厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-7 | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-7

 

①  什器・家具・音楽

3つめの商品は什器・家具・音楽などである。よく、そば屋、日本料理屋に行ってその店構えに対して、そこで提供される料理の器や箸の貧弱さに驚かされることはないでしょうか。

 

店の入り口には、ちゃんと盛り塩がしてあり、向こう三軒両隣まで打ち水がしてある。さらに入口にはちゃんと気の利いた暖簾がかかっている。誰しもこんな店であれば、さぞかし料理やサービスなどについても気配りが行き届いているのではと、期待するのが当然でしょう。しかし現実には、そこで提供される料理の器は、メラミン樹脂、箸はどこかの間に合わせと一目でわかるようなものである。これでは、たとえいくら美味しい料理やサービスを提供したとしても、ゲストにとってはどこか物足りなさと、その期待に対する裏切りで寂しさを感じることになります。

本来であれば、料理も盛る器は、伊万里焼や備前焼のようなちょっとしぶみのある器で、提供してほしい。また箸については、竹箸か黒塗りの箸が似合いそうなもので、誰しもゲストはこのような器や箸などの備品にいたるまで雰囲気の調和を求めているものである。これも飲食店の大切な商品のひとつなのです

 

さらに家具(テーブル、イス)にてついても十分に検討されたものでなければならない。よくテーブルの割にイスがやたら小さく、何かバランスがとれていないとか、あるいは奇抜なデザインの店のためイスやテーブルまでも奇抜な作りになり、30分もすればおしりが痛くてどうしようもないとか、椅子の背もたれにデザインが施されていて、背中が痛いなどの悪例を挙げれば、枚挙にいとまがないでしょう

ゲストは、奇抜な内装デザインのテーブルやイスを目的として来店しているのではなく、食事をするための居心地良い空間を求めてくるのです。

さらに飲食を楽しくさせるための商品として音楽がある。よく喫茶店に入れば、クラシックやポップスなど、その店の雰囲気に合わせた、あるいはその時間帯に合わせてかける音楽を変えている店など、音楽をゲストに安らぎを与える一つの商品として活用している店も少なくないでしょう。

 

たとえば、ディナーレストランであれば、食事の楽しい語らいをより引き立てるような音楽が選曲されて耳に心地よくかすかに聞こえるように配慮されているとか、あるいは和食料理店であれば、自然の小鳥のさえずる音とか、水の流れる音などそこで提供される料理との調和を考えた音楽を選曲しているでしょう

これがジャズであったり、ポップスでは、どうしてもアンバランスな雰囲気になってしまいゲストとしてしらけたり、興ざめてしまうことになります。

このように飲食店における音楽とは、食事を楽しくするためのひとつの商品であり、その音楽とその店のイメージや雰囲気があっていなければ、その効果は半減するどころか、ともするとその音楽は雑音にしかならないということになり、ゲストにとっては非常に不愉快なものになってしまう。

このように飲食店の商品とは、直接的に提供される料理そのものの味だけではなく、そこで食事をするという行為やその飲食空間をより心地よく、あるいは楽しくさせるための全ての付加価値的要素であるといえる。つまり、人間の五感で感じることのできるすべての要素なのです。