去年はあれほどご紹介したブルックリン系のインディですが、今年は不思議と当たりが少ないです。
というよりも、そもそも数が少ない。
ブームが過ぎたとかそういう現象面ではないと思うけど、去年がアルバムリリースの当たり年だったんでしょうね。

そのブルックリンを中心としたNYインディの盛況を支えている人たちの中心に、このグループがあることは間違いないでしょう。

Grizzly Bear の 3rdアルバム、 "Veckatimest"

これは2009年発売ですが、刺激に満ちたアルバムです。

Veckatimest (WARPCD182)/Grizzly Bear

¥1,362
Amazon.co.jp


一聴して、捉えどころないロックだな、と思った人は多いでしょう。
自分もそうでした。

Dirty Projector の傑作アルバム、Bitte Orca もそうでしたが、通常のロックのボキャブラリだけで創られていない。
カタルシスへ向かって調和しないんですよね。
メロディも、演奏も、構成も、肝心なところでハズされる。
本人たちは、特にロックを演ってる意識はないかもしれませんね。

自分たちが創りたい音楽を、やりやすい編成でやったらロック的なものになっただけなのかもしれない。

あちこちに繊細な美しさが潜んでいます。

あの傑作アルバム、The Morning Benders の Big Echo をプロデュースしたのが、メンバーのクリス・テイラーであり、そのアルバムで終始印象的になってきたノイズとレトロ感たっぷりのギターをここでもたっぷり聴くことができます。

盛夏の直前に吹く夏の風のように、熱気に溢れながらも爽やかで、かすかにノスタルジック。

都会的でありながら、オーガニックな自然にもマッチする。
朝の空気にもなじむし、夜のとばりも受け入れる。
独特のバランス感覚。

このPV、好きなんですよ。イマジネーションと色の奔流。




枠にはまっていないので、展開も自由。
その自由さゆえに、最初からとっつきやすい音楽ではありませんが、聴けば聴くほどこのアルバムの魅力がじわじわと伝わって来ます。

ありきたりに終わらないフレーズやアイデアの数々。
Radiohead とは方向性もまったく違いますが、知的な好奇心を満たしてくれるロックであることは共通項でしょうか。