今回はコラムです。たまには気分を変えて経済の話をしてみようと思います。

 

経済の話でありますが、これを心理学的にとらえるとどのようなことになるかであります。否、むしろ今回は心理学的に考えたほうが面白みがでるのではなかろうかと思われます。

 

近年、テレビドラマにおいてのストーリーの主流は主人公が誰かを助けたり、知恵者であったりするものがほとんどであります。つまり、元型の基準で現在のテレビドラマの主流を分析すると、「英雄」と「老賢者」となります。これが主流とわかっているわけですから、これ基づきテレビドラマを作ればスポンサーが集まり、非常に質の高いテレビドラマを作ることができ、好循環が生まれるのではないでしょうか?となります。

 

このようにして考えてみますと、市場の原理とは?と根本的な問いに立たされます。上述のような議論は、ただ単に儲かればいいのか?という話の展開になりがちであります。確かに、儲かるだけでよいわけではなく、よく考えて結論を出すことが大切でありますが、市場は人間が作っているものであり、そこに人が集まり取引がされるのであれば、やはり相場を大切にしなければならないと思っております。よって、その相場が分かっているのであれば、それに従い、適切な対応をとることが大切だと私は思っております。

 

これもまた面白いことに、今から30年ほど前は恋愛もののテレビドラマが流行しておりました。つまり、アニマ・アニムス問題を取り上げたドラマがその当時の主流であり、そう考えると、その当時にこれらのテレビドラマに感動を覚えた多くの人は、アニマ・アニムス問題に大きな関心を寄せていたと考えることができます。

 

それから30年の時が過ぎると英雄であるとか老賢者の元型をイメージさせるドラマが主流になっているとなると、人間の心に大きな変化が、しかも、分化の程度が非常に高くなってきていると予測することができます。とりわけ、老賢者のさらに上の元型となると「自己」となりますから、日本人の分化の程度がもっと高くなると、次はUFOを題材にしたテレビドラマが主流となるかもしれません。UFOが主流ではなくても、宇宙などを題材としたテレビドラマが主流となるのではなかろうかと思われます。

 

自己の領域に達するとそれ以上の元型はありませんから、当然、限界がやってきます。そうすると人間は新しものを求めようとします。その時に求められる元型に始源児などの元型をイメージできるテレビドラマが求められるものと考えられます。

 

このような私なりの考え方が市場の原理であるとは思っておりません。主流なるものを考える時、このような考え方で進めると、事は運びやすいのであなかろうかと思われます。これはあくまでも主流を大局的につかむことだけに限定されます。市場は主流だけで構成されているわけではありませんから、当然のごとく私の市場倫理には大きな欠陥があると批判されることになります。

 

しかし、この難しい時代を切り抜けていただければと思い、せめて切り口だけでも提供できればと思い、コラムとしてみました。また、テレビドラマを見る視聴者の方々も、これまでとは少し違うテレビドラマの見方をすることにより、面白さが倍増するかもしれません。深層心理学の理解を深めてゆくためにも、難しいかもしれませんが、このようなテレビドラマの見方を身に着けていただければ、それだけでも大きな成果へとつながるかと思われます。

 

ご高覧、ありがとうございました。