうなのに、なんでこんなふうに呼ばれているんでしょう
これも諸説があるようでして、たとえば、温州みかんの原産地が鹿児島県にある長島だと推定されていてその原産地にちなんでいるというのがあります。
ほかにも、日本史を履修している高校生の人ならピンときやすいかもですが、幕末期に薩英同盟が結ばれたときに薩摩藩からイギリスに苗が送られたからだという説もあります。
そうではなく、アメリカ大使館の職員が鹿児島で食べたみかんのおいしさに感激してそこからアメリカにみかんを持ち帰ったからとか、薩摩地方から最初に欧米に輸入されたからとか、いろいろ言われているようです