厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

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「内装と厨房の取り合い詳細を理解すること」が大切てある

 


飲食店を企画計画する上で必ず内装と厨房のぶつかり合う取り合いが生じることはしばしばであろう。


この場合には内装デザイナーが詳細図面を起こし厨房計画との取り合いや寸法調整をすることが理想的な店づくりの進め方であるべきです。


しかし現実的には、デザインに片寄った設計者の場合は残念ながらうまく業務の取り合いができないことも多く、内装と厨房の詳細が詰められないままに施工に着手してしまうことも常であることです


ひどい意匠先行の設計者になると厨房内の内装展開図も全て施工業者に平気で施工図面を描かせるなど設計者としてやってはならないことが定番化しているデザイナーも多々いるのには驚きを隠せないでしょう。


自ずとデザイナーや施工業者との厨房の打ち合わせや取り合いが明確になっていなければ、当然のごとく施工レベルの精度は低いままに施工が終わってしまうことになります。

 

つまり関わりのない自分の仕事の範疇ではないという「我関せずという」事なかれ主義が顔をだす。


そんな現実が仕事として成立してしまう不可思議な業界でもあることを忘れてならないでしょう。


むしろ内装デザイナーのレベルが低いものであれば、厨房計画の詳細との取り合いがある部分については、率先して詳細打ち合わせに臨むスタンスでなければ、工事完了後のしわ寄せは厨房会社に責任を負わせるというひどい現場もあることでしょう。

 

基本的に厨房設計は厨房機器をスペースに並べることだけではなく、内装と厨房の取り合いをしっかり打ち合わせしてこそ、完成度の高い仕事に繋がることを忘れてならないでしょう。


つまり業界には高いレベルの設計者もいれば、低いレベルの設計者もいるものだという認識に立ち厨房に関わる仕事は詳細内容に至るまで責任を持って打ち合わせに臨む姿勢を崩してはならないのです。

 

デザイナーの知識やレベルが低ければ、厨房側からの視点で内装との取り合いや納まりを詰めなければトラブルの原因を作るだけでしょう。


厨房側の知識としては、防水詳細やディッシュアップとの取り合いなど厨房と内装が絡む部分はことの他多いことです。


設計者や内装施工業者に問われなければそのままに業務を進めてしまうという姿勢ではなかなか厨房の精度も上がらないでしょう

 

もっと内装との納まり詳細の知識や情報を習得する意識やレベルを高める努力を怠ってはならないでしょう。


厨房設計とは、厨房機器が関わる部分の全ての知識や実践を理解して設計に臨むことがポイントであることを忘れてはならない。

2022/求められる厨房業界の思想変革


飲食店にとっての厨房の位置付けは心臓部であることは永久に変わらないことであるものの、一向に飲食店の企画計画では、厨房は店の片隅に追いやられていることが現実であることだ。


何故に飲食店に携わる設計関係者の意識や厨房への理解興味を持たない理由は、厨房業界や厨房に携わる人達にも大きな問題の一端があることであろう。


まず厨房機器を供給する企業としての姿勢としてこれまでの設計デザイナー、あるいはクライアント側のいいなりになる傾向が強く、ビジネスのスタンスとして常に受注産業という仕組みから提案型の厨房設計を推進できないことに大きな障壁があるのかもしれない。


しかし飲食店の企画の成否を担う立場としては、余りにもなさけないことであり、もうそろそろ厨房設計の役割や重要性を広く理解してもらう活動や努力を厨房業界が推進していかなければならない時期にきていることを理解しなければならない。


例えば、厨房業界が外食業界や飲食店開業を志す人達に対して厨房勉強会セミナーを開催するなど、自社だけがよければいいという狭く古臭い体質を根本的に思想変革していくことも重要な啓蒙のひとつになるはずだ。


誰もが業界の趨勢に流され、設計者やクライアントに思う意見もろくに発言できないようにしてしまったのは、厨房業界の体質に問題があることを忘れてはならない。


それでなくとも時代は刻々と変化しているにも関わらず厨房業界だけが一向に何の進歩も変化もない。ともかく時代の変化を見据えて前へ踏み出す勇気と努力を怠ってはならないだろう。

 

日本市場規模は、徐々に縮小化している現実を配慮すれば、短期、中期戦略として企業戦略を具体化していくことが必須であることは周知の通りであろう。

コロナ禍の厳しい状況にあってどの方向性へ舵を取ればよいのか迷走していることは、現実であろうが・・・・・

何もせずに現実を眺望していても明日は永遠に見えてこないだろう!

【今何をすべきか】企業上層部は、真剣に企業の進むべき道や戦術、戦略を計画していかなければならないだろう。

社会的情報、業界情報、外食状況様々な情報など全てを検討して企業の進むべき方向性を探すことを日々努力していかなければならない。

 

「努力なき業界には、新しい市場を生み出すことはできない。」

飲食業界と厨房業界の進むべき方向性を読み解く/アジアに向けてのマーケットを開くことの重要性

ここ3年コロナウイルスの世界的流行、自然災害の影響は様々な企業の成長や戦略を大きく狂わせしまっている。それでなくとも飲食店や厨房業界の売上不振やマーケットの縮小など抱える問題はやまずみであろう。


すでに大手飲食企業や厨房企業やメーカーは、アジアに新しいマーケットを求めて各地に拠点を作っている現状にある。


これからの日本市場の成長を想定しても、少子高齢化や人手不足へ向けてひた走る現実に進展の希望を持つことができないことが本音であろう。


現状のまま業務を縮小し衰退をまつか、新たな方向性へ大きく企業の舵を切るかは今後の成長を左右するものになることは明白であることを理解しなければならない。


ではアジア圏に対して厨房企業は何を販売するかは、日本独自の厨房機器の良さを訴求することがポイントになるだろう。近年注目を注がれている調理機器その他、ロボット化の技術やロボットそのものを販売していくことも一つの活路であろう。

勿論日本外食企業のアジア圏へのサポートも重要な業務のひとつであろうし、アジアへ日本の食文化をサポートする調理技術や機器を推進することも、マーケット拡大の大きな戦略になるはずだ。


日本がアジアのみならず世界に誇れるものは、技術力と日本独自のきめ細かい発想を駆使した調理機器にあることを再認識すべきだろう。


いまや仕事を待っていてもカモネギはほとんどないに等しいことをわすれてはならない。新しい企業の方向性や活路を見出す努力をしなければ、現状は一向に変わるものではない。


もっと厨房業界の現状と将来的な展望を配慮すれば、進むべき方向性や道が見えてくるはずだ。いつまでも「井の中の蛙」であっては企業継続も成長もないことを改めて認識すべきだろう。

それは同族経営から脱却する 糸口に繋がるだろうし、おざなりに時を過ごしていないか、中長期のビジョンを持つべきだろう。

2022年厨房設計のあり方と意義を問う/厨房設計の意識改革の視点

 

飲食業界を脇から支える厨房設計という役割は、なくてはならない業務のひとつであることは周知の通りであろう。

 

しかし一向にその不可思議な仕事の進め方は変えようとしない現実が壁のように立ちはだかるのはどういうことか理解に苦しむのは私だけだろうか。実務として厨房会社の設計部の担当者たちは、常に普段と変わらない仕事であるためになの不都合を感じないのは致し方ない現実であるのかも知れない。

 

また何がおかしいかが実務に精通しているスタッフにはなかなか理解できないことは無理のないことであろうし、これまでの業界の「古臭い慣習から脱却できない」ところにむしろ問題があるのかもしれない。


 

何度も述べているように飲食店の厨房設計とは、そこで提供される料理内容がしっかりしていないと現実的に適合した計画ができることが常で有り、現実の設計はただ厨房機器を並べただけの集合体でしかないことだ。

 

勿論、現実に提案された計画が実践に適合しているのであれば何の問題もないことであるものの、料理工程やオペレーションにマッチしていないために、現場に後々不満を残すことになる。

 

この様な現実が大きな問題として是正されない理由は、クライアント側の現場で働くスタッフの厨房に対する意識レベルや知識に欠けていることの何者でもない。

 

いうなれば、厨房設計の精度が重視されず、これまで業務が完結してしまうということに大きな問題があることであり、厨房設計の善し悪しや厨房計画の意義や役割に視点が集まっていないことの証でもあることだ。

いわゆる厨房設計に興味がない、あるいは精度を求めていないという現実がその根底にあることを理解しなければならない。

厨房設計の意義や役割は、いかに飲食店の現場の効率的オペレーション且つ繁忙時とアイドル時の労働力の削減など経営的視点に立った厨房計画が望まれていることはいかなる飲食店の厨房設計であろうとも、その基本は変わらないことだ。

 

何故に厨房設計の精度や内容にもっと重要性を見いだせないでいるかは、厨房設計は厨房会社では生産材ではなく、あくまでも業務を受注するためのサービスの一環であることに他ならないことだ。

しかし大手飲食企業は、厨房設計コンサルタントを参画させる際には、内装設計に支払うと同様な顧問料を支払うという習慣は少なからずとも業界に根付いている。

厨房会社であっても厨房設計業務に対する対価として設計料をクライアント側に請求できる制度の高い厨房設計をする姿勢を持たなければ、一向に厨房設計改革は進むことはないだろう。

 

厨房会社が設計する図面には、その具体的な説得力やクライアント側を納得させるだけの価値がないことに問題があることだ。

 

つまり厨房機器をただ単に並べた厨房設計では図面に対する価値を認めることはないだろうし、設計図面そのものに価値観がなければプロの仕事として完成度は低いものになる。

厨房会社の厨房設計部門が目指さなければならないことは、厨房設計でコンサルティング料を頂くスタイルへと考え方や姿勢を変えることであろう。

いつまでたっても設計料は無料で行うというカタチだけのサービスでは厨房図面の価値は上がらないことを忘れてはならない。

 

むしろ「クライアント側に納得させるだけの設計プランを提案できる技術や手法を持つことが改革の一歩であることを忘れてはならない」。

 

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-11

 

 

飲食店における客席や客室、あるいはイスやテーブルそのものの快適性については、ゲストにとって大変重要な要素となる。いくらデザイン的に良いイスであっても、しばらく座っているとお尻が痛くなり長く座っていられないとか、背もたれにデザインを施しているために、後ろによりかかると背筋が痛くてゆっくりとくつろげないなど、店によってはあまり感心できないイスやテーブルを使用している店があるのです。

飲食店のイスやテーブルは、ゲストが食事をする際の直接的な機能としての役割を担うことになり、ゲストにとっては、ゆっくりとくつろげる快適なものでなければならない。ましてやデザインを先行したあまりに座りにくいなどの不愉快な思いをさせてしまっては何にもならないことになる。大切なことはゲストにとって、そのイスやテーブルは使いやすいものであるのか、大きさや形は適当であるのかを十分に検討しておくことです。

 

②   化粧室その他の付帯施設

一般的にゲストが利用する客席、あるいは客席以外の付帯施設としては、電話室、待ち席、化粧室、クロークなどの設備があるが、飲食店において特に留意しておきたい付帯設備は、化粧室であり、特に女性客を対象として満足できる内容にしておくことです。

 

よく化粧室を男女兼用にしている店(今日では比較的少なくなりつつある)や化粧室そのものの部屋が狭く使いづらいなど、特に女性客に不愉快な思いをさせていることがあります。

また飲食店の経営や営業状態を把握する特に、その店の化粧室を見てみれば、すぐにその内容が分かるといわれているように、化粧室の内容で店の善し悪しが決まる。ましてや、狭いとか使いづらいなどは、たとえその店の料理やサービスがよくても、また再びその店に足を運ばないのが常であろうし、飲食店にとっては、意外と大きな意味をもつところでとくに店づくりに際しては留意してきたいところでしょう

③   厨房

飲食店において厨房とは、大変重要な要素でありその機能の善し悪しで、そこで提供される料理の早さや質が決まるといわれています。よく厨房やそこで使用する調理器具などを安易に考えて、店の店舗計画の最終になってやっとキッチンの計画の選定をするといった経営者が実に多い。これではいくらよい店づくりを志しても、後々キッチンの配置が悪く商品がすぐに提供できないとか、動きづらいなどのトラブルとなり、思わぬ不満をゲストに与えることになる。このようにならないためには、キッチンの重要性を十分に認識して飲食店の店づくりに際しては、まず始めにキッチンを計画するように覚えておくことでしょう。

 

④   倉庫・従業員の休憩室

倉庫や従業員の休憩室は、厨房の補助機能としての役割を担っているといえます。しかしよく飲食店の店づくりの計画では真っ先に店の隅に追いやられて、いつの間にかわずかなスペースをかろうじて残すという本来の飲食店の店づくりを考えた場合には、非常に不可思議な計画をされる箇所であり、現実に一般的な飲食店の倉庫や従業員の休憩室ないに等しいでしょう。

 

これでは、いくら良い内装デザインや客席で料理を提供しても、その料理を作る厨房の補助的機能や施設がしっかりしていなければ、ろくな料理が提供されないばかりか、そこで働く従業員もやがてその現状に嫌気がさし働く士気も殺がれることになる。飲食店の店づくりを計画する上でどのポイントが重要であるのかということを十分に認識して店舗計画に臨むことが大切なのです。

 

ここで大切なことは、自店はどのような業種・業態のどのポジショニングで戦うのか、あるいはどのような商品をもってゲストにおもてなしをするのかなど、その内容を十分に検討してから店づくりの計画に臨むことです。

つまり飲食店の店づくりを成功させる近道は、いかに時流を捉えて生活者の動向を知り、さらに店は誰のためにあるのかなど、その要諦をつかむことによって将来への布石を打つことなのです。

 

 

 

①   飲食空間(客席・客室)

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-10

 

<有形的要素>

ゲストにとって有形的要素とは、「人」、「物」など形あるものでそこでの飲食の快適性や雰囲気を高める要素なのです。

 

①   人的サービス(おもてなし)

サービスあるいはおもてなしとは、ゲストに対してどのようにすれば喜んでもらえるのかを常にゲストの立場に立って考えて行動することであり、真心や愛情、親切さを心から表現することです。

このサービスは飲食店を構成する有形的要素の中で大変重要なポイントであり、このサービスの善し悪しでその店の繁盛を決めるといっても過言ではないでしょう。

 

よく飲食店の店でそこに来店するゲストに料理を提供してあげているといわんばかりの、何か動物に餌でも配っているような扱いをする繁盛店に合うことがあるが、このケースは比較的うまく商売が当たってしまった繁盛店に多く、決して本来の飲食店の姿ではない。このような店の繁盛は、その店で提供される商品だけに期待していることが多く、ゲスト側も多くのサービスを期待していないことでバランスが成りっているのです。

しかし従来ならば、その商品にサービスという付加価値が加わればより繁盛するであろうし、また永続的な繁盛を獲得することができるであろう。でも概してこのような商品だけに頼った店では、近隣に同じような飲食店が開店すれば、客の足も徐々に途絶えてやがて衰退してしまうことになります。

これでは、何のために店を営業してきたのか分からなくなってしまうばかりか、後々悔やむことになる。飲食店の構成要素において直接的なサービスとは、ゲストにとってどのような意味がるのか、あるいはゲストは何を求めてその店に来店してくるのかを十分に認識しておくことが店づくりを擦るうえで重要なことなのです。

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-9

①  色彩

飲食店にとって色彩の役割とはただ単にその色を見る、あるいはその色を感じるという意味では、私は何色が好きだとか、何色はいやだとか、さほど大きな意味を持たない。しかし飲食店に入ってそのデザインの色、ありはイスやテーブル、メニューなどに使用される色は、直接的にゲストの食欲に結びつくことになります。

 

よく色には、人間の感情を表現する色があり、赤や茶系、黄色などのような比較的温かさを感じさせる色、あるいは白や水色、灰色のように涼しさ、寂しさを感じさせる色、またオレンジなどのように刺激的で食欲をそそる色など飲食店における色彩は、使い方によって非常に危険な要素と、逆にゲストの快適なひと時を過ごすために大きな役割を担っていることを認識しておくことです。

一般的に飲食店で使用される色彩としては、白やグレー、黒などよりも赤、茶、オレンジ、グリーン、黄色など温かさを強調した色彩が基本カラーとして人気があるようです

②  室温

人間にとっての快適な温度とは、人にはそれぞれの体温がるように人それぞれによって異なる。しかし一般的には、飲食店の商品項で説明しているように真夏の暑い日であれば、店の中に入ってひんやりと涼しいことを期待しているはずであり、ましてや空調が効いていないばかりか、そこでのサービスが悪ければ、2度とその店に足を運ばないでしょう。

 

よく落語の一席に暑い日には熱い鍋焼きうどんやラーメンを空調もろくに効いていないところで汗をかきながら食べる食事がおいしいなどという笑い話があるが、一般的な人であれば、食事をするときはその季節のあった快適な室温で食事をとりたいと思っていることが普通であろうし、冷えすぎても暑すぎてもゲストにとっては、決して快適ではないことを十分に認識しておくことが大切なのです。

③  音楽(BGM)

音食添の音楽(BGM)とは、食事をするための快適な空間をより演出するための役割を担っている。よく音楽喫茶に行けば、ほとんどといってよいほど店内には、クラシック音楽がかかっている。あるいはジャズ喫茶に行けば当然!ジャズがかかっている。また日本料理の店では、琴の自然の音などの音楽がかかっているように、飲食店にはその店の業種・業態に合わせた音楽をかけることが一般的であり、飲食店のひとつです

 

さらに居酒屋のような業種は、そこでのゲストの語らいやざわめきそのものが独特の雰囲気を醸し出していることもある。ときには、全然店の雰囲気や内容に関係なくただ単にそこで働く従業員の趣味趣向のみでBGMを選曲しているような店に出会うこともあるが決して感心できることではなく、それも音楽のボリュームは非常に大きく、ゲスト同士の会話を殺ぐほどの音量で音楽を流しています。

 

これでは、ゲストにとって快適な空間ではなく誰が主役であるのか分からなくなってしまうことになる。BGMとは、バック・グラウンド・ミュージックの略であり、主役を引き立たせる、あるいは演出するものであることを十分に認識しておくことです。

 

 

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-8

2 飲食店の構成要素

飲食店の店舗作りの計画を進める前に検討しておかなければならないことは、飲食店とはどのような構成要素で成り立っているのかという言です。当然のことに飲食店の構成要素も前項で述べた飲食店の商品の一つであることは変わるものではないが、ここではその構成要素を無形的要素と有形的要素の2つに分けて、その内容と店づくりに際しての留意点を具体的に掘り下げておくことにしましょう。

一般的に飲食店を構成する要素としては、たとえば、その飲食施設を利用するゲストをもてなす従業員の「人」と、ゲストが飲食するために必要とされるイスやテーブルの家具や什器など、あるいはゲストがその店を不便なく利用するための付帯設備(待ち席、クローク設備、化粧室、電話など)、さらにはそこで提供される商品、またその商品を調理するための厨房機器などの「物」の大きく分けて2つの有形的要素と無形的要素(飲食施設の心地よい空間つくるための内装デザイン、音、光、温度などの雰囲気)に分かれており、その業種・業態の内容によって構成要素のウェイトが左右されることになります。

たとえばディナーレストランのような比較的客単価の高い飲食店であれば、一般の飲食店に比較して、そこで使用されるイスやテーブルの家具などの質も高いものを使用したり、付帯設備としての化粧室などの施設の広さや心地よさも十分に検討されたものであろうし、その業態の内容に合わせてそこでの飲食空間の雰囲気やグレード、あるいはサービスなどは高いものになるように、ゲストにとっての雰囲気や快適性を高めるための無形的要素によって成り立っているのです。

<無形的要素>

ゲストにとって無形的要素とは、そこで快適な食事をするための快適性や雰囲気の全ての付加価値的要素のことです。

①  内装デザイン

よく内装デザインを奇抜にしてゲストを驚かせて店の話題性を得ようとする経営者がいるが、ゲストにとっての快適な空間とは、まず落ち着いて食事ができる空間であり、決して奇抜なデザインや驚きではないことを十分に認識してくことです。

 

②  照明

ただ単に照明というと、ホテルの入り口のシャンデリアや壁に掲げられた明かりをイメージする人も多いのではないだろうか。この飲食店の照明とは、ゲストにとって快適に食事をする、あるいは料理がおいしく見える明るさや照明の光をいうのであり、くつろぐ場所として快適な明るさとしてふさわしいかということなのです。

 

よくコンビニエンスのように異常に照明が明るく、そこで食事をするには落ち着かなかったり、またその逆に食事をする空間としては、やたらと薄暗い店もある。また今日の飲食店の店づくりでは、その雰囲気に特徴を持たせるということで、デザイン照明などが多様化されて、かえっておいしい料理をまずいものにしているなど飲食店における照明の役割はとても大きく、ただ単にデザインを先行とした照明器具の選定や計画をしないように十分に留意しておくことです。

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-7

 

①  什器・家具・音楽

3つめの商品は什器・家具・音楽などである。よく、そば屋、日本料理屋に行ってその店構えに対して、そこで提供される料理の器や箸の貧弱さに驚かされることはないでしょうか。

 

店の入り口には、ちゃんと盛り塩がしてあり、向こう三軒両隣まで打ち水がしてある。さらに入口にはちゃんと気の利いた暖簾がかかっている。誰しもこんな店であれば、さぞかし料理やサービスなどについても気配りが行き届いているのではと、期待するのが当然でしょう。しかし現実には、そこで提供される料理の器は、メラミン樹脂、箸はどこかの間に合わせと一目でわかるようなものである。これでは、たとえいくら美味しい料理やサービスを提供したとしても、ゲストにとってはどこか物足りなさと、その期待に対する裏切りで寂しさを感じることになります。

本来であれば、料理も盛る器は、伊万里焼や備前焼のようなちょっとしぶみのある器で、提供してほしい。また箸については、竹箸か黒塗りの箸が似合いそうなもので、誰しもゲストはこのような器や箸などの備品にいたるまで雰囲気の調和を求めているものである。これも飲食店の大切な商品のひとつなのです

 

さらに家具(テーブル、イス)にてついても十分に検討されたものでなければならない。よくテーブルの割にイスがやたら小さく、何かバランスがとれていないとか、あるいは奇抜なデザインの店のためイスやテーブルまでも奇抜な作りになり、30分もすればおしりが痛くてどうしようもないとか、椅子の背もたれにデザインが施されていて、背中が痛いなどの悪例を挙げれば、枚挙にいとまがないでしょう

ゲストは、奇抜な内装デザインのテーブルやイスを目的として来店しているのではなく、食事をするための居心地良い空間を求めてくるのです。

さらに飲食を楽しくさせるための商品として音楽がある。よく喫茶店に入れば、クラシックやポップスなど、その店の雰囲気に合わせた、あるいはその時間帯に合わせてかける音楽を変えている店など、音楽をゲストに安らぎを与える一つの商品として活用している店も少なくないでしょう。

 

たとえば、ディナーレストランであれば、食事の楽しい語らいをより引き立てるような音楽が選曲されて耳に心地よくかすかに聞こえるように配慮されているとか、あるいは和食料理店であれば、自然の小鳥のさえずる音とか、水の流れる音などそこで提供される料理との調和を考えた音楽を選曲しているでしょう

これがジャズであったり、ポップスでは、どうしてもアンバランスな雰囲気になってしまいゲストとしてしらけたり、興ざめてしまうことになります。

このように飲食店における音楽とは、食事を楽しくするためのひとつの商品であり、その音楽とその店のイメージや雰囲気があっていなければ、その効果は半減するどころか、ともするとその音楽は雑音にしかならないということになり、ゲストにとっては非常に不愉快なものになってしまう。

このように飲食店の商品とは、直接的に提供される料理そのものの味だけではなく、そこで食事をするという行為やその飲食空間をより心地よく、あるいは楽しくさせるための全ての付加価値的要素であるといえる。つまり、人間の五感で感じることのできるすべての要素なのです。

 

 

 

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-6

①  居心地のよい施設空間

よく真夏の暑いときにクーラーが効いていない店とか、トイレが狭く利用しにくいなどの不愉快な店、あるいは立錐の余地もないくらいに客席を詰め込むだけ詰め込んでいる店であるとか、さらに異常なくらいに天井が低くそこにいるだけで息苦しいなど、飲食店の施設空間としては適していないのではという店は全国至るところにあるでしょう。

 

またデザインについても全くその店で提供される商品や内容とは、そぐわないけばけばしいデザインをしている店や明らかにゲストを意識してデザインで驚かすことだけに力を注いだという店も数多くあります

 

これは決してデザインを強調している店が悪いと言っているのではなく、そのデザインが店の内容に合っていれば何の抵抗もないであろうし、むしろその空間を引き立たせているはずである。しかしこのような店のほとんどは、デザインを専攻してどぎつい色遣いを施していることが多く、どうみても飲食する空間としては適していないことが多いようです。

しかし今日では、比較的に奇抜なデザインを施して、飲食店のトレンディ―スポットとして飲食専門雑誌や業界紙の紙面を賑わしている店がよい店であると勘違いしている人が多く、本来の飲食店として考えた場合には、それは少し奇抜すぎて一般のゲストには落ち着かない空間であるばかりか、現実的に飲食店としてこのような店は長続きしないことを覚えておく必要があるでしょう。

またよく料金の高い安いの判断をするときには、そこで提供される商品の味だけではなく、それ以外の雰囲気や奉仕の内容で決めることが多く、料金を支払う段階になってその料理やサービスに満足していれば、「これは安い!」、満足していなければ、「これは高い」ということになります。

このように飲食店の商品(負荷価値)とは、直接的な食を提供し食事をするという行為やサービスそのものだけではなく、その食事をより一層楽しく引き立たせるための施設空間や内装デザインに満足できたかどうかでその評価は決まるものです。

 

たとえばイタリア料理店であれば、内装はイタリアの農家のイメージで雰囲気を演出し、あたかもイタリアの住宅にいるような気持にしてくれるとか、あるいは客席もゆったりとしていて、ゆっくりと食事がとれる落ち着いた内装デザインであるとか、施設空間であるとか、さらにその店に行けばきっと新しい何かがあるだろうというゲストの期待を裏切らないことでもあります。

 

 

まずゲストは、そこで提供される食事そのものだけに料金を支払うものではなく、その施設空間の雰囲気や環境を高めるための負荷価値に対価を支払うものであり、飲食店にとって施設空間や内装デザインは、大切な商品であることを覚えておくことです。