去年はお盆の最終日に656広場で開催された熊本アイドル合同ツアーの佐賀編。
今年は去年とは違い、6月末に、会場もガイルス、熊本アイドルも4グループ、しかも準備運動からの二部制とパワーアップされて開催された。
更に今年は佐賀がツアー初日。
去年の合同ツアーでは、ファンの大多数はいつも熊本でも見かける熊本勢でも、会場が違うだけでライブの空気が違うのを強く感じた。
どのグループもこのツアー用に仕上げていて、いつもの熊本とは違う特別なステージを、九州各地でこのツアーで熊本のグループは作り上げていたように感じた。
今年のツアーでも熊本アイドルグループのその試みはたしかに見えた。
主催のSunny Honeyは新曲を披露して一部も二部もトリを務めていた。
熊本Flavorは全メンバーが研修生も含めて全曲参加するステージで、セットリストもキラーチューンの「コイマチ」をはじめ、「Alice」「Love∞無限大」、そしてかなり久しぶりに「ロストジェネレーション」をやって会場を一体にしていた。
Re:fiveも昨年の佐賀ツアーでもやった「ツインテール似合ってる?」に「Shin on me」と新しい魅力を見せ、今年から主催側に回った煌~KIRA~は、去年とは違いオープニングアクトがない構成のライブの早めの時間からステージを盛り上げてくれていた。
そういう意味では、去年のツアーと変わらない熱量で熊本アイドルは熱く盛り上げていたとは思う。
ただ、熊本のアイドルのファンのひとりとして感じてたのは、去年よりも熊本アイドルの熱量の印象が強く残らず、むしろキャリアの違いもあるがゲスト出演した園田有由美さんとひぜんりささんとの圧倒的な実力差と、福岡アイドルCutiVの理屈抜きでわかりやすい盛り上げ方という、ゲストに熊本にはない良さを見せつけられたライブになったように感じた。
これには理由があって、たしかにゲストにはない良さが熊本4グループにもあって、それをゲストのステージを見に来られたファンの方に見せることはできていた部分もあったにしても、一番の理由はここ数か月、遠征やグループの周年やメンバーの生誕などの特別なステージが熊本4グループにはあまりにも多すぎて、改めてツアーなどでメンバーが気合を入れて臨んでも、ちょっとやそっとじゃ感動できないほど熊本のオタクの目が肥えてしまったのが原因なのかなとは感じた。
サッカーの日本代表チームが、28年前ならばワールドカップのアジア予選で出場権を手にしただけで日本中がひっくり返るような大騒ぎになっていたのに、現在ではアジア予選を勝ち抜いてもそこまで喜ばなくなっているのと同じぜいたくな悩みである。
それに引き換え、これまで熊本アイドル主催の周年イベントや生誕祭で出演しては、主役のグループやアイドルを盛り上げようとしていた園田有由美さんやひぜんりささんは、この日の佐賀ツアーでは明らかに自分たちの力を見せつける特別なステージを行った。
去年の佐賀ツアーでは「熊本のオタク最高!」と熊本の沸き文化に敬意を表していたのが印象的だった園田有由美さんは、今年はしっとりと「越えてゆけ」を歌い上げ、これまで佐賀で熱心に応援しているファンまで泣かせるステージを見せていた。佐賀でいつも見ているファンまで感動するパフォーマンスなので、当然熊本のオタクは圧倒された。
熊本ではメドレーでやっていた「かぐや」「くりてぃかる」のひぜんりさワールドの曲をフルで歌い上げていたひぜんりささんは、合間に「セカイのシンパシー」を挟み、幅広い世界観を見せつけていた。
そして圧巻はその園田有由美さんとひぜんりささんに売り出し中のサガンプロのちゃださんを加えた三人で、Re:fiveの「なんてんまんてん」をカバーしたことである。
園田有由美さんがPinkySkyに在籍していた頃、それこそPinkySky初の主催アイドルイベント「ピンスカコラボ祭り」からやっている、共演者の曲をカバーする得意技を、久しぶりに、それもぼくの大好きなRe:fiveの曲で見せてくれた。ライブ後のXでひぜんりささんは「頑張ったけどさ、やっぱり本家だよね」とRe:fiveをリスペクトしたようなポストをしていたけれど、Re:fiveとは違う魅力、特にハーモニーや歌唱力などでその実力を見せつけてくれて、個人的にはこの佐賀ツアーでは一番フロアが熱くなった瞬間は、熊本の楽曲を佐賀のアイドルが歌って、熊本アイドルツアーin佐賀を盛り上げたこの場面だったのではないかとぼくは感じた。
翌週の福岡ツアーでも出演するCutiVもこのサガンプロに負けず劣らず、熊本アイドルのファンを魅了していた。
盛り上がれる王道アイドル的な楽曲に、その楽曲中のレスによってフロアとステージの距離を縮める技術で佐賀でもたくさんファンを作っている勢いのまま、熊本でもファンを増やしそうな力を見せつけていたのだ。実際「熊本でもCutiVいけるんじゃない」という声も聞こえていた。
昨年の熊本アイドル合同ツアーは、熊本のアイドルの勢いを、熱く盛り上がっている熊本のオタクと一緒に九州を回ろうというコンセプトだったように感じた。
ただ、去年と違い今年は、どのグループも去年よりも成長したからこその遠征や周年、生誕祭など特別なステージをこなす機会が増えたおかげで、ぜいたくな悩みではあるが、去年と同じ程度の特別感では、ファンは去年ほどの感動が感じられなくなっているのは事実である。
そのため、今年のツアーは、特別にゲストとして出演するアイドルのほうが、準備も気合いも上回り、また地元だから動員も多く、特別感のステージに慣れた熊本のアイドルやファンを圧倒する場面が増えそうな気がする。
ただし、それは間違いなく熊本4グループにはいいことであり、その刺激を前向きに受け止め、熊本で昇華させることで更なるグループの発展につながるのではないかと感じた。
特に出演順のあやもあるのだろうが、佐賀では上段の関係者エリアで、今回ホスト側としてツアー初出演の煌~KIRA~のメンバーが、他のグループのステージに熱心に視線を送っていたのが印象的だった。
まだまだ伸び盛りの若いメンバーの多い熊本アイドル4グループ。学ぶことはいっぱいある。
このツアーが終わったとき、その4グループが更なる成長をしているのも楽しみだし、ツアーでその過程を感じられるのも楽しみだ。





