8.性別変更
~緊張の連続~
性別変更の前にちさとの両親に
挨拶に行くのだが
なんて伝えようか。
性別を変えます!
娘さんと結婚させてください!!
って異例すぎる。笑
普通の男でも結婚の挨拶は緊張するだろう。
僕はそれにプラス性別のこともある。
ものすごく緊張した。
受け入れてもらえなかったらどうしよう。
と同時に普通の男の人のように
テレビで観ていたように
結婚の挨拶ができることが嬉しいと思った。
話した時、ちさとの両親は難しい顔をしてた。
言葉にならないようだった。
僕もそれ以上言葉がでない。
沈黙が続いた。
くらさんがいいんだよ。
人として好き。
信頼できるし尊敬もできる。
この人の傍にいて色んなことを学びたいの!!
とちさとが言った。
直後に花が僕の膝の上にチョコンと座ってきた。
それを見たちさとの母親がちさとに
色んな質問をしてきた。
性別変更ってどうやってするの?
手術なんて大丈夫なのか?
周りの人から色んな事
言われるかもしれないけど
乗り越えられるのか?
花は大丈夫なのか?
それと1番大切な
夜の夫婦生活は満足できるのか?
途中で本当の男の人が欲しくならないのか?
本当に大丈夫なのか?
たくさん聞いてきた。
心配しているのだろう。
聞きにくいことも
しっかりちさとの目を見て聞いていた。
何度もしつこいくらいに聞いてきた。
当然だ。
親としての愛を感じた。
その質問にちさともしっかり答えていた。
花がくらさんに親しんでいる事
何よりちさとが幸せそうな顔をしているから…
………わかったよ。
とちさとの両親が言ってくれた。
よかった。
その時、絶対2人を守る!!幸せにする!!と
心に誓ったのだ。
そしてとうとう
性別変更のための手術をすることに決めた。
今現在での日本の法律では
性別変更するのに
女性の象徴でもある胸(乳腺)と
子宮を摘出し
2人のドクターからのサインが必要となる。
僕はたくさんの選択肢の中から
美容整形や
性別適合手術の先進国であるタイで
性別適合手術を受ける事を決めた。
日本での手術に比べ安価で腕もいい。
タイでの滞在日数10日間のうち
入院5日間である。
仕事も3週間ほど休みをもらった。
店長である僕が
3週間も休みを取ることが
どれほど皆に迷惑かける事か。
そしてどれほどバッシング受けたことか。
しかし愛する人との結婚の為なら
そんなこと痛くもかゆくもなかった。
そしていよいよ手術を受ける日が近づいてきた。
タイへの出発の前日
僕はちさとと花に
ここまで来れたことに感謝の気持ちを伝えた。
そして僕は手術を受けに
タイへ発った。
手術自体はただ眠っているだけなので
なんとも思わなかったのだが
全身麻酔からちゃんと目覚めるか
それだけが心配になり
心臓がどきどきした。
そしていよいよ手術室に入っていった。
身体に何本かの点滴が入り
血管に何か冷たいものが入ってきたと感じた瞬間
意識がなくなった。
看護師さんのワン、トゥー、スリー!の声で
ストレッチャーから病室のベッドに寝かされた。
僕はその時麻酔から目覚め
生きて帰ってこれた!良かった!と思った。
そして、あんなに悩まされてきた胸が
平らになっているという感覚を味わった。
そのことがただただ嬉しかった。
僕はまた大きな一歩を進んだ。
皆さん、こんばんは
元女?!のくらさんの妻、ちさとです
私のお両親への挨拶の時の話
本当ドキドキしたな
私の両親は結構、普通主義と言うか
世間体を気にするタイプだから
反応が怖かったなこわみー!
でもさすが私の両親
私と花のことを1番に考えてくれました
それはそれは複雑な顔してたけどね
私も真剣に想いを伝えたよ
恥ずかしいこともね
でも大切なことだから
今では本当にくらさんのことも
家族だと思ってくれてます
お父さん、お母さん、ありがとう
私は自分の気持ちに正直になって
くらさんと一緒になって
今本当に本当に幸せです乾杯!
そしてとうとう手術
私は日本で10日間待ってました
もう不安で不安でソワソワしてたな
麻酔が切れてすぐ電話してくれたんだけど
本当安心した
麻酔から覚めてすぐだったから
くらさん呂律回ってなかったけど
喜びが伝わってきた電話でした
今回も
クラさんの涙あり笑いありの人生story
いかがでしたか?
また次回も読んでくださいね
今日も最後まで読んでくれて
本当にありがとうございました
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