厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-6 | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/飲食店の分類(業種・業態)-6

①  居心地のよい施設空間

よく真夏の暑いときにクーラーが効いていない店とか、トイレが狭く利用しにくいなどの不愉快な店、あるいは立錐の余地もないくらいに客席を詰め込むだけ詰め込んでいる店であるとか、さらに異常なくらいに天井が低くそこにいるだけで息苦しいなど、飲食店の施設空間としては適していないのではという店は全国至るところにあるでしょう。

 

またデザインについても全くその店で提供される商品や内容とは、そぐわないけばけばしいデザインをしている店や明らかにゲストを意識してデザインで驚かすことだけに力を注いだという店も数多くあります

 

これは決してデザインを強調している店が悪いと言っているのではなく、そのデザインが店の内容に合っていれば何の抵抗もないであろうし、むしろその空間を引き立たせているはずである。しかしこのような店のほとんどは、デザインを専攻してどぎつい色遣いを施していることが多く、どうみても飲食する空間としては適していないことが多いようです。

しかし今日では、比較的に奇抜なデザインを施して、飲食店のトレンディ―スポットとして飲食専門雑誌や業界紙の紙面を賑わしている店がよい店であると勘違いしている人が多く、本来の飲食店として考えた場合には、それは少し奇抜すぎて一般のゲストには落ち着かない空間であるばかりか、現実的に飲食店としてこのような店は長続きしないことを覚えておく必要があるでしょう。

またよく料金の高い安いの判断をするときには、そこで提供される商品の味だけではなく、それ以外の雰囲気や奉仕の内容で決めることが多く、料金を支払う段階になってその料理やサービスに満足していれば、「これは安い!」、満足していなければ、「これは高い」ということになります。

このように飲食店の商品(負荷価値)とは、直接的な食を提供し食事をするという行為やサービスそのものだけではなく、その食事をより一層楽しく引き立たせるための施設空間や内装デザインに満足できたかどうかでその評価は決まるものです。

 

たとえばイタリア料理店であれば、内装はイタリアの農家のイメージで雰囲気を演出し、あたかもイタリアの住宅にいるような気持にしてくれるとか、あるいは客席もゆったりとしていて、ゆっくりと食事がとれる落ち着いた内装デザインであるとか、施設空間であるとか、さらにその店に行けばきっと新しい何かがあるだろうというゲストの期待を裏切らないことでもあります。

 

 

まずゲストは、そこで提供される食事そのものだけに料金を支払うものではなく、その施設空間の雰囲気や環境を高めるための負荷価値に対価を支払うものであり、飲食店にとって施設空間や内装デザインは、大切な商品であることを覚えておくことです。