DJ TAKI-SHIT の Music Saved My Life

DJ TAKI-SHIT の Music Saved My Life

DTM、作曲、アレンジ、リミックスのノウハウ、音楽業界の動向、おススメの音源などを主に書いています。

こんばんは。DJ TAKI-SHITです。

早いもので今年も残すところあと二日。約半年ぶりの更新記事となってしまいましたが

今年もたくさんの良い曲に出会えたことに感謝したいと思います。

 

ということで、まずは今年一番カッコイイなと思ったコレ

 


来日公演、即ソールドアウトだったらしいです。確かに生でドラム叩くところは観てみたい。

イントロのクラビットのリフでいきなりヤラレました。。またドラマーということで

打ち込みのリズムプログラミングや音色にも相当こだわりを感じます。

特にこのスネアの"ポンッ" っていう音。なんでしょうね、コレ(笑)

単調なドラムプログラミングに聞こえますが、実は独特なスイング感とグルーブが

出まくっているという。時折スティーリー・ダンを彷彿させるようなコード進行やホーンのリフなど

玄人好みの趣味嗜好でとにかくカッコイイ。カッコ良すぎです。

 

続きまして、コレ。

 


BTSしかり、10年以上前からK-POPのサウンドプロダクションのクオリティーの高さは目を見張るものが

ありましたが、このSEVENTEEN 「DREAM」のトラックの秀逸さは素晴らしい。

歌詞の「夢でもし君に出逢えたら~」というニュアンスの世界感と全体的にフワッとした浮遊感のある

シンセの音色とアーバンなコード進行、サビで入ってくるガシッとしたキックとスネアに絡みつくようなうねりのあるシンセベース。楽曲のサウンドクオリティーの高さとアクターズとしてセブンティーンの存在が

上手く融合してとてつもない世界感を作りあげています。

 

K-POPのサウンドプロダクションって、日本人が作るトラックほどガシャガシャと音数は多くないけど

US産ほど、音数が少なくもない。本当にちょうどバランス感覚を持っていて聴き易いけど、軽くなくて

ホンモノ感もしっかりあるって感じでスゴいです。

 

 

続きまして、こちら



いやあ、恥ずかしながら今まで聴いた事がなかったんですよね。。

こんなに良かったんだと、今年になって驚きました。

今年サマソニに来たことと、新しいアルバムが出たことがきっかけで聴いたんですが、

このIf You’re Too Shy (Let Me Know)は、夏にクルマで聞くとめっちゃハマって

聴きまくりました。

なんだかどこか80年代のサウンドの香りがするんですよね~

間奏にサックスのソロが入るところとか、

個人的な主観ですが、80年代の化粧品メーカーのCMソングだったらすごくハマりそうな感じ。

MVもカッコ良くて、とてもよく聴きました。

 

続きまして、Numcha - Keep Cold (Official MV)

 


 

諸事情で、貼り付けた動画は見れないらしいのですが、知らない方は

是非YouTubeでご覧ください。

 

Numchaは、タイのインディーポップバンド。

日本のシティーポップとか、90年代の渋谷系バンドとか絶対聴いてるよな~

と思わせるような、甘美なボーカルと切ないコード進行とメランコリックなギターが

絶妙に絡み合った名曲です。すでにクラシックとなっているようですが、

これも本当によく聴きました。最近はタイのインディーポップも本当にイイですね。

間奏のギターソロがたまらんです。

 

そして最後は、Benny Sings - Nobody's Fault


 

ピーナッツ・バター・ウルフ率いるStones Throw Recordsからリリースしているっているのが

やっぱり嬉しいですね。

 

サビがThe Doobie Brothersの「What A Fool Believes」を彷彿させるようなエバーグリーン的気持ち良さがありますね。バカラックとスティーリーダンが大好きで研究しまくったそうで、アルバム聴いたら、

あ~なるほどなぁ、と思わず膝を打つような感覚でした。歌い方、歌声も柔らかくてギルバートオサリバンみたいな感じでイイですね。

 

まあ好き勝手なことばかり書いて完全に独断と偏見で、情報として間違っていることもあるかもしれませんが、ご容赦ください。

 

今年も良い曲にたくさん出会えて幸せです。

自分にとって良い曲に出会えたことはとても幸せなことだと感じます。

 

それを聴いている時は、まるで時間旅行をしているような嫌なことを忘れられるような、はたまた元気が出たり、あるいは、物事に思いふけってみたりと、人によって様々ですが、

 

感動や心を動かされるのは間違いがないワケです。やはり望んでいるものは常に気持ちの変化なんですよね。

来年も見知ら名曲、良い曲達に早く出会いたいです。

 

そんな訳で良いお年を。

 

こんにちは、DJ TAKI-SHITです。すっかり夏です。少し前からすでにめっちゃ暑いのにこれから8月なんですよねぇ...。まだこの猛暑が後一ヶ月あるのか、と思うと気が滅入りますが、夏は音楽をクルマで聴くとハマるので、良しとします。

 

さて、少し前にリリースされたビヨンセのシングル。これが驚くべきことに80年代の後半くらい90年代の初頭辺りにかなり流行ったHIP HOUSEサウンドなんですよね。

 



四つ撃ちの909のキックドラムのハウスビートにアングラ感のあるオルガンと少し下世話なくらいの煌びやかなシンセピアノの音色を使ったコードフレーズ。そしてシャウト系のサンプリングボイスという。そんな感じのトラックアレンジの中、平歌ラップ、サビが歌というのが、HIP HOUSEの定義と言って良いかと思います。

僕はクラブサウンドにハマるきっかけになったのがこのHIP HOUSEなんですね。中1だった'88は、世の中は猫も杓子もバンド!バンド!という熱狂的なバンドブームでした。どのくらいバンドブームだったかというと、それまで本気で質の高いサウンドを追及してきたバンドの方々がバンドをやっていることが恥ずかしくなってしまうくらいのブームさ加減です。僕も中学生だったこともあって、'88~'89年は完全にそのブームに乗っかってそれこそ知らないバンドはいないというくらい聞きまくっていたのですが、たまたま聴いた とある HIP HOUSEの曲で、ある日突然それまで聴いていたバンドサウンドに一瞬にして飽きました。

それがこの曲でした。


Technotronic - Pump Up The Jam


どこから鳴っているのかな、と思うくらいに深~い低域のベース音とお腹を撃たれるような909のキック音に完全にヤラレました。そこからはもう手のひらを返したように、あるいは、オセロが白から黒にひっくり返されたように、一切日本のバンドを聴かなくなって、クラブミュージック一辺倒になりました。'90年当時は、HIP HOPよりもHOUSEの流れがとても強くて、アメリカのラッパー達も流れに乗ってハウスでラップするというブームがあったんですね。まあそれをセルアウトって言われてしまう風潮もありましたが...。因みにこのTechnotronicはアメリカではなく確かベルギーのグループでした。

ということで、この2022年現在、ビヨンセがHIP HOUSEをやっているということで、僕の個人的に思い入れの深いHIP HOUSEの曲をご紹介したいと思います。


2 In A Room - Wiggle It


後に Strictly Rhythm レーベルの副社長となるGeorge Morel(プロデュース)の出世作です。909キックとスネア連打の跳ねるトラックに暴れ回るようにラップして、サビがノリノリ合唱系♪というのがキャッチーで当時本当によく聴いていました。ちなみMVを初めて見たのは、つい最近です。

続きまして、Numarx - Do It Good (Basement Mix)

まだCRYSTAL WATERSの「GYPSY WOMAN」を手掛ける前のBASEMENT BOYSプロデュースによる知る人ぞ知るHIP HOUSEクラシックです。今、聴いてもホントカッコイイですね!2022年の今だからこそ鮮度高いんじゃないでしょうか。


kc flightt – Planet E


元ネタがtalking headsですが、まさかのデビッドバーン本人出演というのもイイですね。タイトルの「Eの惑星」というのもあって、どこかブレードランナー的というか近未来感があることと、ニューウェーブをサンプルしたことで、なんともヘンテコな(笑)、"気持ち悪いけどクセになる"サウンドに仕上がっています。まさにサンプリングサウンドの面白さが詰まった1曲ですね。

こちらが元ネタ

Talking Heads - Once in a Lifetime 

 

 

betty boo where are you baby

こちらはイギリスのアーティストbetty boo。今見ても可愛いです。振り返るとセルアウトというワードがほとんどなかったヨーロッパの国々の方が商業主義的にHIP HOUSEサウンドをやっていたというのが多かったかもしれません。


続いて、ニューヨークのネイティブタンの代表的な3グループ

JUNGLE BROTHERS What "U" Waitin' "4"? (Love Ride and Orchestra Mix) (Tony Humphries Mix)


 

De La Soul - A Roller Skating Jam Named ''Saturdays'' (6:00 A.M. Mix)


 

Black Sheep - Strobelite Honey (David Morales Yes We Did Mix)



当時HIP HOPの12インチのシングルレコードを買うと、だいたい勢いのあったハウスDJのリミックスが収録されていました。僕は、当時DEF MIXのデビッドモラレスがとても好きだったので、LPヴァージョンとの違いが凄くあってワクワクしながらレコードに針を落としたものです。この3枚も全部レコード持ってましたが、どこかで売っちゃいましたね。。今の様なレコードブームが来るなんて、思わなかったですね...。


Tyree Cooper Turn Up The Bass 1989


これとかは、今回のビヨンセのシングルにかなり近いですね。

ということで、私 DJ TAKI-SHITの個人的に思い入れのある HIP HOUSEの曲をご紹介してみました。
ここ数年のシティポップブームもそうですが、歴史は繰り返す、ということで、一周回る、あるいは、3,4周回って、再評価されてまた同じようなムーブメントが起こるというのは、やはりありますね。まあ起こす、誰かが起こしている、といった方が適切かもしれません。商業音楽の場合、マンネリ化を防いだり、トップランナーが、これがカッコイイよ、と提示することで、それまでとは違ったアプローチが出来て差別化に繋がったりもしますしね。そうすると、フォロワーたちが一気にそれをやり出して、一大ムーブメントになっていくという。そういえば、ドレイクの新譜もハウスでしたね。今回のビヨンセのHIP HOUSEに火が付いたら個人的には面白いなと思います。アメリカで流行れば、少し経つと日本でも流行るので、1年後にはみんなHIP HOUSEやってるかも(笑)。そうなったら面白いですね。

こんにちは、DJ TAKI-SHITです。すっかり春になってきました。花粉症で毎日ヒーヒー言っていますが...。さて今日は先月の23日についにリリースになった藤井風の2ndアルバム「LOVE ALL SERVE ALL」を独断と偏見にて勝手なレビューを書いてみたいと思います。

 

結論から言うと、恐ろしく素晴らしい出来具合で、日本国民必聴のアルバムと断言できます。これまでの既発だった「きらり」“青春病"」「旅路」などの良さは今さらここで書く必要もありません。前回の「HELP EVER HURT NEVER」が少し地味でどちらかというと玄人好みで嚙めば嚙むほど味が出てくるスルメのような質感だったと評するならば、今回の「LOVE ALL SERVE ALL」は、カラフルで色彩の鮮やか、ハートウォーミングなポップアルバムといったところでしょうか。

 

今回もアルバム曲のクオリティの高さに嬉しい悲鳴を上げたくなるほど、どれも素晴らしい。まずは先行配信となった「まつり」 。アレンジ面となりますが、初めて聴いた時にすぐに頭の中でThe Notorious B.I.G. - 「Big Poppa」が流れました。シンセパッドのコード感と90年代前半から中盤に流行ったピロ~というG-FUNK 感のあるリードシンセのフレーズ。きっとインスピレーションを受けているのでしょう。アレンジプロデュースのYaffleさんの 90年代ヒップホップサウンドに対するオマージュ&リスペクトを感ぜずにはいられません。MVも藤井風らしい世界は一つ的なメッセージがありつつ、卒業、進学、新生活などを経験するフレッシャーズに向けた応援ソング的な内容で、人間性の懐の広さを感じます。


藤井 風 - "まつり"



The Notorious B.I.G. - Big Poppa

 

続いて「やば」。本人もラジオで言っていましたが、純粋な正統派 R&Bですね。かつての久保田利伸さんのindigo waltzを彷彿させるようなイントロのエレピとコード感。あるいはちょっと前のCHEMISTRY さんが唄っていそうなしっとりながらも歌唱力をまざまざと見せつけるような唄い方が素晴らしいです。

 

やば。

 

久保田利伸 - Indigo Waltz 

 

次に耳を引いたのは、「damn」。疾走感のある四つ打ちキックにややディストーション気味のギターサウンドが印象的です。前作収録の「さよならべいべ」の延長上にあるようなアレンジですね。サビのdamn!damn!と連呼するようなフレーズが、シティポップの王様 山下達郎御大の在籍していたシュガーベイブの神曲「downtown」から、恐らくインスピレーションを受けているであろうと思われます。ここでも風氏のセンスの良さがキラリと光っています。イントロのフレーズは94年の大ヒット Weezer -「 Buddy Holly」のサビのメロディーっぽさも感じさせてくれるのはアレンジャーであるYaffleさんの憎い演出。クラブミュージックだけでなく、オールジャンルいける守備範囲の広さを垣間見ることができますね

 

damn


Sugar Babe - Down Town


Weezer - Buddy Holly

 

続いてさらに驚いたのこんなことまでできるのか!と改めて驚かされたのが、「 ロンリーラプソディ」。一聴してすぐに、あー、これは冨田ラボだ。と思いました。音楽マニアの好事家であれば、むむむ、と思わず唸ってしまうような少しセンチメンタルながらもエバーグリーンさを感じさせるコード進行。それでいてクラシック音楽がバックボーンにある美しく甘くまろやかでいて耽美的なメロディーラインにおじさん世代は完全にノックアウトです。間違いなくアルバム曲のハイライトになっているのではないでしょうか。

 

ロンリーラプソディ


冨田ラボ - アタタカイ雨 feat.田中拡邦 (MAMALAID RAG)

 


続いて「へでもねーよ」LASA Edit 。アルバム用に少しリアレンジを加えたもの。AメロBメロサビとすべてに渡って全編にピアノの7th,9thを入れた白玉コードが入れることでよりジャジーでシリアスな世界観が出ています。シングル版は、あえてコード感を抑えることで、HIP HOP的ワンコードなファンク感、あるいはパワーコードのようなある種のパンクっぽさを出していて、歌詞の雰囲気と合わせた男っぽさ、無骨な印象がでていてカッコ良かったです。ただ個人的には、藤井風らしい予定調和を外した複雑ながらもキチンとツボを得たいつものコード感がバッチリハマっていて、今回のLASA Editの方が断然好きです。

 

へでもねーよ (LASA edit)


藤井 風 - "へでもねーよ"

 

僕の見解だと、どうしてもサウンド面とアレンジ面での評価寄りになってしまいます。ただ藤井風の魅力は、やはり多くの楽曲の歌詞にみられる、達観したかのような人生観や人間感と、恵まれたルックスと音楽的な才能のモンスターだのにも関わらず、それに対して自身に驕ることや飾る事のない等身大で純朴なその人間性にあると思っています。

 

アルバムプロモーションで、先日のJ WAVEの朝の情報番組 別所哲也さんの番組「J-WAVE TOKYO MORINIG RADIO」にサプライズゲスト出演した時に、ツィッターのトレンドワードで、一時期 #別所哲也乙女方化 というワードがランキング入りしていましたが、現在46歳という完全おじさんな私 DJ TAKI-SHITも、別所哲也さんの気持ちは非常によくわかります。

 

また凄いのはアーティストとしてのアティチュードが、デビュー当時から、この先10年先も恐らく変わらないだろうな、と思わせるところでもあると思います。

そんな訳で、今日は藤井風の2枚目のアルバム[LOVE ALL SERVE ALL ] の勝手なレビューをしてみました。知らなかった、食わず嫌い、洋楽しか認めないJ-POP不信なおじさん方、まずは是非聴いてみましょう^^。 ありきたりな言い方ですが、紛れもない本物です。