そろそろ、腹の痛みが治って来て、少し動くたびに顔を顰める事はなくなって来た。


まあ、大穴開いてるんで、そこに圧がかかったり、強く腹筋を使う場面があるとまだまだ辛い。


仕事は物を運ぶ仕事をしていたので、復帰迄にはまだまだ日にちがかかってしまいそう。


今日も腹膜透析のみという、割と時間に余裕がある一日の予定となった。


ただ、今日からは1リットルを腹に4時間滞留を2セットやるという、考えようによっては8時間透析やってる感じで過ごした。


しばらく何日かはこの感じでやっていくみたいだ。


これだと、構えている時間が長くなる分、何かやってる感はあるのだが、大概は待ち時間という状態である。


その間に、今日は姉が見舞いに来た。


傍らに知らないお兄ちゃんが、居るなあと思ったら、甥っ子だった。


僕ら兄弟はちょっと複雑な関係があって、殆ど関わりが無い。


かなり不思議に思われるかも知れないが、最近事情が変わって会う機会が出来たのだが、病気になる前は15年程会ったことは無かった。


ちなみに恥ずかしい話だが、姉貴の4人の子供のうち、末子の甥っ子に会うのは今日が初めてだった。


もう、30近い歳らしい…


さらに恥を晒すなら、姉貴の旦那は未だに会った事は無い。


久しぶりに会った姉貴は丸々と太っていた。


誤解の無いように言っておくが、仲は悪い訳ではない。


どちらかと言えば、お互い割と気さくなタイプなので、会うと極めて楽しく喋る。


散々、やいやい楽しく話して、最後に姉貴は「ほいお土産!」とこんなものを置いていった。


こういう所が不思議ちゃんだよなぁ…と、我が姉貴ながらつくづく思った。


病室に戻ったら、看護師さんが書類用の写真を撮りましょうなどと言うので、撮ってもらった。


昨日も書いたけど、特定疾病療養受療証と難病医療費助成制度の申し込みは早くしないと対象外になってしまうので焦っている。


間に合わなければ、恐ろしい金額の請求書が来る。


併せて、市役所に障がい者手帳の申請もしなければならない。


自分がヘルプカード持ちになるなんて、思ってもいなかった。



人生ってわからないものだ…

突然だけど部屋を変えられた。


昨日まで6人部屋を2人で使っていて、おじいちゃんが退院してしていってしまったので、個室?とか喜んでいたら、朝隣に移ってくれと言われた。


適当に荷物をまとめてお引っ越し。


隣に来てみたら、寝たきりの高齢者と2人でまた6人部屋使うらしい。


なかなかに気難しい人っぽくて、来て早々に看護師さんに飯が気に入らないと文句言ってるところだった。


その後も食事を片付けに来た人に「まだ食べてるのに、いちいちうるさく言うな!」とか怒っていて、こりゃまた面倒な人と一緒になったな…とげんなりした。


しかも、寝たきりで動かないからか、なんか異臭がする。


まぁ、金無くて個室入れない俺が悪いのよね。


文句はこれくらいにしておこう。


今日もレントゲンと腹膜透析しか無くて、暇な一日だった。


怖い事にそんな日常に慣れてきて、暇な時間をベットで寝転んでぼーっと過ごすに違和感を感じなくなって来た。


俺、社会復帰出来るんだろうか?


腹膜透析の方は初めて1リットルの透析液を腹に溜めて4時間置いて出すというのをやった。


本来の腹膜透析とは、2リットルで4時間腹に溜めて、また出してというサイクルを毎日2回やるというものだ。


自分は寝ている間に、機械がその分をやってくれる方式を選んだのだが、基本はこちらなので、まずはこれを完全に習得する事になる。


災害時など電力があまり使えない時などは、この方式をマスターしてないと、透析が出来なくなってしまう為だ。


それにしても、腹から管が出ている状態は、予想以上に邪魔臭い。


固定ベルトなるものをネットで購入して、腹に巻いて腹から出てる管を収納してるのだが、収まりが悪くて、しょっちゅう飛び出している。


腹から出ている管を引きずって歩いてる姿は滑稽以外の何者でも無い。


しかも、外と腹の中を繋いでいるのだから、丁寧で衛生的に扱わないといけないデリケートなものなのに、そんな扱いなのだ。


そのうち大変なトラブルを起こしそうで怖い。


そして、職場の同僚からLINEが来た。


居ない間に人事があって、世話になった上司が異動になったらしい。


職場に復帰したら、その人はもう居ないと聞いて、なんだかとても寂しい気分になった。


また、医療費の補助を受ける為に様々な申請をしなければならないのだが、自分がこんな状態の為、かみさんに頼んでいるが、伝言ゲームみたいで中々に上手くいかない。


病院側に申請書類を依頼したら、平気で2週間くらいかかりますなんて言う。


それじゃ、申請に間に合わないので、ドクターに文句を言って早くしてもらう様に頼んだ。


期限に間に合わないと超多額の請求が来る事になるから、こっちも必死になっている。


貧乏人は長期入院なんて本当は出来ないのだ。

そろそろ、いつまでこの人入院してるんだろ?と思われてそう。


入院してから3度目の日曜日。


日曜日は基本休診なので、割と病院は閑散としています。


そういえば入院する前は晴れ続きで雨降った記憶殆ど無いのだけど、入院してから割と天気悪い日多くなったような。


俺、晴れ男なのだよなーと変に自覚してみた。


今日も腹膜透析の練習を一回しただけという、何だかよくわからない1日を過ごした。


まぁ、腹に開けた大穴のせいで、いまだに腹痛くて何もする気にはならないのだけど。


小一時間の用事こなす為に丸1日入院してると考えると、本当にコスパ悪いよね。


でも、入院してみたらそんなのばかりの毎日なんだよね、俺社会復帰出来るのかな?


暇ついでに、同室の方々の話を少々させてもらおう。


昨日書いたけど、6人部屋に最初4人で入っていたんだけど、3個づつ2列に並んでる感じの4隅に居た。


自分は窓側で明るくて眺めはまあまあでした。


ただ、最初隣にいた人が割と神経質な人で、俺が寝るといびきがうるさいとずっと文句を言ってた。


ただ、直接言って来ないので、放っておいたら、他の事でも周りの人に文句言いまくって、なんか自分から別の部屋に移っていった。


どうやら、部屋変わるのに別料金が、発生するらしいけど、それ払ってでも変わりたいというなら、仕方ないよね。


そう思っていたけど、移っていった部屋でも揉め事起こしてるらしく、大声で文句言ってる声が、廊下に響いていた。


その人が出た後は3人になって、自分と同年代と思われる寝たきりの人と、93歳というご高齢のやたら元気なお爺さんと自分という構成になった。


この同年代の寝たきりさんが、動けないせいかナースコールを押しまくる人で、毎日2〜30回は呼び出していた。


また、そういう生活が長くなってるのか、やたらと看護師さんに横柄な態度を取る人で、全て命令口調でいろいろやらせていた。


面白かったのは、看護師さんがよく痛みについて「10段階でどの位痛いですか?」という質問をするのだけど、その人は「12」とか言って、看護師さんを困惑させていた。


でも、ある日隣のベットの俺に看護師さんが同じ質問をした時に、「凄い痛いけど、気を失うほどじゃないから5ぐらいかな」と答えているのを聞いていたらしく、急に同じ質問に「6」とか常識的な数字を言うようになった。


ただその後、感染症にかかったらしく、隔離病室に移動していった。


そして、残った超高齢の元気なおじいちゃんと今は2人で6人部屋を使っています。


このおじいちゃんもなかなかの癖もので、高齢者特有の声のデカさや、動きの怪しさがあって、手強い。


よくわからないけど、ずっと「うーうー」唸ってるよなと思ったら、よく聞いたら鼻歌だった。


そして、ちょっと動くときにも、フルボリュームで「よっこらしよー」叫ぶ。


多分耳が遠くなってるから、音量調整が出来ないんだよなぁ…と、文句は言わない事にしている。


そんな御老公も、明日一時退院されるとのことで、そうしたらこの6人部屋俺1人になっちゃうよなぁ…と不思議に思っている。


今、日本の医療って基本病床不足とか言われてたのは、もう古い話なのかな?


それとも、この病院建て替えになるらしく、隣に新病院作ってるけど、入れ替えの為受け入れ減らしてる?


それなら、俺も出されちゃう?