スペイン語の文献1(スペインの歴史についての本) | 武村陽子blog Takemura Yoko

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外国語の習得法の1つとして外国語の書物を読むという方法もあります。

最初は簡単なものからということで、子供向けの本を読むといいという意見もありますが、自分に興味のないものですと、楽しくないと思います。

例えば、童話とか、英語だったらディズニーなどがあります。

 

本当にディズニーが好きな人、グリム童話などのメルヘンの好きな人なら面白いと思いますが、興味がなければ、楽しくないので長続きしません。

やはり、自分に興味のあるものを外国語で読むのが一番だと思います。

私の場合は、仕事がらやはり旅行書(ガイドブックなど)や、歴史書などが多いです。

 

特に、「スペイン世界遺産と歴史の旅」など、ヨーロッパ関係の本の執筆にあたっては、日本で発行されているものだけでなく、現地の人が書いた現地語での文献が参考になります。

 

また、通訳ガイドの仕事がら、スペイン語で書かれた日本に関する書物も参考になりました。

その一部を紹介します。

 

まず、これ(下記の写真)はスペインで子供向けに書かれたスペインの歴史の本です。最初に読んだ本で、とても分かりやすく書かれています。アルタミラの洞窟の発見の話から始まり、イベリア人、ケルト人、セルティベロ人、フェニキア人、ローマ人、西ゴート人、イスラム教徒・・・と続きブルボン王朝の話まで載っています。

この1冊だけでも、スペインの歴史がざっとわかるように書かれています。

 

 

次の2冊(下記の写真)は、スペインの有名な歴史作家ファン・アントニオ・セブリアンによる本です。

この本を買って読んだのは2006年のことですが、その翌年2007年に残念ながらこの著者は42歳で亡くなりました。ほぼ同年代の作家だったようです。

左側のLa cruzada del surは、スペインのイスラム教時代の歴史が詳しく書かれています。8世紀のイスラム教徒のイベリア半島侵入、コバドンガの戦いでレコンキスタ(国土回復戦争)が始まったことから、グラナダをカトリック教徒が取り戻すところまでの話が書かれています。

スペイン旅行(特にツアー)では、アルハンブラ宮殿に必ずと言っていいほど行くので、イスラム教徒の話は避けて通れないところです。

この本はとても面白く、参考文献の中では1番役に立ったものです。

 

右側の、La aventura de los conquistadoresは、その続きで、15世紀末、コロンブスがアメリカ大陸を「発見」するところから始まり、メキシコに行ったエルナン・コルテス、ペルーに行ったフランシスコ・ピサロなど、征服者の話が1冊に収まった歴史書です。

これは、実は途中でやめてしまい、完読はしていませんが、コロンブスの話など、とてもよくわかり、役に立ちました。

J.A.セブリアンは、このほかにも、スペインのローマ時代、西ゴート王国時代の話も書いています。

 

 

下記の、Las Austriasは、直訳すると女性のオーストリア人ですが、スペインハプスブルク時代の女性の物語です。書いた人は、カタリーナ・アプスブルゴという女性で、ハプスブルク家の子孫でもあります。

Margarita de Austria(1480~1530)の物語(フランドル出身でスペインのファン王子に嫁いだマルガレータ)に始まり、ファナ女王の末娘カタリーナ、フェリペ2世の娘たち、フェリペ4世の妃マリアナなどハプスブルク時代のスペイン王家の女性の物語集です。

表紙の写真の人物は、ベラスケス画による、マリア・テレサ王女です。17世紀のフェリペ4世の王女で、フランスのルイ14世に嫁いだ人です。フランスでは、マリー・テレーズという名で知られています。

ベラスケスの絵で有名なマルガリータ王女の年の離れたお姉さんにあたります。

今回はスペインの歴史に関する文献で終わってしまいました。

日本に関する文献については、次回に紹介いたします。