5.物件(まとめ)
物件・・・物を直接支配して、そこから一定の利益を得ることのできる権利
ex)物の利用を目的とする 所有権・地上権・地役権
債権・・・特定の人に何かを請求する権利
ex)賃借権等、賃金債権、損害賠償請求権
地上権 賃借権
①抵当権を設定できるか ○ ×
②地主の承諾なしに譲渡できるか ○ ×
③登記できるか ○ ○
5.共有(まとめ)
共有物の管理は、行為の種類に応じて、次のように行われます。| 行為の種類 | 内容 | 必要数 |
| 保存行為 | 共有物の修理、共有物の登記など | 各共有者が単独でできる |
| 利用・改良行為 | 賃貸借契約の解除など | 持分の価格の過半数 |
| 変更・処分行為 | 共有物の売却、共有建物の増改築など | 共有者全員の合意 |
・共有物に対する持分は、自由に処分することができる。したがって単独で自己の持分を譲渡することも、自己の持分に抵当権を設定することもできる。
・共有物についての賃貸借契約を解除する行為は、管理行為にあたる。共有物について管理行為をするには各共有者の持分の価格の過半数で決することが必要。
・共有建物を増築する行為は、変更行為にあたる。したがって共有者全員の同意が必要
6.抵当権(まとめ)
用語の意味をおさえる。
抵当権において、自己の不動産に抵当権を設定した者のことを抵当権設定者(=C)
抵当権によって回収を確保される(=担保される)債権のことを被担保債権といいます。
また、他人の借金のために、抵当権の目的物を提供する人のことを物上保証人(=C) といいます。
抵当権者・・・債権者のこと(ex.住宅ローンを組んでいるときの銀行)
抵当権設定者・・・自己の不動産に抵当権を設定したもの(ex.住宅ローンを組んでいるときの私)
抵当権は、その担保する債権に不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。
抵当権消滅請求手続として所定の書面を登記した債権者に送付することを義務付けているが、当該送付書面について裁判所の許可を受けることまで必要としていない。
もし、あなたが人にお金を貸したなら、ちゃんとお金が返ってくるか心配ですよね。でも心配ご無用です。
民法には、貸したお金を取戻す方法が2つ用意されています。
物的担保⇒抵当権
人的担保⇒保証債務 です。
ここでは抵当権についてみていきます。
抵当権
・当事者間・・・・登記なしで効力が生ずる。
・対第三者・・・・登記がないと対抗できない。
・抵当権は、他の債権者に譲渡することだけでなく、他の債権の担保(=転抵当)もできる。
抵当権の4つの性質
①物上代位性・・・抵当権,その他の担保物権を有する者は、そのお金を差押えることができる。
物上代位・・・目的物の代わりの物に抵当権を行使すること。
ただし、物上代位を行うときは保険金や売買代金などが抵当権設定者(債権者)に払い渡される前に、抵当権者(債権者)自身が差押えることが必要。
参考過去問⇒宅建過去問H11問4-①
(AがCに対して賃貸借契約に基づき賃料債権を有している場合、Bは建物に対する抵当権に基づく差し押さえ前であっても当該賃料債権を抵当権に基づき差押えることができる。)A・・・抵当権設定者 B・・・抵当権者 C・・・賃借人
②不可分性
抵当権の一部が消滅したとしても、抵当権の効力はそのまま目的物の全体に及ぶ
③随伴性
たとえば抵当権者Aが、被担保債権をCに譲渡した場合、抵当権もその被担保債権にくっついてCに移転することになる。
④付従性
被担保債権が時効消滅したり、全額弁済によって消滅すれば、抵当権も自動的に消滅する。
抵当権消滅請求
☆賃借人に保護について
○任意売却の場合
任意売買による新所有者は、賃借人との賃貸契約を引き継ぐことになります。当然に賃借人はこれまでの賃貸借契約をそのまま継続することができますし、借家人としての法的な保護も受けます。敷金は新所有者から返還を受けられます。(宅建の問題でいうと、賃貸借のところですね)
○競売の場合
1) 賃借人の入居日が、第一順位の低当権設定日より早い場合には「任意売却」と同様に賃借人の権利は守られます。
2) 賃借人の入居日が、第一順位の抵当権設定日より遅い場合は、全く保護されません。
抵当権が設定された後の賃貸借は、原則としてそれが短期間のものであっても保護されない。つまり競売がなされた場合、賃借人は買受人に対抗できず建物を明渡さなければならないのであるが、次の3つの要件をすべて満たすことにより、賃借人は買受人に対抗できることとされた。
①賃借権が登記されていること。
②その登記について、抵当権者全員が同意していること。
③上記②の登記がなされていること。
7.その他担保物権(まとめ)
質権・抵当権=約定担保物権(当事者間の契約によって設定される担保物権のこと)
・質権は、動産だけでなく不動産にも設定することができる。
不動産質権は、目的物を使用収益できますが、その管理の費用や固定資産税などを負担しなければなりません。そして、目的物をしよう収益できる代わりに、原則として担保物権の利息を請求することができません。
8.債務不履行・解除(まとめ)
1.債務不履行
①履行遅滞、履行不能
債務不履行とは、正当な理由がないのに、債務者が債務の本旨に従った債務の履行をしないこと。
債務不履行には、履行遅滞、履行不能、不完全履行の3種類がありますが、
宅建試験では、おもに履行遅滞と履行不能がでます。
履行遅滞は、
①債務者の責めに帰すべき事由により、
②違法に
③履行が遅れた場合
に成立します。
履行不能は
①債務者の責めに帰すべき事由により、
②履行が不能になった場合
に成立します。
~債務不履行~
債務者は ①損害賠償を請求できる
②契約を解除できる。
この2つは両方同時にできる。
②債務不履行と危険負担
債務者の責に帰すべき事由
⇒あり(故意、過失)⇒債務不履行(例;タバコの火の不始末で家が消失)
⇒なし(不可抗力) ⇒危険負担(例;落雷で家が消失)
2.損害賠償
債務不履行が成立すると、債権者は債務者に損害賠償を請求することができる。
損害賠償の予定=違約金の定め
なお、この約束(=損害賠償の予定)は契約と同時にする必要はなく、債務不履行を生ずる前までにしておけばよい。損害賠償の予定が行われた場合、予定された額で賠償が行われ、裁判所もこれを増減できない。
※他人物売買における「担保責任」では、売主が権利を取得し買主に移転できなかったときでも、悪意の買主が損害賠償を請求することはできない。しかし、売主に責めに帰すべき事由がある場合、買主は「債務不履行責任」として、別途損害賠償を請求することができる。
3.契約の解除
履行遅滞の場合、相当の期間を定めて履行を催告し、その相当期間内に履行が行われなかった場合でないと、契約を解除できない。
履行不能の場合、催告することもなく、直ちに契約を解除できる。
まとめ
履行遅滞⇒催告必要
履行不能⇒催告不要
解除権の行使について解除は、買い解除権者の一方的な意思表示によって行われ、解除される相手方の承諾は不要です。
そして、いったん解除したならば、後でそれを解除することはできません。
契約者の当事者の一方または双方が複数人である場合、契約の解除は必ず全員から全員に対して行わなければなりません。
例えば、AとBの共有物をCに売却した場合は、契約の解除をする場合、AとBからCに対して解除の意思表示をしなければいけません。
また、Xの所有物をYとZが共同購入した場合は、契約の解除をするをする場合、XからYとZに対して解除の意思表示をしなければいけません。
解除の第三者は、善意・悪意は関係なく、登記の有無で保護されるかどうかが決まる。
解除権の消滅時効期間は債権と同様に、10年とされている。
POINT!!
解約手付が支払われている場合でも、相手方に債務不履行があれば債務不履行による解除ができる。
債務不履行による解除は、手付解除とは、まったく別個の理由によるものなので、手付放棄や倍額の償還はない。
9.債務の消滅・その他(まとめ)
1.弁済
・・弁済期未到来の金銭債権も代物弁済の目的とすることができる。
・・代物弁済の目的物が不動産の場合、代物弁済の効力が生じるためには、単に所有権移転の意思表示をなすのみでは足りず、減速として、所有権移転登記を完了させる必要がある。
3.相殺
相殺は、当事者一方の意思表示によって行います。この意思表示には、条件又は期限をつけることができない。
~弁済期未到来の債権による相殺~
相殺は原則として、互いに弁済期の到来した債権を有している場合にできる。
例外として、自働債権の弁済期が到来すれば、受働債権の弁済期が到来していなくても相殺できる。
※相殺する側から見て、債権にあたるものを自働債権、債務にあたるものを受働債権といいます。
~抗弁権の付着した債権~
自働債権に対して、相手方が抗弁権を有するときは相殺することができない。相殺を認めれば、相手方の同時履行の抗弁権を奪う結果になるからである。
重要例題
Aは、B所有の建物を賃借し、毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。またAは敷金300万円をBに預託し、敷金は賃貸借終了後明渡し完了後にBがAに支払うと約定された。
Q1.Aは、Bが支払い不能に陥った場合は、特段の合意がなくても、Bに対する敷金返還請求件を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対等額で相殺することができる。
×・・・本問の敷金返還請求件は、建物の引渡し後に発生することから、Aは明渡しをするまでは弁済期の到来した債権を有していないことになる。したがって、Aは敷金返還請求権を自働債権として、BがAに対して有する弁済期の登載した賃料債権と相殺することはできない。
Q2.AがBに対してこの賃貸借契約締結以前から貸付金債権を有しており、その弁済期が平成16年8月31日に到来する場合、同年8月20日にBのAに対するこの賃料債権の差押があったとしても、Aは同年8月31日に、このBに対する貸付金債権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債権と対等額で相殺することができる。
〇・・・受働債権となる債権が差押えられる前に反対債権(自働債権となる債権)を取得していれば、自働債権・受働債権の弁済期の前後を問わず、両債権が相殺敵状に達すれば相殺できる。
2.
10.保証・連帯債務(まとめ)
物的担保⇒抵当権
人的担保⇒保証債務
絶対効=『絶対的効力事由』・・・当事者以外の者にも効力が生ずること
相対効=『相対的効力事由』・・・当事者間においてのみ効力が生ずること
①保証債務(普通の保証)
保証契約は、書面または、電磁的記録によって行わなければその効力を生じない。
①付従性
(保証債務が主たる債務に付き従う性質のこと)
②随伴性
(債権者Aが主たる債務者Bに対する債権をDに譲渡すると、保証人Cの保証債務もこれに従って移転する。)
③補充性
・催告の抗弁権 ・検索の抗弁権
②連帯保証債務
保証債務との違い
・連帯保証人には、催告の抗弁権・検索の抗弁権がない。
・連帯保証人には、分別の利益がない
③連帯債務
1.相対効の原則
連帯債務者の1人について生じた事由は、原則として他の連帯債務者に対してその効力を生じない
②無効・取消
③期限の猶予
2.絶対的効力事由
(他の債務者に影響する場合)
①相殺
②履行
③請求
④更改
⑤混同
⑥他人の負担部分についての時効
⑦免除
LEC式暗記法 ⇒ 宅建一発合格道!黒岩講師の受験生応援ブログ
らくらく宅建塾の覚え方 ⇒ (ソーセージ)
☆まとめ
他の債務者に影響する場合。主たる債務者に生じた事由は保証人に、保証人に生じた事由は主たる債務者に影響する。
”↓のみ”は主たる債務者に生じた事由は保証人にも生ずるが、その逆はない。
| 相殺 | 履行 | 請求 | 更改 | 混同 | 他人の 負担部分 についての 時効 |
免除 |
| 保証債務 | ↓のみ | ↓のみ | ↓のみ | ↓のみ | ↓のみ | |
| 連帯保証債務 | ↓のみ | ↓のみ | ||||
| 連帯債務 | ||||||
重要例題
・Aが債務を承認して、時効が中断してもBの連帯債務の時効の進行には影響しないが、Dが債務を承認して時効が中断した場合には、Fの連帯保証債務に対しても時効中断の効力を生ずる。
連帯債務=相対効の原則
11.売買契約・担保責任(まとめ)
手付解除できる時期
相手方が履行に着手した後は、手付による解除はできない。
POINT!!
解約手付が支払われている場合でも、相手方に債務不履行があれば債務不履行による解除ができる。
債務不履行による解除は、手付解除とは、まったく別個の理由によるものなので、手付放棄や倍額の償還はない。
3.売主の担保責任
この表は絶対暗記です。毎年ここから数問でます!!
| 買主 | 解除 | 損害賠償 | 代金減額 | 期間制限 | |
| ①全部が他人の物 | 善意 | ○ | ○ | × | なし |
| 悪意 | ○ | × | × | ||
| ②一部が他人の物 | 善意 | ○ | ○ | ○ | 1年 |
| 悪意 | × | × | ○ | ||
| ③数量不足 | 善意 | ○ | ○ | ○ | 1年 |
| 悪意 | × | × | × | - | |
| ④地上権等があった場合 | 善意 | ○ | ○ | × | 1年 |
| 悪意 | × | × | × | - | |
| ⑤抵当権等が実行された場合 | 善意 | ○ | ○ | × | なし |
| 悪意 | ○ | ○ | × | ||
| ⑥隠れた瑕疵があった場合 | 善意 | ○ | ○ | × | 1年 |
| 悪意 | × | × | × | - |
①全部が他人物
②一部が他人の物
③数量不足
④地上権等があった場合
⑤抵当権が実行された場合
売買の目的である不動産の上に存在した抵当権等の担保権の行使により買主が所有権を失ったときは、買主は善意・悪意を問わず、契約の解除、損害賠償の請求をすることができる。そして、この場合、期間の制限はない。
⑥隠れた瑕疵があった場合
瑕疵があった場合の売主の担保責任
買主が善意であれば、「損害賠償請求」が可能
目的が達成できない場合のみ「解除」できる。目的が達成できる場合は解除できない。
よって、解除ができない場合でも、「損害賠償請求」は可能です。
12.賃貸借(まとめ)
・青空駐車場の用地として利用する目的の賃貸借契約は民法の賃貸借の規定が適用されます。
・賃借人が賃貸人の承諾なしに、賃借物を転貸し、第三者に使用・収益させた場合、原則として賃貸人は賃貸借契約を解除することができる。
しかし、無断転貸が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない、特段の事情があるときには解除できない。
・民法では賃貸借の存続期間は20年までとされており、20年を超えて約定した場合には20年に短縮される。
・民法では当事者が賃貸借の期間を定めていなかったときは、当事者はいつでも解約の申入れをすることができるとされている。
・賃貸借契約は諾成契約であって、当事者の合意のみで効力を生じることから、書面による必要はない。
・民法では、賃貸借の期間が満了した後、賃借人が賃借物の使用または収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定されます。
・借地人が新土地所有者に借地権を対抗するためには、土地について賃貸借の登記をしているか、又は借地上の建物を自己の名義で登記しておく必要がある
・建物の賃借人は、建物の引渡しがあるときは、その賃借権をもって第三者に対抗することができる。
そして、賃貸人の地位がその譲受任(新所有者)に移転した場合であっても、新所有者は、その所有権の移転について登記を備えなければ、賃貸人である地位を賃借人に主張することができない。
~物件変動の対抗要件~
不動産の物件変動を第三者に対抗するためには、登記を得ておかなければならないが、物件変動の当事者間において権利を主張する場合は、登記を必要としない。
・賃借人が適法に賃借物を転貸した場合、転借人は転貸人に対して直接に義務を負う
その負担額は、賃借料と転貸料の範囲内(少ないほう)となる。
~重要論点~
賃貸借の存続期間について、民法では最長20年と規定されているが、最短期間については特に規定されていない。したがって、動産の賃貸借契約で当事者が契約期間を6ヵ月と定めればそのとおりの効力を有する。
他方、借地借家法の適用を受ける建物賃貸借では、期間を1年未満とする合意がされても、期間の定めがないものとみなされる。
13.借地借家法(借地)
普通借地権借地借家法の存続期間
合意、請求、いすわりによる更新
当事者間の定めがある場合 |
30年以上 |
(30年よりも短い期間を設定しても) |
一律30年 |
存続期間更新後 |
最初の更新:20年以上 その後の更新:10年以上 |
・期間を定めないで締結した土地賃貸借契約の存続期間は30年とされ、その間の解約の申入れはできません。
⇒ちなみに期間の定めのない建物賃貸借はいつでも解約を申し入れることができます。
立替えによる更新
| 承諾日か再築日のどちらか早い方 | 20年 |
・借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、契約を更新したものとみなします。ただし、借地権設定者が遅滞なく正当事由のある異議を述べたときは、この限りではない。
~例文~
平成22年4月、借地権者Aは建物の所有を目的として借地権設定者Bの所有する土地を期間30年の約定で賃借するとともに、その土地上に建物を建築し、所有権保存登記をしたが、その借地権の存続期間満了前にその建物が滅失した。
1).借地権者(=A)が借地上に建物を再築しない場合でも、借地権は存続期間中消滅しない。
(ex.火災でも、自分で取り壊した場合でも)
2).借地権者(=A)が借地上に建物を再築しない場合、期間満了の際にAが契約の更新を請求しても、当該契約は更新されない。
~更新前に建物を再築した場合~
・借地権者(=A)が借地上に建物を再築した場合、その建物が借地権の存続期間を超えて存続するものであっても、再築について借地権設定者(=B)の承諾がない限り、借地権の期間は延長されない。
借地権の存続期間の満了前に建物が滅失し、借地権者が残存期間を超えて存続する建物を再築した場合、そのような建物の再築を借地権設定者(=貸主)が承諾したときに限って、借地権の期間が延長される。再築に関して借地権設定者(=貸主・地主)の承諾がない限り、借地権の期間は延長されない。
・建物が借地権の存続期間満了前に、借地権設定者(=B)の承認を得ないで、残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造された場合でも、借地権者(=A)は建物買取請求権を行使することができる。
(2)更新後に建物が滅失した場合
1).借地権者(=A)は借地権の消滅を一方的に申し入れることができ、申入れ後3ヶ月経過すると借地権は消滅する。
~更新後に借地権設定者の許可を受けずに建物を再築した場合~
・契約の更新後に、借地権者(=A)が、借地権設定者(=B) の承諾または裁判所の許可なくして、残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者(=B)は土地の賃貸借の解約を申し入れることができる。
この場合、申入れ後3ヶ月経過すると借地権は消滅する。
裁判所が許可を与えることができる場合(重要!!)
・第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売または公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、「第三者」は裁判所に対し、借地権設定者の承諾に代わる許可をするよう申し立てることができる。そして、この申立ては、第三者が「建物の代金を支払った後2月以内」に限りすることができる。
・借地権者が賃借権の目的である「土地上の建物を第三者に譲渡しようとする場合」において、その第三者が賃借権を取得し、または転借しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡または転貸を承諾しないときは、裁判所は「借地権者」の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
・借地権の”存続期間の満了”によって建物の賃借人が土地を明渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することを、その1年前までに知らなかった場合に限って、裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこのことを知った日から1年を超えない範囲内で、土地の明渡しについての相当の期限を与えることができる。⇒なお、この規定は「存続期間の満了」による場合に適用されるものであり、「債務不履行による解除」のときには適用されない。
一時使用の借地権
借地借家法の法定更新の規定は適用されない。
一時使用賃貸借契約は口頭で契約してもOK
定期借地権
・・・更新しない特別の借地権。念のため、この3つ以外の一般の借地借家契約の場合、居住用、非居住用のどちらにも借地借家法は適用されるし、契約は口頭でもOKです。
借地権 |
|||
| 内容 | 住宅や店舗などに用いられる一般的な借地権。用途に制限はない。 | 事業用の建物を所有するための借地権。非住居用に限る。 | 期間満了後に借地上の建物を地主が買取る旨の特約が付されている借地権 |
| 存続期間 | 50年以上 | 10年以上 50年未満 |
30年以上 |
| 契約方式 | 特約は書面(公正証書など)で契約 | 公正証書で契約 | 契約方式は自由 (口頭でも認められる。) |
| 特徴 | 下記の特約を結ぶ ①契約更新がない ②建物再築による存続期間の延長 ③建物買取請求権がない |
下記の事項等が法律で定められている ①契約更新がない ②建物再築による存続期間の延長がない ③建物買取請求権がない |
借地上の建物を借地権設定者に売却する旨を定める。 |
| 期間満了時の返還形態 | 原則として更地で返還 | 原則として更地で返還 | 地主は借地人から建物を買い取る |
ポイント
・賃貸マンション事業は事業用定期借地権とはならない。⇒あくまでで居住用として扱われます。
・建物譲渡特約付き借地権は口頭でも認められる。
以上
◎補足建物譲渡特約付借地権
Aを賃借人、Bを賃貸人としてB所有の土地に建物譲渡特約付借地権(30年)を設定した場合、Aの借地権はその設定後30年を経過した日における建物譲渡と共に消滅し、本契約がABの合意によらず法定更新されることはない。
応用例題
CASE1
居住用賃貸賃貸マンションの利用目的で借地権を設定する場合。
適用できるのは・・・
・普通借地権 (30年以上)
・一般定期借地権 (50年以上)
・建物譲渡特約付借地権 (30年以上)
・・・事業用定期借地権は非居住用に限られているため、設定できない。
ここで、もし当事者間で借地権の当初の存続期間を15年としても、普通借地権が適用となり、強制的に”当初の存続期間は30年”となります。(期間を定めなかったときも30年となります。)
