ようやく激務の季節を抜けました。

これからは夏休みに向かって、ゆるゆると過ごして行きたいものです。


激務で、梅雨で、蒸し暑い。

こんな不快指数200%のような時は、聴く音楽が両極端になりがちです。


土日は疲れたカラダと心に効く、癒し系の音楽が増えます。

癒し系といってもロックではあるので、それなりですけどね。


そして激動の平日は、破壊力のあるヤツ。

うっとおしいあれやこれやを、ぶち壊して行ってくれそうな音楽。


破壊力系は、もともと大好きな系統ではあるんですが、聴く機会が減ってました。

自分の嗜好が変わってきたかな、と思ってましたが、いいアルバムに出会えてなかっただけのようです。


てことで、ここ1カ月ほど、ヘビロテだった破壊力系。


Iceage "New Brigade" と、The Psychic Paramount "Ⅱ"

New Brigade/Iceage
¥1,700
Amazon.co.jp
II/Psychic Paramount
¥1,276
Amazon.co.jp

詳しくは、気が向いたらレビューしますが、前者は平均年齢17歳(!)のデンマーク出身のグループ。

それでも音のたたずまいが素晴らしい。

なんとも背筋がピッと伸びた感じで、緩みのない緊張感に溢れた音を出してくれます。

その昔、New Wave に入れ込んだ時の感覚が蘇ります。

若いけど、いや、若いからこそ、ここまでの音が出せるのか。

末恐ろしい。


後者は、NYのインストゥルメンタルトリオによるセカンド。

これだけ強く迷いのない音を聴いたのは久しぶりです。

ほんとにたまらない。

This Heat が好きな人にもオススメ。

後期キングクリムゾン派にもね。

これ聴くたびに、恍惚となります。


きらいな人は、大っきらいというものですけどね。


この曲、すごくいいなあ。
ピアノの音と旋律が、とてつもなく美しい。

Radiohead "The King Of Limbs" の Little By Little を Caribou がリミックスしたもの。



でも、リミックスしたCaribou がすごいだけで、Radiohead がすごいわけじゃないんだよね。
Radiohead のオリジナルとは別の曲として評価したい。
やはり彼らの世界観は、どこかにすっ飛んでいるので。

どちらが好きかと言えば、どちらを選べと言われれば、オリジナルですよ、やっぱり。
やはり密度感に圧倒的な差が出るし、トムのボーカルもそれがそこにある必然性に薄いですからね。

すでに最近のことではないけれど、リミックス別バージョンには、いつもちょっと複雑な思いがあります。
オリジナルを素材として扱った、まったくの別物と割り切れればいいんですけどね。

万が一、オリジナルよりもリミックスが良いなどと感じたら、その後にそのミュージシャンとの距離感が変わりそうな気がするので、ちょっと危険だしね。


去年はあれほどご紹介したブルックリン系のインディですが、今年は不思議と当たりが少ないです。
というよりも、そもそも数が少ない。
ブームが過ぎたとかそういう現象面ではないと思うけど、去年がアルバムリリースの当たり年だったんでしょうね。

そのブルックリンを中心としたNYインディの盛況を支えている人たちの中心に、このグループがあることは間違いないでしょう。

Grizzly Bear の 3rdアルバム、 "Veckatimest"

これは2009年発売ですが、刺激に満ちたアルバムです。

Veckatimest (WARPCD182)/Grizzly Bear

¥1,362
Amazon.co.jp


一聴して、捉えどころないロックだな、と思った人は多いでしょう。
自分もそうでした。

Dirty Projector の傑作アルバム、Bitte Orca もそうでしたが、通常のロックのボキャブラリだけで創られていない。
カタルシスへ向かって調和しないんですよね。
メロディも、演奏も、構成も、肝心なところでハズされる。
本人たちは、特にロックを演ってる意識はないかもしれませんね。

自分たちが創りたい音楽を、やりやすい編成でやったらロック的なものになっただけなのかもしれない。

あちこちに繊細な美しさが潜んでいます。

あの傑作アルバム、The Morning Benders の Big Echo をプロデュースしたのが、メンバーのクリス・テイラーであり、そのアルバムで終始印象的になってきたノイズとレトロ感たっぷりのギターをここでもたっぷり聴くことができます。

盛夏の直前に吹く夏の風のように、熱気に溢れながらも爽やかで、かすかにノスタルジック。

都会的でありながら、オーガニックな自然にもマッチする。
朝の空気にもなじむし、夜のとばりも受け入れる。
独特のバランス感覚。

このPV、好きなんですよ。イマジネーションと色の奔流。




枠にはまっていないので、展開も自由。
その自由さゆえに、最初からとっつきやすい音楽ではありませんが、聴けば聴くほどこのアルバムの魅力がじわじわと伝わって来ます。

ありきたりに終わらないフレーズやアイデアの数々。
Radiohead とは方向性もまったく違いますが、知的な好奇心を満たしてくれるロックであることは共通項でしょうか。



King Crimson の自他ともに認めるリーダー、Robert Fripp 。
Crimson を始動するも、解散するも、彼の意向ひとつで決まるこの40年。

まあ、ほんとによく解散して再結成してきました。
初期の頃はメンバー間の合議制に近い形で、それほど絶対的な権力は持っていなかったようですが、Islandあたりから自分のやりたい音楽をかたちにするのがKing Crimsonというユニットである、という意思を強く出し始めました。

その後は気に入ったメンバー以外は総入れ替えをしながら、2~3年単位で新たなカタチを模索していきます。

Robert Fripp による独裁制。

2008~9年には新たなラインナップで始動開始しようとしたところ、1980年代から不思議とメンバーであり続けたエイドリアン・ブリューが、クリムゾンの再始動ツアーと同じ時期に自分のソロ活動をダブルブッキングしていたことが判明し、御大Frippがこれに激怒。
ブリューがソロスケジュールを修正するなどで謝罪してもこれを受け入れず、拗ね切った御大は、クリムゾンの再結成自体を白紙に戻してしまいました。

御大は、理由として、これは意思の問題である、意思のエネルギーが向かないのであれば活動を再開しても意味がない、といったような主旨の発言をしております。

まあ、完ぺき主義もいいですが、こんなことやってたらそのうち人がついてこなくなるよ、と思うのは素人だからでしょうか。
ビル・ブラッフォードなど最近参加させてもらってませんが、クリムゾンが恋しくてたまらないみたいですし、達者なトニー・レビンなど、ピーター・ガブリエルの次にプライオリティが高い活動のようですね。
孤高の才能は、それだけで人を惹きつけるのかもしれません。

ところで、御大の最新プロジェクトのアルバムが発売になりました。
御大は、いくつものプロジェクトを手掛けていますが、あのクリムゾン商法に乗るものかと思っている自分としては、King Crimson と名のついたもの以外には手を出さないと、決めております。

Jakszykのアイデアを中心に、Frippと、第4期というKing Crimsonの黄金期メンバーだったMel Collins を加えて制作したこのアルバムは、正式グループ名は Jakszyk, Fripp And Collins でありながら、 King Crimson Project なぞという副題がついてます。

ほら、↓このAmazon でのミュージシャン名も、正式名じゃなく副題を持ってきてますね。

Scarcity of Miracles/King Crimson Projekct

¥2,129
Amazon.co.jp

この副題が曲者。
なんだよ、Projectって。

 ① King Crimson っぽく聴こえるが、King Crimson と呼ぶレベルではないので。
 ② まさしくKing Crimson レベルの音楽だが、未だ流動的なので。
 ③ まったく別物の音楽だけど、セールスを上げるために付けてみた。

自分の聴いてみた感触からいうと、③ですね。
明らかに音の強さ、緊張感が King Crimson レベルではないし、カンタベリー風イージーリスニング・プログレといった趣の音楽です。

この副題さえついてなきゃ、まあそれなりに気持ち良く聴ける音楽という評価を下せたものを、この副題がついてるだけに期待値が多いに盛り上がってしまい、売るためだけにKing Crimsonなどと付けるな~と言いたくなります。

メル・コリンズのサックスも、とてもRedを吹いてた人とは思えないし、御大Frippのギターもときどき鳴ってますが、優しい響きで彼じゃないみたい。



ただ、とっても音のいいアルバムです。
そこは評価。
DVD-Audio 版もついてる2枚組もあるし。

マニアの人はこっちを買ったんでしょうね。
自分は、0.001秒悩んだけど、レギュラーバージョンにしました。

どうせ、その差がわかるほど優れたDVD-Audioシステム、持ってないしね。



東京電力の株主総会に行ってきました。


自分が株主ということではないけれど、知り合いの議決権行使書を借りて、株主として入場。

仕事の都合で11時半までしかいられなかったけど、ひどい株主総会でしたね。


ニュースなどで観た方も多いと思いますが、会場まわりは警官だらけ。

会場の中も、目つきの悪い、背広を着慣れてない警察関係の人たちばかり。

その他テレビ局や新聞社、本来は主役であるはずの株主が、監視対象や見世物として扱われてます。


株主総会自体は、初めから大株主の委任状を取ってある会社側の勝利は決まっているので、すべてが茶番であることは仕方がないところです。

会社側は、株主総会が始まる前から、半数以上の賛成を確保できてるので、すべての決議は会社の思う通りに決まるんですよ。

あとは法律に則って、正しい議事進行をするだけ。


株主が何を言おうと、どんな質問を出そうと、余計なことは言わない、事前に決めた想定以上の話はしない、淡々と進めるだけです。東電はそれだけ意識してたはず。


だから、株主からの質問にも、正面から向き合おうとしない。

何を聞かれているのかわかっているくせに、はなから無視して、決められた回答を淡々としゃべるだけ。


そうすれば、どんなに時間がかかろうが、どんなに罵詈雑言を浴びようが、株主総会無事終了となります。


これはあの冷徹な勝股会長が議長となることで、目標は達成できたも同然です。

何を言われようと、泰然として議事進行してましたね。


テレビで、老後の資産として買いだめた東京電力の株式4700万円分が、300万円になってしまったという人がインタビューに応えてました。配当も年間60万円がゼロですからね。

今後20年で5900万円になってたはずの資産が、1/20ってことですよ。


原発事故の直接被害者も大勢いらっしゃいますが、こういう人たちも直接的な被害者です。

人数的にも、相当いらっしゃるでしょう。


やはりあの原発事故は、人災の側面が大きいです。

東京電力は、いったい何人の日本人を不幸にしたのでしょうか。


そして東京電力は、本当に彼らに真摯な態度で向き合おうとしているのでしょうか。