実は、Arctic Monkeysの全体像を良く知りません。

ほとんどの人が、デビューアルバムやセカンドアルバムをリアルタイムで聴き、その出来栄えに衝撃を受けたんだろうと思います。

自分が初めて彼らの音楽をちゃんと聴いたのは、NHKのハイビジョン音楽番組です。
たしかイギリスでのライブ映像で、1時間半程度の番組を見ました。

モノクロのライブ映像で、たぶんファーストとセカンドからの選曲でしょう。
アグレッシブでタイトな演奏には好感を持ちましたが、番組中ずっと違和感を感じてたのが、アレックスのボーカルです。
微妙に音程がはずれてて、一本調子。
最後まで見なかった記憶があります。

その後にリリースされた3rdアルバム、Humbug 。
ライブ映像で見た音楽とも違う、ゆったりとした重いグルーブ感のロック。

それなりに魅力的ではあったものの、入れ込むほどには聴かず、強い印象を残したアルバムではありませんでした。
その後も、彼らの音楽には断片的に接触してましたが、そんなわけで特別な思い入れはありません。

まあ、そんなわけで今回のアルバムも期待はそれほどでもなく、むしろ今回ピンとこなかったらウォッチリストから外れる可能性もありました。

というわけで、 Arctic Monkeys "Suck It And See"


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大きく期待を裏切ってくれました。

ここにあるのは、ポジティブに軽やかに駆け抜けるロックです。
前作にあった、重く引きずる様なグルーブ感はほとんどありません。
というよりも、それ系の曲がトータル感の中でしっかりとポジショニングされているので、くどくなることがありません。

そのバランス感の中心にあるのが、優れたメロディ。
ともすれば甘過ぎる直前までいきそうなメロディが、重いグルーブをいなし、強靭な曲でもメロディがしなやかさを産み出しています。
そして抜けのいい演奏。

特に後半の美メロの連続攻撃にはやられます。
まさに、全編が聴きもの。

アルバムバランスの中心は、このあたりでしょうか。


表題曲。これも好きです。


ヘヴィだけど重くならない。


美メロメドレーの一角。


好きか嫌いかは別にして、3rdでもこのアルバムでも、彼らはその時に自分たちがやりたい音楽を知っていて、その音楽をしっかりとカタチにしてきます。
不思議と迷いのない、ストレートな表現で。

すでにイギリスのロックシーンでも中堅どころのポジションなんだろうと思いますが、シーンを活性化するのはイキのいい新人の出現と、実力と実績を兼ね備えた中堅どころのエネルギーの、両輪が必要です。

常に自分たちのやりたいロックの形を模索し続け、けれん味なくそれをカタチにしてくる。

普遍性を土台に、時代性をエネルギーに、過去に固執することなく軽やかに駆け抜ける彼ら。

今のブリティッシュ音楽シーンに必要不可欠なエンジンです。


惑星の直列じゃないけれど、CD発売の特異日、ってありますね。


待ちに待ったあのミュージシャンのニューアルバムと、それほど待ってなかったけど馴染みのグループの新作、前評判が異常に高いミュージシャンのデビューアルバムと、HMVのセール開始と、ポイント5倍デーと、タワレコの割引カード配布日が見事に重なる日。


おまけにその日に店頭に行ってみると、予想外のアルバムも入荷してたり、あの名盤のリマスターが売ってたり。


ここしばらく、なんかそそるアルバムがないな~と思ってたらいきなり、これだ!

どこにいって、何を買えばいいのか。。。


もうちょっと、分けるとか、時期をずらすとか、リスナーに配慮してもらいたいものだ、などと勝手に感じます。


話題は変わりますが、そのうちの1枚、Bon Iver 。

間違いなく素晴らしいんだけど、あのピッチフォークの高得点がどうにも気になります。


やっぱり独特の世界観の音楽ですからね。

どこでも誰でもこれ聴いていいね!となるわけじゃ、ありません。


ピッチで9.5点がついたなら買わなきゃとか、これがいいと思えないのはだめだ、とか、何か脅迫されてるような気がするんですよね。

それに点数だけで話題先行ってのは、音楽には、特にこういうゆっくりじっくり聴くタイプの音楽には、悪影響が多いと思いますね。


もし、Bon Iverに興味がある人は、自然体で聴くことをオススメします。

音楽には好き嫌いがあって、当たり前ですから。


1日が長くなってきました。


会社で残業していても、19時くらいまではまだまだ外が明るく、空の青さを見ることができます。


1年で一番、太陽が出ている時間が長い時期。

こんな日は、本当は残業なんてしてないで、早く会社を出て夕食までの時間を外で楽しみたいものです。

でも毎年この時期はダメなんですよね。

業務多忙で、さっさと会社を後にすることができません。


新緑に溢れる高原にも行ってみたいし、雨に濡れる満開のどうだんつつじも見てみたい。

ゆっくり楽しむためには、平日に休みを取って泊りがけで出かけたい。


でも、休みがなかなか取れません。

休日に行っても、往復の高速道路の大渋滞で疲れるだけ。

なので、やっぱりこれもダメ。


どうも自分の生活の中から、この時期ならではのポジティブな季節感が抜けてるようです。

蒸し暑いとか、スーツなのに雨が多いとか、ネガティブな季節感ばかり。

梅雨の季節も、楽しむ心情になれれば、それなりの風情があるはずなのに。


その他にも、夏もそうですね。

休みを取って行く海や山には、夏ならではの季節感溢れるいい体験や思い出がたくさんでき、これも何度でも味わいたい、ポジティブな季節感。


酷暑の中、汗をふきふき都心を重いカバンを持って歩いたり、ムンムンの満員電車で消耗したり、熱帯夜のビルの谷間で寝苦しかったりは、ネガティブな季節感。


どうも都心で暮らしてると、全般的に季節感がネガティブになりがちです。


もちろん自然豊かな場所では、都会では考えられない自然の猛威にさらされることもあり、良いことばかりではないことは百も承知ですが。


それでも毎年、強烈に自然に憧れる、この季節。

早く夏休みにならんかな~


今日の東京は、午後から雨になりました。

梅雨ではあるけれど、梅雨入りしてから比較的気温は低い日が多く、それほどの不快感はなく日々を過ごせてましたが、明日から気温が上がり気味、ついに日本の梅雨が始まる雰囲気が。。

穏やかに過ごせる雨の日。
こんな日はしっとりとした音楽に浸りたい。

J.Mascis "Several Shades Of Why"

J.Mascis って名前は知ってて、ああ、Dinosaur Jr. の人ね、くらいの感じでした。
そもそもDinosaur Jr.の音楽自体、ほとんど聴いたこともなく、J.Mascis のビジュアルインパクトがすべてのような状況の自分です。

なので、ソロアルバムが出て、アコースティックなアルバムと聴いても、まったく食指は動かず。
ジャケットが妙にかわいらしいのは目を引きましたが、ふーん、てなもん。

ところがあるサイトで、このアルバムにものすごく感激してる人がいて、もう一生放さん、などと書いてあったので、興味を持ちました。
そしてそこのYouTubeで聴いてみると。

なになになになに??

ビンビン響いてくるじゃありませんが。

その声、そのギター、そのメロディー。

アコースティックなギターの響き、ノイズを含んだエレキの響き。
このアルバムにはドラムスを入れないと決めて、制作に入ったそうですが、その思い切りがこのアルバムを一層魅力的にしましたね。

ジーンとしっとりくる曲が多いです。
そして歌声が実にシブい。









ここのところ、こういったシンプルでアコースティックでグッド・メロディを持つ曲に惹きつけられることが、本当に多い。
他にも Paul Simon など、昔は見向きもしなかったミュージシャンの音楽を聴いていいなあ、と思うようになりましたね。

デジタルビートの反動ということや、自分の音楽的衝動の変化、いろんな理由が考えられますが、やっぱり普遍的でスタンダードな音楽のカタチだということなんでしょう。

今までは、音楽に刺激や新しさを多く求めていたけれど、ミュージシャン自身が音楽としてストレートに出てくる、こういった根源的な音楽の魅力はやはり捨てがたいものがありますね。

Several Shades of Why/J. Mascis

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なんだか無性に Amnesiac が聴きたくなって、聴いた。
やっぱり、いい。

このことはRadioheadのアルバム全般に言えることだけど、時々体と脳と感情が彼らの音楽を欲する時がある。
特に、OK Computer、Kid A、Amnesiac、In Rainbows 。

The King Of Limbs はまだその域まで行ってない。
というか、たぶん行かない気がする。
素晴らしいアルバムでRadioheadの進化形であることは確かなのだけど、その3枚と比べると感情の奥底に到達するなにか、が足りない。
確信犯的に、わざとそれを抜いてるような気もするが。

優れたアルバムと、のめり込むアルバムの、微妙なズレ。

そして、Bendsにはそこまでの思い入れがないし、Hail To The Thief はまだ聴かずに取ってあるし。

自分にとって、一番のアルバムはどれか。

僅差で、OK Computer かな。

でも、この3枚のアルバムには、素晴らしく感情を揺さぶる刺激的なノイズがある。
まさに、ノスタルジックなノイズの固まりです。
その中で、ノイズレベルが少しだけ高いのが、OK Computerですかね。

頭で、感情で、カラダで聴き込める。
つまり自分そのものが音楽に反応できる。
そして、そこには常に新しい刺激がある。

これが自分にとっての、Radiohead の凄さなんだろう。