昨日は天海でのLIKE! というイベントに行ってきました。
フライヤーはこんな感じ。
ぼくのお目当てはRe:fiveでしたが、フライヤーをご覧いただいてわかるようにアイドルだけではなく、ダンスグループやソロシンガーとバラエティに富んだ出演者でした。
会場に到着すると駐車場で出演者の方が打ち合わせや休憩をされていて、なんとなくお祭り会場のようなゆるい空気が漂っていました。こういう空気、嫌いじゃないです。
とはいえ、きらびやかな照明でライトアップされたステージは、そんなゆるい空気を吹き飛ばす迫力のあるもので、楽しませていただきました。
ソロシンガー、ダンサー、アイドルとちょっとジャンルを分けて感想を書かせていただきますね。
まずトップバッターで登場されたのがNagiさんというシンガーさんでした。
品のいいサロペットスカートに白いブラウスの出で立ちで、しっとり歌われていました。
ヲタク目線で申しますと、アイドルブームで女性のステージに需要ができ、同時にネット動画の普及で歌ってみたなど若い女性が歌を発表する場が増えていてうれしいです。
更に、ネットを飛び出して、実際に人前で歌を披露する方は、みんな本当にお上手。
そして、こうやって歌ってみたから一歩踏み出してステージに立つ女性が増えれば、この界隈もよくなるだろうし、そういう女性たちのお手本として、こういう歌ってみたの方々にはステージに上がって欲しいなと感じました。
Nagiさんは、ちょっぴり小節の効いた低音の響きを聞かせる素敵なシンガーさんでした。こういう方との出会いが増える機会は本当にありがたいですね。
ソロシンガーと言えば、まっつんさんは歌いたい唄を自分らしく歌う、だけじゃなくて、歌声を聴いてもらうために、この日来場が予定されているであろうヲタク層のトレンドを察知した選曲で楽しませていただきました。
どの曲も器用に歌い上げる歌唱力に、客席に寄り添った選曲。
この日見に来た人を楽しませようという気持ちが見えてよかったです。
ソロシンガー三人目は「そんなキミがスキだよ。」の咲良ひなさん。
拝見するのは二回目だったのですが、冒頭から客席を巻き込むのはさすがでした。
衣装はいつものアイドル的なのではなく、大人びたワンピースとレアでした。
しかし、他のお二方よりもアイドル色が近いため、歌は普通にうまいのですが、歌を聴かせるよりも客席と一緒になって楽しもうというスタイルが素敵でした。最後の曲の間奏では客席の写真を撮るということもされていて、この場の楽しさをみんなで共有し、楽しもうという姿勢が伝わって楽しめました。
以上、三人のソロシンガーさん。
どの方も歌唱力はもちろん、アイドルに負けないルックスもあり、アイドルヲタクのぼくでもかなり楽しめました。
ダンサーはPRODUCTとNYDSの二組でした。
先に断っておきますが、ぼくはダンスがわかりません。それこそいまの若い人たちは学校の体育でダンスが必修らしいのですが、ぼくらの世代、特に男子は、学校でやるダンスは運動会で盆踊りを踊るぐらいで、ほとんど触れていませんでした。
そのため、普段アイドルを見ているイベントでダンスグループが出てきても、「すげえな」と思うだけで実際、それ以上の感想が抱けません。
そのくせ、こいつはよくアイドルのダンスを見ては「あのダンスはいい」とか「あのダンスはちょっと」と言っているではないかと突っ込まれそうですが、個人的にはアイドルのダンスとダンスグループのダンスは、ライトノベルと純文学ぐらい差があると思っています。たとえばライトノベルは絵師と呼ばれる表紙のイラストで売り上げが変わるといわれてますが、そういう総合的にパッケージされたうえでの作品であり、アイドルのステージはそういうものだと思っています。
それに対してダンスグループは、純文学のように純粋にダンスを極めていると感じています。そのなかでもいろいろとジャンルもあるみたいですが、それでもどのダンスグループを見ても「すげえな」と小学生のような感想しか抱けだけないので、この日の二組を見ても同じように感じました。
ただ、この日の会場が、いわゆる他の演者は舞台袖から他の出演者のステージを見るのではなく、客席に降りてきてステージを見るという状態だったので感じたのですが、ぼくがお目当てで見に来ていたアイドルさんたちは、ダンスグループのステージのほうが、他の方のステージより熱心に見ているように感じました。
ライトノベルを書く作家も、純文学で小説の書き方を勉強するように、普段ダンスを踊っているアイドルだからこそ、ダンスなどほとんど踊ったことのないぼくら以上に、ダンスグループの良さを感じるものが、アイドルさんにはあるんでしょうね。
小学生並の「すげえな」の感想で、そのすごさが詳しくは理解できませんでしたが、アイドルさんがステージを熱心に見続けているのを見ると、とにかくすごいことが行われているんだと感じました。
たしかに両グループとも、身体の動きは柔らかく、メリハリがはっきりしててすごかったです。
あと、NYDSは二回出演されたのですが、1ステージ目がアイドル役のYUKIさんとパンダの着ぐるみのシャンシャンさんを表に出されたステージでした。
一般的にぼくのような素人が感じる、ダンスグループのダンスの評価はまず「すげえ」で、その次は「かっこいい」です。
ただ、だからこそ、かっこよくなってしまうダンスに、アイドルやパンダのかわいい要素を取り入れているのかなと思いました。また、パフォーマンスの途中でYUKIさんは歌を唄われいましたが、この歌唱力も素晴らしくぜいたくなステージでした。
アイドルは、炭坑ガールズ Team KINGとRe:five。
終わってみて考えるに、この二組の出演を一度に見られたのが本当に良かったです。
個人的にはかなり真逆のグループのように感じました。
ご当地アイドルの炭坑ガールズと、ローカルアイドルのRe:five。
このふたつを同時に見ると、ご当地アイドルとローカルアイドルは似て非なるものだなと感じました。
それはまるでアメリカンフットボールとラグビーぐらい違うよと。
日本ではあまりなじみがないのでちょっと説明すると、よくアメフトと略されるアメリカンフットボールは専門職の集まりです。わかりやすいのは交代が自由なので、攻撃と守備で選手が変わり、一般に選手は得意なことだけをやります。クォーターバックを守るのが仕事のオフェンスラインの選手は球技なのにボールに触ると反則になりますし、キックをするだけの選手なんかもいます。
対してラグビーは「one for all all for one」や「ワンチーム」という言葉でも知られているようにチームプレーが優先されるスポーツです。
もちろんアメフトも最終的にはチームでの勝利が目標なのですが、その勝利へ向かうプロセスが、個人の得意分野で勝負するアメフトと、チームプレーを優先するラグビーでは違います。もっと簡単なたとえをするなら、アメフトは野球に近く、ラグビーはサッカーに近い感じでイメージしていただけたらと思いますが、おわかりいただけますか?
中学三年生から小学二年生と様々な年齢構成の炭坑ガールズは、ゆいさんがグループを引っ張り、しょうこさんやゆいにゃさんがそれを支え、ことなさんやひまりさんは上級生に負けじと踊ると役割分担がはっきりしているところでアメフト的な印象を感じました。
全メンバー、もちろん一定のスキルを持ち合わせ、ひまりさんはこの日初舞台だったそうですが、それを感じさせないほどダンスをこなしていました。
ただ、世界遺産万田坑のある荒尾市のご当地アイドル、それにあやかった代表曲「黒ダイヤ」という強烈な強みがあり、その大きなアドバンテージがあるからステージが個性的に作り上げることができるなと感じました。まさに唯一無二の世界。他にマネできるグループはありません。
また、メンバーさんもそれぞれ個性的でした。言ってしまえばファンのニーズも中学三年生と小学二年生では違うわけで、それぞれのメンバーさんが自分の持っている強みを出しながら曲を完成させているからそう感じたのだと思います。
そしてそのひとりひとりが持っている個の力が集まって、大きなパワーを生み出していました。極端な話、ゆいさんとことねさんは同じ事が出来ません。ファンもこの二人に求めるものは全く違うはずです。でもその多様性が、最終的には個性的な、他にはないグループの完成につながっているように感じました。
それに比べると、もともとはご当地アイドルのルーツを持ちますが、現在ローカルアイドルのRe:fiveは、炭坑ガールズのような強い売りを持っていません。そこでグループとしてのステージをよくしようと、全体としての完成度を強く意識しているように感じました。三曲目にやっていた「St you…」という曲には「私だけ愛してほしい」という歌詞もありますが、そんな歌を唄っていても目の前のステージは自分ばっかり見ないでグループ全体を愛してというスタイルで、まさにラグビーっぽいなと感じました。
特に最近、「褒められればみんなのおかげ。失敗したら自分のせい」を地で行くようなリーダーシップを発揮している橘かえでさんは最初の二曲目ぐらいまでは後ろで踊っている研究生を気にするそぶりを見せていましたが、自己紹介込みのMCで研究生が難なくステージをこなしているのを確認すると、皮肉にも三曲目のこの「St you…」から客席をあおるほどの全開に切り替わっていました。でも変に目立つのではなく、チームの一員に徹していた印象は変わらなかったです。
売りがないと言いましたが、久しぶりの外イベントだったこともあって、ぼくがRe:fiveですごく新鮮に感じたのは実は一曲目の「君とRestart」でした。
去年、初めて見たとき、あまりのM.M.の速さにそこだけ時間の流れが違うように感じたこの曲のイントロのダンス。これを外イベントで改めてみると、すごいなと感じました。会場に流れてるオケにかぶせるようにメンバーたちの足音が響いていて、鳥肌が立ちました。「これを感じられただけでも今日のRe:fiveは最高」と思ってしまいましたが、こういう油断したヲタクをどきっとさせる仕掛けがRe:fiveの曲にはあるので、それをグループで積み重ねれば大きな売りになるとは感じました。
といった感じで、刺激有り、楽しさ有りの幸せな時間でした。
世界は広い。熊本もいろんな人がいて広い。
とこれまた小学生のように思いました。