文法の勉強をしていると、いろいろな表現を目にすると思います。
「so ~ that …は「とても~なので…」という表現」
「He is annoying.は「彼はイライラしている」ではなく、「彼はイライラさせるような人だ」という意味」
「have+O+過去分詞で「Oを~してもらう、Oを~される」という意味をあらわす」
などなど。
とくに高校英語の文法の勉強をするために参考書を開くと、こんな説明をいっぱい目にすることでしょう。
なので、この説明の丸暗記をしようとする人は多いんじゃないかと思います。
重要そうだからということで、マーカーで線をひいて、「so ~ that …は「とても~なので…」」「so ~ that …は「とても~なので…」」…のように復唱しながら覚えていくというやり方です。
学校の中間テストや期末テストが近くなってくる時期になると、とくにこういう勉強をしている人を見かける気がしますね。
もちろん、そのやり方がムダでダメなものだというつもりはまったくありません。
そのやり方が合っているという人もいるかもしれないですし、場合によってはそのやり方のほうが手っ取り早いということだってあります。
ただ、英文法に慣れてしっかり自分のものにするという観点からの考えだと、ちょっとこのやり方だと力不足かなあという気がします。
理由を簡単に説明すると、「英語の構造などを見ないで、その表現の和訳や意味だけを覚えるにとどまっているから」です。
so ~ that …は「とても~なので…」、have+O+過去分詞は「Oを~してもらう、~される」、…というようなことを丸暗記していくのは、「その英語表現を見たときに、どう訳せばよいか」というのを覚えていっているのと、ほとんど変わりありません。
ということは、たとえば、so ~ that …のthatが空所になっていたり、have+O+過去分詞の過去分詞の部分が空所になっていたりするような問題で、その英文の意味がとれなかった場合は、手も足も出ないということになりますよね
ところが、文法問題のパターンでは、そのような空所をうめるような問題がけっこう多いですよね
空所をうめる問題じゃなくとも、単語を並べかえて英文を完成させる問題や、「次の英文で文法として間違っているところを訂正しなさい」という問題でも、同じです。
だいたい、文法問題では、英文が言いたいであろう意味を自分で考えて、それを何の英語表現を使ってあらわせばいいかという流れで解くことが多いものです。
「その英語表現を見たときに、どう訳せばよいか」という覚え方は、その解き方の手順と逆の順番になっています。
「あれだけ参考書でいろいろな表現を覚えてるのに、全然解けない」と考えている人は、おそらく「表現の和訳や意味を覚える」ということにフォーカスしすぎてしまっていることが原因じゃないでしょうか?
自分がおすすめしたいのは、英語の構造などにも着目して、「どうしてこういう意味になるのか」ということも理解して覚えるということです。
たとえば、さっきから例として出しているso ~ that …という表現。
この表現にあるsoは「とても」という意味だから、「とても~」という意味になります。
「とても~」と言われると、「だから何なんだ」と気になるわけですから、that …とつづけて「なので…」と述べているわけです。
最初のほうに出てきた「have+O+過去分詞」という表現には、2つ意味が述べられていましたね?
ふつうに覚えるだけだと、片方の意味を忘れがちということがあるでしょうが、構造などに着目して理解していくと、忘れにくくなります。
これは第5文型(SVOC)の形になった表現です。
SVOCの文型は「Sが、OがCである状態にさせる」ということをあらわす形です。
そして、過去分詞は「~される」という受身形で使われる語句ですから、それらから考えると、「have+O+過去分詞」の構文は「Oが何かをされている状態にしていく」という意味あいをもつ構文ということになりますよね?
だから、過去分詞のところに、何かをやってもらったような意味の動詞が来ていれば「Oを~してもらう」、被害の意味あいがある動詞が来ていれば「Oを~される」という意味にとれるわけですね。
このように、丸暗記だけに頼らないでやっていけば、覚えやすくなりますし、文法問題でも考えて解くことができるようにもなります。
さらに、英文の構造にも慣れていく手助けにもなりますから、長文もそれなりに正確に読めるようにもなりますし、英作文の表現の幅も広がるでしょう。
もちろん、自分ひとりではなかなか難しい場合もあるでしょう。
今はネット検索すれば、英文の構造にもとづいてわかりやすい説明をしてくれているサイトがありますから、それを確認するのが一番てっとりばやいでしょう。
もしくは、その構文に使われている単語を辞書でひいてみると、その構文についての説明が書いていることもあります。
おそらくこの2通りが一番現実的な方法だと思いますから(これ以外の方法を知っているという人は、もちろんその方法をとってもOKです)、ぜひそれで英文法に慣れていってください